三悪人

著者 :
  • 講談社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062152006

感想・レビュー・書評

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  • 享保の改革の水野忠邦、ご存知金さんこと遠山景元、のちに妖怪と呼ばれる鳥居耀蔵の若き日を描いたピカレスク時代小説。 

    田牧さんは前作の泣き菩薩でも安藤広重の若き日を舞台にしてたけどこの手の話が好きなのかな? 

    この人の時代小説の良さは小気味のよいテンポよさで今回もぐいぐいと話しを引っ張っていってくれます。 

    水野VS遠山&鳥居の騙しあいって図式ですが容姿端麗な見た目とは裏腹に腹黒い忠邦に対して金さんが知恵をしぼって策力すれば耀蔵は勘の鋭さで対抗します。 
    脇役のキャラも光るものがあって最後まで楽しませてくれました。

    三悪人の騙しあいもよかったんですが青山善光寺の尼僧たちの強さもかっこよかったです^^

  • 悪人や騙しあいって、元来ニガテなのだけれど、やっぱり田牧大和さんはある意味一筋縄ではいかないのですね。
    権謀術数渦巻くものは、ときどきついていけなくなるものなのですが、これはしっかり読めました!
    タイトルのイメージとは違って、悪人になりきれていないというか……。

    騙しあってたはずなのに、お互いに後腐れがないからなのかしら。
    ああ、この感覚は、「ノーサイド」だ。
    最近指摘されて気づいたのだけど、わたしはどうやらスポーツ観戦が好きだったようで、
    この読後感は、スポーツ観戦したときの感じに似ている。

  •  時代劇でおなじみのメンツが時代劇のとおりのキャラクターで登場。切れ者で冷徹な美形の水野忠邦、女にモテてちょっと不良ぶってる小粋な遠山の金さん、三枚目な面構えで強欲、あくの強い鳥居耀蔵。

     イメージを裏切らないところから、やっぱりありがちな話に終わるのか?と思いきや、三人それぞれ自分の思惑があって、だましあったり助けたり...どいつもある意味悪人なんだがそれぞれに一途な思いを持っていたりする。こういう悪人ともヒーローとも言い切れない部分がとてもリアルで、一瞬、現代を舞台にした経済小説か何かを読んでいるような錯覚に陥る。本当にとっても面白かった。

  • やや素直な展開ではあるが、テンポが早くて楽しめた。これくらいの分量がちょうど良いって感じの本。

  • 水野(美形)・遠山(男前)・鳥居(狛犬)…ちょっと前に同じ時代&面子の話しを読んでしまったので、こちらはキャラ立てが過ぎるような…三人の騙し合い。読む前に続編があるのを知ったのと、終わり方があっさりであまり残らなかった。

  •  寺社奉行:水野忠邦、遠山金四郎、鳥居耀蔵の三人が主役である。それぞれがそれぞれの考えで動く。これがおもしろい。そして、脇役もしっかり動いていてさらに話がおもしろくなる。

     やはり、悪人が出てくるとおもしろい。特に相対しての会話が最高。揺さぶりをかけられても全く表情を変えなかったり、ちょっとだけ表情が変化したりする。

     頭を絞って策をめぐらせる。そして、なかなか悪人になり切れないところも良い。最後は泣かせる場面もあるし、これはおもしろかった。

     次の作「春疾風 続・三悪人」も出ているようで、こちらも読むぞ。

  •  遠山の金さんと鳥居ようぞうと水野忠邦とテレビドラマででてくる様子とは、ずいぶん違っての悪人ぶり。といっても金さんと鳥居は、そん何悪人でもない。3人のだましあい、腹の探り合いが面白い。

  • 祐天寺の火事で焼死した若い僧は、遠山金四郎のなじみの遊女・夕顔の弟だった。姉弟は、水野忠邦の政敵の落とし胤という設定。忠邦の弱みを握りたい鳥居耀蔵は、火事の裏に何かあると勘づいて、金四郎に働きかける。
    実在の人物を登場させて独自のキャラクター設定をする手法は前作と同じ。

  • ウーム。
    この本すすめてる人の気がしれない・・・

  • 『三悪人』と題しながら、実際は水野忠邦と遠山金四郎の狸合戦だが、鳥居耀蔵もすばらしい勘のよさと、顔面の迫力に反比例する女性への純な心根で(笑)話にからみ、脇役も含めて登場人物が魅力的だった。知恵比べの果ての爽快なラストは気持ちがよく、後の3人の関係を考えれば、この1冊で終わってしまうのは実にもったいないくらい面白く読めた。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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