ロンバルディア遠景

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著者 : 諏訪哲史
  • 講談社 (2009年6月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062155489

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ロンバルディア遠景の感想・レビュー・書評

  • 長かった…。読むのに時間がかかってつらいのにこの本を離せない、つい手に取って続きを読んでしまう。神父が言う「苦痛を伴う快楽」は、この作業のような読書時間も含まれているのかもしれない…と思いながら読了。これが諏訪さんの言う「遠い本」なのかもしれない…。

    以前読んだ『偏愛蔵書室』で、諏訪さんの好みを知ったのでプラスになった気がする。めくるめく禁断の世界でこれが図書館にあるということが衝撃…。個人的には井崎=篤⇒諏訪さんと思えてならなかった。

    タイトルのサイズも中表紙も凝っている。遥かなるロンバルディアこと『ロンバルディア遠景』というタイトルも素敵。大変だったけど愉しめた。


    “突飛な思いつきに過ぎないかもしれないが、「世界の果て」とは、もしかしたら、僕自身の「背中」ではないだろうか”(269ページ)

    “「この世の果ては、遠くあるように見えながら、意外と近くに在ったりする。また近くにあるが、それは圧倒的に未知なものなのだよ」”(269ページ)

  • こんなに性器に名称があるのかともはや圧巻である!これは作者楽しんでいるな、とすら思える。

  • 夢のようなエロスの世界。
    現実的な場面もあるのにどこか浮世離れしていて
    そこに引き込まれる。

  • うーん・・・
    不思議な感じに陥った。
    アツシはなんか好きなんだけどなー

  • 性器=排泄器官でない生物っている?

  • 「アサッテの人」でパラノイアを突き詰めた。
    「りすん」は文体としては後退しながらも作中作や書かれることについて真正面から考察した。
    今作は前作前前作を踏襲しながら発展しさらには愛の不毛というテーマを織り込む。
    大躍進、大傑作。
    そして訪れる不毛でない愛。種。毒の花。

    ポール・エリュアールの詩も素敵。

  • 小説とはやむを得ず詩が弛緩した形式か、についての考察その一。(その二は『領土』)
    繰り返されるものへの嫌悪と皮膚感覚。思えば、人間を構成する細胞は、細かいものの繰り返しによって成り立っているのだ。なんとおぞましい。篤ではないけれど、それは気が狂いそうになるほどに。
    そして、世界の果て。それは思いを遂げられない異性の秘所か、自身の背中か、あるいは…。

  • 作者の生き様が好きで作品よりもそこに惹かれます

  • 詩誌の編集者、井崎は投稿されてきた詩に惹かれ、詩人の月原篤に出会う。篤は類稀な美貌と粗野で奇抜な感性を持つ少年だった。うーん。皮膚に絡みつくような粘性の感覚。アツシは世界の果てへ行き、おいて行かれたイサキと読者はアツシの姿を一緒に見失った気がします…。でも帰ってきてはいけないような。アツシはそれでいいのです。「アサッテ」「りすん」からこの「ロンバルディア」へ。諏訪先生もどこに行こうとしてるでしょうか。

  • 詩誌『エウロペ』の編集者で詩人、井崎修一。類い稀な美貌と傲岸さを併せ持つ少年詩人、月原篤。篤の作品投稿をきっかけに二人は出逢い、互いに奇妙な愛憎を抱きながらも、次第に打ち解け合っていく。やがて篤は「世界の果て」を求めて、単身イタリアへ旅立つ。遙か異邦の地より、井崎に届けられる篤の私信。しかし、一年ののち、彼は一通の手紙を最後に消息を絶ってしまうのだった。若き詩人が異国で見出した「世界の果て」とは、果たして何だったのか。井崎は篤の残した詩と私信から、彼の生の軌跡を「小説」に刻もうと試みるが――。

  •  人間関係はもどかしい。好き嫌い、合う合わない、縁がなければそれまでよ、といけばいいのだけど、そこにあえて上下や強弱の関係を持ち込んで引き摺ろうとする人もいる。もどかしさがますます深まっていく。
     恋愛というのは、そのなかでも最ももどかしいものだと思う。通常の力学や規則の縛りから零れ落ちる自由さが、逆に当事者をもどかしくしていく。 これが同性間のものであるなら、なおさらもどかしさが募るのではないだろうか。異性同士ならお互いが違う生き物という思い込みがあるから、違う者同士がもどかしさを受け入れることができる。しかし同性の場合、同じ生き物、どこかで繋がっているという幻想があるから、そこに特殊な感情-支配したりモノとして扱ってみたり、もどかしさを更に複雑にこんがらがった関係にする罠があるような気がする。

