カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062148054

感想・レビュー・書評

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  • タケとテツは、中年詐欺師コンビ。二人は共に闇金業者から借金の末、家族を失った過去があった。ある日二人は街中でスリを働いていた少女まひろを助け、同居することになる。そこにはやがてまひろの姉や姉の彼氏までもが移り住み、擬似家族のような奇妙な同居生活が始まるが…

    詐欺師が巨悪に立ち向かうコンゲーム小説。コンゲームとは詐欺や騙し合いをテーマにしたサスペンスで、小説では「紳士同盟」が有名だが映画で言うと「ミッション•インポッシブル」や「オーシャンズ11」のようなノリ。
    本書は著者の代表作に推す声も多く、期待値も高かったが、期待通りに面白かった。
    なんといってもプロットが素晴らしい。辛い過去を持つ詐欺師達が、共通目的の元で一丸となって闇金業者に立ち向かうストーリーはわかりやすくてスリリング。彼らが企てた“アルバトロス作戦”も、ヒヤヒヤしながら祈るように読み進めた。
    ミスリードやダブルミーニングを交えながら二転三転する展開は圧巻。騙してくるとわかってても騙される。わかってても止められない三笘薫のドリブルみたいだ。反転後の怒涛の伏線回収劇は驚きを通り越してもはや痛快。そこかしこに張り巡らされていた伏線の数々。中にはあからさま過ぎる伏線もあって、いやあ、一本取られた。タイトルも最後に意味がわかってジワる。

    登場人物が少なくかつ個性的な面々だし、ポップでユーモラスな文体で読みやすいので、ミステリ初心者にもオススメ。

    週刊文春ミステリーベスト10 10位
    このミステリーがすごい! 6位
    本格ミステリ・ベスト10 16位
    ミステリが読みたい! 4位
    日本推理作家協会賞受賞(2009年)

    《カラスの親指シリーズ》
    1.カラスの親指
    2.カエルの小指

  • ミステリーものよりは心温まるストーリーが好きな私でも、大きな声でどっちも楽しめたー!って言える作品だった。ハラハラドキドキ感も楽しめたし見事な伏線回収に感動。
    道尾秀介さんの作品もっと読んでみたいなー

  • 一気読み。
    「あれ?おかしいな」と、ちゃんと引っかかりを覚えたところもあったし、かえって深読みし過ぎていたところもあった。
    しかしもちろん、本筋はわかるはずもなく、騙されていた。
    面白かった。

  • 面白く爽やかな読了感ですね♪
    今まで読んだ道尾作品とは一味違って、何だか伊坂幸太郎の作品みたいに感じながら読んだ。
    オヤジ詐欺師二人と 孤児妹姉、姉の彼氏 の5人がひょんなきっかけで一ツ屋根の下で擬似家族みたいに暮らし、ヤミ金グループに奇策で立ち向かい成功したかに思えたけれども.....
    終盤の絵解きはツジツマが合い過ぎ感が大きいけど、読み手側としては気持ち良く騙されてハッピーでしたよ。

  • 最後で脳天ぶち抜かれた

  • 敵事務所に乗り込んでバッチリ仕返しOK!スッキリした!なんて思ってたけど、ラストにこんなどんでん返しがあるなんて。なかなか良い終わり方だだった。

  • またまた大どんでん返し。しかも残りわずかのところである。振り返れば物事がとんとん拍子すぎて、タケさんが時々感じる違和感にやや動揺はしたが、考えては前に進まないのでどんどん読んだ。本作の趣旨はすべてテツさんの言葉にあると思う。

    ところで続編となる「カエルの小指」で感じた疑問は、今回すべて解決した。2作の隔たりは10年以上にもなるのに、すっきりした続き具合が上手いと思う。先に続編を読んでしまったからだろうか。

    本作の読書時間の8割は騙されていたことになるんだなあ…。でも後味のよい終わり方だったので怒りは全くない。

  • 初めての道尾秀介作品。面白かった!
    「カラスの親指」という題が読む気を失わせるのは私だけだろうか。
    しかし、そこにもちゃんと意味がある。
    出てくる人達が苦労してるんだけど、心の底は優しくて。堂々と生きたいけど、生きられない不器用な感じがなんか良かった。
    どんでん返しが好きな人は、絶対見破ってやる!という気持ちでどうぞ。

  • 素敵な終わり方やったー!
    最後のラストまではなんだか切ないしこれで良かったのかな、?面白いけど評価ほどじゃない終わり方かなーと思ってたけど、よみ進めて
    ラスト30ページくらいから、まさかのまさか
    最初っから騙されてました!
    なのにすごく素敵な話に終わって感動!
    腑に落ちないとタケさんが思ってたものや、ときおり思わせぶりな謎もすべて綺麗に回収されて、
    悪は悪で制してた事もスッキリ!
    映画も見てみたいです

  • サギ、ウソ、カッコー、ムクドリ、アホウドリ、カラス、その英語の章名のダブルミーニングも含め、カラス=玄人によるペテン劇のどんでん返しにうなる。
    アルバトロス作戦の結末に、アレレと拍子抜けしながら読んだラストのカラスの章でのネタバラシで、『カラスの親指』というタイトルの意味も含め、そういうことだったのかという納得感としみじみとした感覚を味わった。
    20-38

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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