カメレオン狂のための戦争学習帳

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著者 : 丸岡大介
  • 講談社 (2009年7月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062155984

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カメレオン狂のための戦争学習帳の感想・レビュー・書評

  • 第52回群像新人文学賞授賞作品である丸岡大介氏の『カメレオン狂のための戦争学習帳』を読了。まずタイトルだが最後までこのタイトルと物語の繋がりが見えなかった。確かに争いはあるしその争いに巻き込まれ自身を混沌の渦の中にと仕込んで行ってしまう主人公の様は受験戦争のなかで子供がいつも追いかけらている学習帳を思い出させはするがカメレオン狂というのが何のことだか未だ不明だ。まあそれはさておき物語は教育委員会と教員組合の情報戦争のくだらない様がおもしろおかしく描かれているものだ。教育という本質を横に追いやってしまうくらいに醜い争いごとにエネルギーをかけている駄目な社会や会社の内情をかいま見せさてくれ反省を促された気もしたが深読みし過ぎだろうか。これも読み手を選ぶ作品かもしれない。

  • 52回群像新人文学賞授賞作品
    最初読んで、あ、ダメだって思い最後までだらだらしてしまった
    苦手分野です。

  • この作品が発表された期の芥川賞受賞作のあの作品より、芥川賞候補にあがった、この作品が掲載されてた同じ号のあの作品よりも面白く、芥川賞作品ぽく感じた。
    タイトルが作者のテーマを語っているならば、それが読者に真っ直ぐ伝わらなかったところが選外の所以であろうか。

  • 佐藤亜紀「戦争の法」でも引用されているが、この作品でも使われているクラウゼヴィッツ「戦争論」。しかし、こちらは一切争いはない。あってもせいぜい教師と生徒のカラオケ歌合戦くらいだ。
    教育委員会で組織される独身者の修身寮。そこに入寮することになった田中は寮内の偵察任務を課せられる。この町の教員は<寮員派>と教員組合による<組合派>に分かれて日夜熾烈な情報戦が繰り広げられていた。そこへ生徒らが「組織」する<暴走族不良集団>が突如現れ始める…。
    現代人は間違いなく社会的政治的生き物だ。いや、現代人だけではない。はるか古代から政で組織されてきた。それが決裂した場合はどうなるか?それは血と暴力で解決されてきた。その最たるものが戦争だ。
    まるで、落語の名人芸でも聴いているかのような饒舌な語りは、書き手が何者か一切意識させない。記述が記述を呼ぶエクリチュールは雪だるま式に膨張の一途を辿って読者を引き摺り回すだろう。
    特に後半、ラスト手前で展開されるストップモーションからの描写は、ただただ圧倒された。コーヒーカップが戦場に変異する様は誰が予想できただろうか?読んでいる間中、笑いっぱなしの読書体験は見事だとしか言いようがないだろう。
    ある書評では、「阿部和重のエピゴーネン」と揶揄されたがそんなこと知ったこっちゃない。面白ければ、それが最上である。
    今年度群像新人賞の作品だが、他の文芸誌新人賞の中でも群を抜いて面白い。これが芥川賞でなかったのが残念だ。

  • 内容がええね。ありそうでなさそう。

  •  読み始めてから苦手な分野だとわかり、途中飛ばし飛ばし読んだ。
     独身教員の寮の内情をレポートするという行為が無理があるかな。体制とか組合とか戦争とか、その手の文学を現代風に書きたかったのだろうか。

  • なんつーか洒脱。軽妙洒脱。でもあり、俗臭芬芬でもある。
    独身寮に入寮した国語教師に課せられた役割は寮での生活を教育委員会にレポートすること。暴走族が国道を疾走する音がこだまするなかレポートは綴られ、その中で明るみになっていく「寮」と「組合」の対立、不良グループや暴走族の活動も仄めかされる。「戦争」の気配がそくそくと身に迫る。
    が、その描き方がずいぶん頓狂で、地口あり擬声語があり、野坂昭如が歌われ梶井基次郎は音読され、また、教条主義的で党派的な政治的言辞や暴走族の会話、「狂人」の自己言及から陰謀と権謀、下卑た下ネタやメソポタミア文明、怒号と喧騒、御宣託や盲目的追従、平板なノンポリスタイル等々、自分でも何を言っているのかよくわからないが、こうした様々なエクリチュールが鬩ぎ合い政治(=戦争)の場が編成されることに気づかされ、かつそこかしこで笑わせてくる。しっかり分かったわけではないが、面白かった。

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カメレオン狂のための戦争学習帳の作品紹介

独身教員のための「修身寮」に入寮した田中。彼に課せられた任務は、寮の内情をレポートする、それだけのはずだった-。見えない「戦争」に次第に組み込まれてゆく高校教師の煩悶を、饒舌な文体と不穏な緊張感で描く、現代の不条理劇。第52回群像新人賞受賞作。

カメレオン狂のための戦争学習帳はこんな本です

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