     タイトルの横に小さく「Perspective of Lombardia」とある。Perspective、つまり遠近法である。
     人間関係のもどかしさ、とりわけ恋愛感情の深みを図り描くための技法。その描かれた風景のなかには、それまでの互いの営みが消えてしまうような“消失点”があるのかもしれない。互いの関係を深め詳細に描くことが、逆にいずれはその関係を終わらせてしまうような結末に向かってしまうような。
     ひとつのもどかしさを失った喪失感。それ故に感じる美しさが読後に少しだけ味わえた気がした。

  • 諏訪さんの授業で感想文を書かされたのは良い思い出^^読む人を選ぶ内容。言葉の並べ方等にこだわりが見えて、尊敬の念を抱かずにいられない。けど、本当、読む人を選ぶ内容。

  • 1/21
    距離の詰め方の急激な変化にくらくらしつつ、娼窟の場面にもくらくらしつつ。
    同じ記号の繰り返し、というのはカバーを外したところのデザインにも表れている。

  • 安部公房の「他人の顔」の影響が見られる(完全な私見)。

  • 自分の強迫観念と狂気を言葉にしたためる美少年の詩人、月原篤。詩誌の編集者で同性愛的傾向のある井崎修一。篤は「世界の果て」を求めてイタリアへ旅立ち、やがて消息を絶つ。篤から送られてくる手紙を元にした井崎の手になる小説の形態を取った、ペダンティックな皮膚感覚に満ちた文学。バタイユの『C神父』を読み直したくなった。篤のモデルは絶対ランボーでしょ!?

  • 装丁に惹かれて借りた。結構好きな感じの設定ではあるけれども、なんだかうっとおしそうなので、そういう気分の時に、縁があったら読もうと思う。とりあえず、装丁だけ写真に撮った。

  • 衝撃的、かな。第一印象。
    エログロだし主人公は同性愛者、そして言葉のいちいちがねっとりコクまろなので、好き嫌いははっきり分かれると思う。
    言葉萌えな私は、陶酔に似た感覚を味わったけども。

    好きだけどあえておすすめはしない作品。

  • 諏訪さんの作品は
    作中の人物と一緒に心の闇まで落ちて行き
    苦しさを共感しないと理解できない気がする。
    今回は、中盤に心離れてしまった為、
    篤がどう云う人物か伝わってこなかった。
    諏訪さんの文体は好きなので
    次回作も読みたいと思います。

  • 何なんだ!この結末は…
    やたらと難しい単語や旧字体を使うところも嫌だし、内容も気持ち悪いし。
    時間を無駄にした。

  • 群像2009年8月号書評より

    新潮2009年10月に書評されていた本

  • 孤高の詩人による、秘められし愛の詩 「世界の果て」を目指して、若き詩人・月原篤は旅立った。彼が異国で出会ったものとは――。私は篤の道行きを小説という体裁で語ろう。

  • 未読了
    拾い読み向き

  • 重層の重力について考える。

  • 「これ何てエロゲ?」と素で思ってしまってサーセン
    ラストがトラウマで眠れる気がしません。

    全体的にとっても気持ち悪い作品ですが嫌いじゃないです。不思議。
    ついでに舞台にイタリア多め。

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ロンバルディア遠景の作品紹介

詩誌『エウロペ』の編集者で詩人、井崎修一。類い稀な美貌と傲岸さを併せ持つ少年詩人、月原篤。篤の作品投稿をきっかけに二人は出逢い、互いに奇妙な愛憎を抱きながらも、次第に打ち解け合っていく。やがて篤は「世界の果て」を求めて、単身イタリアへ旅立つ。遙か異邦の地より、井崎に届けられる篤の私信。しかし、一年ののち、彼は一通の手紙を最後に消息を絶ってしまうのだった。若き詩人が異国で見出した「世界の果て」とは、果たして何だったのか。井崎は篤の残した詩と私信から、彼の生の軌跡を「小説」に刻もうと試みるが-。

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