- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062156271
作品紹介・あらすじ
アメリカで生まれ育った若き日系二世。一人はアメリカを「祖国」として選び、一人は日本へ「帰化」をした。戦勝国と敗戦国に引き裂かれた8月15日、二人の悪夢は、その日から始まった-。国を喪い、闇市の中を追い追われる者達に魂の救済はあるか?江戸川乱歩賞受賞作『誘拐児』から1年、戦後闇市の混沌から新たなドラマが生まれた。
感想・レビュー・書評
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話の流れは面白かったし、結果はこれでいいと思うんだけど、何だかところどころで日本人を悪者扱いにしてあるのが気になって・・・正直ちょっとムッとしています。冷静に読めていないなぁ、私。
闇市に流れている軍隊手帳の利用方法、なりすまし?戸籍の乗っ取り? そうしなければならない事情があるんだろうけど、戦後世の中が混乱している状況で取引されている身分証明書なんて、正しい用途で使われるわけないよなぁ・・・。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリだから軽い気持ちで手に取って、予想外に重たい話だったのに全部読み切った。普段読まない社会派(?)のような感じで、好きなジャンルではないはずなのに興味深く真剣に読んでしまったのは文章が上手いからだと思う。気付いたら感情を揺さぶられて、読み終わった後、ぼぉっとしてしまった。
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読み終わった後、タイトルがぴったりだなあって思った。
第二次世界大戦終戦直後の日本で、アメリカの日系人軍曹が、戦犯として同じ日系人を追う話で…重いです。終戦直後の話って、久しぶりに読んだので、いろんなことがそうだったんだなあ…て考えさせられる部分もあった。 -
「誘拐児」もおもしろかったですが、この話もおもしろい。
大戦直後、GHQ占領下での戦犯逮捕と、日系2世、戦争時の朝鮮人の待遇・・・などなど、社会的な要素を代表する人物たちが、人間関係をつなぎ、つむぎ、その果てに・・・・・。