- Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062153638
作品紹介・あらすじ
とある町の新聞販売所にやって来た、謎の女。女は嬉々として、その一家の"不幸"を抉り出していく。目的は復讐か?否。女は、縁もゆかりもない見ず知らずの人間だったのだ。悪魔的なエネルギーで一家を追いつめる女。真の目的は一体何か?"不幸の理不尽"をブラック&シニカルに描いた、気鋭のパルコ劇場デビュー作!第53回岸田國士戯曲賞受賞。
感想・レビュー・書評
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なにが最高って、言うまでもないけどタイトルが最高。
なんにも解決しないけど、そもそも「解決」するような「問題」なんてねえんだよ!今、ここで息してるだけで幸せなんだよ!っていう。
恐ろしいのは全ての登場人物が、それぞれキャラがまるで違うにもかかわらず、全員同じ根っこにつながれていて、みんなそれぞれ自分の生を生きようとのたうちまわっているとこ。
そう、まるでスラムダンクを読んでるようなすがすがしささえ感じる。
だから、なんか文句ある?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良くできた戯曲だ。佳作。途中までは特にいい。いかれた「女」が新聞販売店の家族などで巻き起こす騒動は、かなりのものだ。作者自身の経験も含まれているだろうか。登場人物はそれぞれいい個性でとてもいい。タイトルも秀逸だ。結末が腑に落ちなかった。本谷の芝居は2作観たが、本作の方が断然優れている。
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「異類婚姻譚」で気になって読み直し。
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久々に戯曲~~~~遥かに読みやすいな・・・
永作博美主演舞台だったんか
なんてーか・・・舞台といえばドロドロ人間関係だよなって思うんだけども、現代劇に落とし込むとここまで俗っぽくなるんだな・・・ -
戯曲の脚本がそのまま本になってる。
嘘とハッタリで物語が進んでいって一見空虚やけどテーマは意外にも一貫してるのかなと。
それは日常に潜む絶望や不幸。僕も無意識のうちにあらゆる絶望から目を背けて生きているのだろう、とそんなことに気付かさせてくれた。
他の方のレビューでもあるけど、ほんとにタイトルが本当に良い笑
読む前に惹かれたタイトルでもあるが、読後にタイトルがすっと心の中に入り込んでくる秀逸さがある。 -
5/12
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元気に病んで、絶望の中に落ちていく話。
元気に病むって相反することのようだけど、
みんな突然絶望に飲み込まれていくのかもしれない。
みんな静かに歪んでいくのかもしれない。 -
いいねいいね。本谷さんいいね。ぶっ飛んでるとこがめちゃ素敵だね。
「明るい人格障害」とか「リストカットクラスの小さい存在」とか「漠然とした情緒不安定者が有象無象の昨今」とか、素敵すぎる言葉たちが散りばめられています。小説もいいけど戯曲もいいね。舞台が見たくなっちゃった。それに、このお話に「幸せ最高ありがとうマジで!」ってタイトルつけるそのセンスがたまらないです。
あー。俺も開き直らなきゃー。って思わせてくれるとっても素敵なお話でした。 -
本谷有希子さんの戯曲は初めて読んだ。『腑抜けども、悲しみの愛を見せよ』もそうだけど、この方の作品の登場人物はみんな、愚か。人間の、死ぬ程ダメなとこ の権化みたいな人ばっかり出てくる。こんな奴いねえよ、と思うけど、あーわかるーと思う所もあって。うへえ、と読みつつ、嫌じゃない。嫌な人しか出てこないのに、面白い。何これ。他のも読も。