- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062153737
作品紹介・あらすじ
罪深き女、偽りの愛にお灸を据える、黒マントの怪人。かたくななまでに変な女たちを描いた短編集。
感想・レビュー・書評
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へんな趣向持った女性がいっぱい出てきます。
吉村萬壱は、『バーストゾーン』とか『クチュクチュバーン』みたいな社会派っぽいのよりも、これとか『独居45』みたいな、いろんな性癖もった変態さんの話のがリアルに感じて面白い。(?)
でもやっぱり、何か食べよるときに読むもんじゃなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初期?なのかな。芥川賞とかとる前なのだろう作家視点が多く、それでも変態を早くも前面に押し出してくる。読書感が独特でこの後に最近百乱している「サイコパス風えぐいフィクション」を読んでもどれもライトに感じてしまう、という副作用があり、結果このジャンルは吉村萬壱を読み続けねばならなくわけだ。
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帯によれば「頑なまでに変な女たちを描いた短編集」とのこと。
馬鹿馬鹿しい姿が描かれているが、その姿はあまりに自分の姿と似ている。
潔癖やその反動としての不浄への傾倒。
何かに固執すること。
生きることはそんな、よく考えると、無意味な拘りでしかないんじゃないか、と気付かせる小説。
気づいたからって、どうなるもんでもないのだけれど。 -
吉村萬壱の短編小説6編収録。2003年にハリガネムシで芥川賞を受賞した3年後に発表された「イナセ一戸建て」から2009年発表の「不浄道」まで、主に「群像」に掲載された作品を収録している。
田舎の町工場で繰り広げられる卑しい男女関係を描いた「B39」と、男性の視点から語られたB39に対して同じ出来事を女性側の視点から語った「B39-Ⅱ」、そして衛生的な生活を是とする現代人の生活は強迫症的であるとして、不浄の道を突き進む女性を描いた「不浄道」、これら3点の作品は特に印象深い。
どの作品も極端な生き方をする極端な人間が描かれている。
誰の心にもある卑しい部分を摘出して、拡大鏡で観察しているかのような気持ちになる。
これらの作品を読む事によってどんなプラスがあるのかと問われれば、「不浄道」の一節を引用したい。不潔な生き方を貫く主人公の同僚にこんな変化があったと作品中描かれている。「嘘っぽい話ですが、寝坊して朝のシャンプーが出来ないからとか、化粧の乗りが悪いからという下らない理由で遅刻や欠勤をしていた女性社員達が、私の存在を思い出すことによって、少しくらい無様でも堂々と定時出勤するようになったという話も聞きました」
不潔な主人公によって、同僚の清潔のレベルは引き下げられたように、極端に卑しい登場人物によって、わたしの道徳的許容度の境界は押し広げられて、よりひとを寛大な目でみられるようになったような気がする。 -
これ書こうと思ったけど、内容が思い出せない…
今日読んだのに…アルツ…
短編。何か変な人たちの奇妙なお話だったような。
オチ!というオチがなかったけど、まあ嫌いじゃないです。
虎ってあの虎?とかだから一体なんだったのあの娘はとか老人か青年か結局どっちだったんだろうとか、ぼや~っとした疑問が残るけど別にまあ無理に知らなくてもよいという、そんなお話たち。 -
「不浄道」が傑作すぎた。
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群像2009年6月号書評より
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昔オカンがしょっちゅう「ヤイトしたろかっ!」て叫んでたのを思い出した。
これ書いた人童貞?