ロードムービー

著者 :
  • 講談社
3.65
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本棚登録 : 1830
感想 : 341
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062150859

作品紹介・あらすじ

感動の欠片がつまった、優しい短編集 デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』から生まれた3短編が描くのは、誰もが感じやすさを抱えながら暮らすこの世界の片隅。切なさがゆっくりと心に満ちてくる…

感想・レビュー・書評

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  • 2023/07/04読了
    #辻村深月作品

    「冷たい校舎の時は止まる」から
    派生したスピンオフ短編3作。
    少年少女の繊細な心の機微を描く。
    第1章のロードムービーは泣けた。
    全編ほっこりするストーリー。

  • 「冷たい校舎の…」スピンオフなので忘れないうちに
    読んでしまおうと♪

    短編三つです。
    面白かった〜(^-^)

    ちょっと切ないけど暖かい話し。
    スピンオフとか大好きなので嬉しかったです!


  • 子どもだからこそ、できること。
    まだ子どもだから、できないこと。
    子どもだからこそ、全身で受けとめてしまう想い。
    まだ子どもだから、うまく伝えられない想い。

    大切な誰かのために、考えるより先に闇雲に走り出していたり
    心の底から正しいと思えることなのに、理不尽に却下されたり踏みにじられたり
    自分たちの手でなんとかしたいのに、大人の手を借りるしかなくて歯噛みしたり。。。

    幼い頃の、「頑張れば何にだってなれる!」という幸福な万能感が
    大人の事情や、謂れのない悪意や周囲の思惑によって
    子どもとして生きる不自由さに塗り替えられていく切なさと
    それでも自分なりの方法で、なんとか突破口を開こうと闘うことの尊さが
    辻村さんらしい丁寧さで描かれ、胸に迫ります。

    『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ作品ということで
    1篇めから3篇めへと、あの鷹野くんの成長ぶりを、30代から小学生の頃まで
    時を巻き戻しながら見守ることができるうれしさといったら♪

    1篇めの主人公トシには、またもや辻村さん作品ならではの騙され方をしましたが
    お母さんが「男前な女性代表」の景子さんなのだから、それもそうよね。。。と納得し
    生徒会長だった裕二くんが鷹揚さを失わずに素敵なパパになっていることにほくほくし

    相変わらずとてつもなく優しいけれど、あの頃の自分のように悩む思春期の教え子の
    痛みを一緒に受け止める強さを見せてくれる充くんに目頭が熱くなり

    親友でもあり、ヒーローでもあったヒロを失った幼い日の鷹野くんが
    抑えきれずに叩きつける悲しみや怒りや嫉妬を
    小さな聖母像のように受け止めるみーちゃんのけなげさに
    なるほど、これじゃあ10年後も20年後も、全身全霊で守り続けるぞ!
    って思わずにいられないだろうなぁ♪と何度も頷いて

    子どもの突飛だったり無鉄砲だったりする言葉や行動には
    必ず子どもなりの真摯な思いや理屈があることを
    忘れない大人でありたいと胸に刻む、大切な1冊になりました。

    • nobo0803さん
      これは、「冷たい校舎の時はとまる」のスピンオフなんですね!!知らなかった・・・
      冷たい校舎・・・は前後編あるし、ロードムービーから読もうかな...
      これは、「冷たい校舎の時はとまる」のスピンオフなんですね!!知らなかった・・・
      冷たい校舎・・・は前後編あるし、ロードムービーから読もうかな~と思ってました・・危ない危ない。
      これもまた辻村作品ならでは!って感じですね。
      読むのが楽しみです。
      2012/09/09
    • まろんさん
      もちろんこの本から読んでもじゅうぶん楽しめるけれど、
      登場人物への愛着というエッセンスがあると、何倍も楽しめる気がします♪
      この作品あたりか...
      もちろんこの本から読んでもじゅうぶん楽しめるけれど、
      登場人物への愛着というエッセンスがあると、何倍も楽しめる気がします♪
      この作品あたりから、書きたいこと、書かずにいられないことをずっと溜め込んできた
      辻村さんの言葉の奔流が少しゆるやかになって
      上中下分冊というような長編ではなくなってくるみたいなので
      このところ、目の疲れがひどい肩こりに連結している私は、
      ちょっとほっとしていたりして(*'-')フフ♪
      2012/09/10
  • 読み終えて、皆さんの感想を読んで初めて、未読作品である『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ作品と知る。順番はどうあれ、本篇読まねば。

    『ロードムービー』の最後の、ワタルくんの児童会長選挙の応援演説は心を打つ。痛みを知る人だけが語れる内容というんでしょうか。こういう苦しい時を経てみな大人になった筈なんだけど、いつのまにか忘れてるのか、苦しいから思い出したくないのか。やっぱり、忘れてはいけないんだろうなあ。

  • 『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ。
    本編は未読なのでわからない部分もあるが、それでもぐっとくるものがある。
    不安を抱えながらもがく子供たち。
    その描写が繊細で、ひきこまれる。
    ともに苦しくなる。
    だからこそ、じーんときて、泣ける。

  • 表題作含め全3篇を収録した短編集。
    「冷たい校舎の時は止まる」を事前に読んでおくのがオススメ。

    ★ロードムービー
    イジメから逃れたい少年達の逃避行。かと思いきや…。辻村流エッジの効いた切り返しと胸のすくハッピーエンドが心地よい。
    友達思いのワタルがナイスキャラ。
    メインストーリーと並行して、脇を固める登場人物達のサブストーリーにも辻村ファンの琴線に触れる事実が…。うんうん、良かった。

    ★道の先
    仕掛けは予想してたものの、驚いた。あの人は随分とキャラ変しているような…思てたんとちゃう!

    ★雪の降る道
    「冷たい校舎の時は止まる」とのつながりは、本作が最も強い印象。短編なのでしょうがないかもしれないが、プロットはやや強引。

  • 人は 大切なものに気がつかない。気がついているけど 大切にできない時があるんだなぁ
    真っ直ぐに 大切な人や物を 大切にできる人でありたい

    でもたぶんできないから 大切にできる人を 素直に好きだと感じることができる私でありたい

  • 辻村さんっぽくない作品。短編集。

    不思議な話ではなく、生活の中のちょっとした事件を通じて、人の心の機微を描く。
    主人公は子供、あるいは子供の環境を中心とした話であり、周りの大人の暖かさや、子供ならではの純粋な苦しさが描写されている。

  • というわけで『ロードムービー』です
    何がというわけかというと読む前に『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ短編集というのを知って慌てて別の図書館に『冷たい校舎の時は止まる』を借りに行ってそちらを先に読了したからw
    うんまあこっちを先に読まなくて良かった!気をつけて!

  • 『ロードムービー』『道の先』『雪の降る道』の3編を収録した、辻村深月初の短編集。子供(若者)たちの友情と別れ、そして未来へと続く道が共通のテーマとなっているようだ。子供の頃の一途な思い、忘れないようにしないと。。デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフのようなので、こちらもぜひ読んでみたい。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

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