ロードムービー

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著者 : 辻村深月
  • 講談社 (2008年10月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062150859

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ロードムービーの感想・レビュー・書評

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  • 子どもだからこそ、できること。
    まだ子どもだから、できないこと。
    子どもだからこそ、全身で受けとめてしまう想い。
    まだ子どもだから、うまく伝えられない想い。

    大切な誰かのために、考えるより先に闇雲に走り出していたり
    心の底から正しいと思えることなのに、理不尽に却下されたり踏みにじられたり
    自分たちの手でなんとかしたいのに、大人の手を借りるしかなくて歯噛みしたり。。。

    幼い頃の、「頑張れば何にだってなれる!」という幸福な万能感が
    大人の事情や、謂れのない悪意や周囲の思惑によって
    子どもとして生きる不自由さに塗り替えられていく切なさと
    それでも自分なりの方法で、なんとか突破口を開こうと闘うことの尊さが
    辻村さんらしい丁寧さで描かれ、胸に迫ります。

    『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ作品ということで
    1篇めから3篇めへと、あの鷹野くんの成長ぶりを、30代から小学生の頃まで
    時を巻き戻しながら見守ることができるうれしさといったら♪

    1篇めの主人公トシには、またもや辻村さん作品ならではの騙され方をしましたが
    お母さんが「男前な女性代表」の景子さんなのだから、それもそうよね。。。と納得し
    生徒会長だった裕二くんが鷹揚さを失わずに素敵なパパになっていることにほくほくし

    相変わらずとてつもなく優しいけれど、あの頃の自分のように悩む思春期の教え子の
    痛みを一緒に受け止める強さを見せてくれる充くんに目頭が熱くなり

    親友でもあり、ヒーローでもあったヒロを失った幼い日の鷹野くんが
    抑えきれずに叩きつける悲しみや怒りや嫉妬を
    小さな聖母像のように受け止めるみーちゃんのけなげさに
    なるほど、これじゃあ10年後も20年後も、全身全霊で守り続けるぞ!
    って思わずにいられないだろうなぁ♪と何度も頷いて

    子どもの突飛だったり無鉄砲だったりする言葉や行動には
    必ず子どもなりの真摯な思いや理屈があることを
    忘れない大人でありたいと胸に刻む、大切な1冊になりました。

  • 『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ。
    本編は未読なのでわからない部分もあるが、それでもぐっとくるものがある。
    不安を抱えながらもがく子供たち。
    その描写が繊細で、ひきこまれる。
    ともに苦しくなる。
    だからこそ、じーんときて、泣ける。

  • 小学生と言えども高学年にもなれば、人間関係は複雑なものになる。大人になってしまえば、職場など利害関係がなければ無理してつきあっていく必要もなくなるけれど、「学校」という枠組みの中では強者に嫌われればたちまち身の置き場がなくなる。

    何でもできて人気者だったトシの転落はささいなきっかけによるものだし、この頃からすでにえげつない子はいるものだ。
    ワタルとトシのきずなの強さ、互いを思いやる気持ちが必死すぎてその純粋さに打たれる。


    まわりを全部敵に回しても、絶対に味方でいてくれる存在、自分の友達でいることを誇りに思ってくれる存在、そしてまた自分も友達になれたことを誇れる存在がいれば人は強くなれる。

    先入観から入ってしまったこともあり主人公については大きな思い違いをしていたけど、友情の素晴らしさには変わりない。
    (表題作)

    まだ辻村さんの本は2作目なので、登場人物たちが作品ごとの垣根を越えてつながっているスピンオフの構造については実感できていない。古本屋さんで見つけた「名前探しの放課後」は上巻のみだし、「冷たい校舎の時は止まる」は下巻のみ、道のりはまだ長いなぁ。

  • いいですね。些細な事にも全力で向かっていく子ども。
    でも、イジメに気付きつつ、黙って見守る母親も素敵。
    「ロードムービー」の諏訪慧恵を見ても、
    「道の先」の「僕たちはどこにでも行けるし、変わっていく。」を読んでももやもやと何かが引っかかるだけで全然「冷たい校舎〜」と繋がりません。
    もう1回「冷たい校舎〜」読みます。

  • 子どもが主人公の話って、なんかキラキラし過ぎてるというか、嘘くさい感があって、いやで、ここんとこ避けてたんだけど…中編3作のうち、二つが子どももの。表題作はみごと騙されたし、それなりに面白かったんだけど、ラストの話はそのキラキラ感が若干鼻についた。物語の問題というより、受け止める私の問題だと思うけど…;^_^A
    子どもが主人公のやつより、家庭教師やってる大学生が主人公の「道の先」が好きだった。

    他の人のレビューを読んで、スピンオフものだと分かり、ショック(つД`)ノあーあ…先に本編読めばよかった…

  • 残念ながら期待していたほどではなかった。
    それでもこれから、推奨されている順に著者の作品を読んでいきたい。

  • 読み終わったあと、もう1度読み返したくなるような物語が三編収められた一冊。家出をする小学六年生二人が主人公の「ロードムービー」。塾講師と中学三年生の女の子の物語「道の先」。心に傷を負った小学二年生の男の子と、彼を一途に見舞う同級生の女の子の物語「雪の降る道」。

    どの物語もどうにもならない現実の苦味を描きつつ、それぞれの物語に出てくる少年少女たちの「未完成さ」を浮き彫りにし、しかし「未熟」ではなく「未完成」であるが故にそこに大きな可能性があること、未来があることを強く感じさせる物語になっています。少年少女にも、かつて少年少女だった大人にも楽しめる作品。

  • 冷たい校舎〜を先に読んで良かった。1個目もいい話で、またあっさりやられちゃったけど、最後の話でみーちゃんが全部持ってった。成長したらちょっと面倒臭くなってるけど、あんなに体張って喧嘩とか毎日お土産とか……ちくしょー可愛い!泣けた!そりゃずっと俺が守ろうと思うわっ!汚れた大人にはとてもまぶしい。ごちそうさまでした。

  • 大切な人をその時自分がもっている全力で一生懸命に相手を守る気持ちや行動って、相手にいつか伝わるものだと思います。短編でしたが、心温まる内容ばかりでした。

  • 『ロードムービー』だけ読んだ。これも含め、前作のスピンオフ的な短編だということなので、順番に読もうと思って。
    トシちゃんは頭も良くて人気者。でも嫌われ者のワタルと仲良くなったことでイジメの標的にされる。憧れていた児童会長、以前なら簡単になれると思っていたのに、今は遠い雲の上。それでも諦めずに立候補するトシちゃんへの、ワタルの応援演説に泣けた。
    「トシちゃん、どこに行っても何になってもいいんだよー」って言葉。友情めぇ、素敵じゃねーか。

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