- Amazon.co.jp ・本 (618ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062154147
作品紹介・あらすじ
めくるめく会話劇。馬鹿馬鹿しくも美しい精神のドラマ。"聖なる愚か者"吉田青年を巡る奇妙な物語。デビュー10周年、三島賞&野間文芸新人賞作家の集大成。
感想・レビュー・書評
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80ページくらいのところで挫折しました。
文体や、会話の言い回しは結構面白いのですが…
主人公が何を言いたいのか、したいのか分からず、全然共感できませんでした。 -
話しは面白いが、終始主人公にイライラさせられた
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うーん…何が面白いのかよくわからなかった。
歪んだ心の闇を抱える人々と、聖人君子の話。
ラストは、理想論に対するアンチテーゼなのかな?
聖人の堕落。 -
主人公の聖人ぶりは正直言って不快だった。
女性キャラは魅力的。
愛することも愛されることも罪じゃないけど
女の人を泣かせるのは罪じゃないかなぁ。 -
著者が追求する「聖なる愚か者」。どういう状態・人を表すのか興味があり、鹿島田作品を読み始めている。六〇〇〇度の愛、ピカルディーの三度、ゼロの王国。とても分厚くそれだけでもう素晴らしいというか、よく書いたなと感心させられる。読み始めたらすいすいと読めてしまい、いつまでもどこまでも登場人物がいる限り話が続いていきそうで、厚さは気にならなくなった。
偶然にも、図書館でこの本と一緒にドストエフスキーの「白痴」も借りた。偶然か因果か、こういった種類のパズルは面白い。
主人公の吉田青年という人物はみなさんどう捉えるのでしょうか。これが「聖なる愚か者」だと教え込まれたら納得するのだろうか。この定義は、わたしにはわからない。吉田青年のような人や彼が実践している事・生活は決して無いとは思わない。ただ言葉で説明したり定義すると、聖なるものの尻尾がつかまれたように、俗っぽくなってしまうようだ。
こういうことを人知れず、静かに黙々と行う人がいたとしたら自分の行いや考えをこんな風に「説明」するのだろうか。説明しないとわからないものなのだろうかと疑問が残った。小説・ことばの世界だから仕方のないことだけど。
そして最後になるにつれて吉田青年になんかイラっとした(笑) -
現代日本版の「白痴」。
喜怒哀楽の怒りが欠けているような青年が、周囲のアクの強い人たちを巻き込んで行く。
途中から吉田青年は、嫉妬や苛立ちを初めて感じていくのだが、周囲の人の幸せと自分の感情の矛盾にもぶつかっていく。 -
一週間ぐらいかけて少しずつ読みました。つかみどころのない、あてなき不安がどこから来るのか、誰か私に教えて頂戴!
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ドストエフスキー『白痴』を先に読んでおいてよかった。要所要所にエピソードの類似が見られる。
(これは自分の読んだ訳の問題かもしれないけれど)本家『白痴』のムィシキン公爵よりも吉田青年のほうがより「白痴」に感じられた。
鹿島田作品の中では分かりやすい部類に入るのではないだろうか。 -
私には珍しく、読み切るのに一ヶ月以上かかってしまった。根気のいる本
愛を公平に分け隔てなく振り撒く吉田青年。彼に魅せられるエリ、ユキ。親友の契りを交わした小森谷氏。その弟瞬。
愛だとか神だとかについて常にディベートする話。愚かな吉田青年のはなし。
鹿島田さんらしくて好き