獣の奏者 (4)完結編

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著者 : 上橋菜穂子
  • 講談社 (2009年8月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062156332

獣の奏者 (4)完結編の感想・レビュー・書評

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  • (2015年4月19日 再読)

    「闘蛇編」「王獣編」で完結した物語の続編とは思えないほどのスケール感で、「獣の奏者」の世界は4巻での完結に相応しい物語だと思う。

    でも、あの結末はやっぱり悲しすぎて厳しすぎる。
    物語の落としどころとして、ああいう決着のつけ方が避けられなかったのかもしれないけど、でも。

    「見つけたことを伝えるために、死に物ぐるいで生き抜く」というエリンの言葉通り、あの場で命をかける選択をしないでほしかった。
    音無し笛を吹く前にどうにかしてリランの耳を塞いで生き延びてほしかった。

  • 圧巻の読み応え。
    なんといっても、最後の方はジェシが大人になってエリンの話を伝えていく…。ファンタジーでは言い表せない物語です。生について深く考えさせられました。涙なしには読めないです。

    一番印象に残ったのは、エリンとイアルのリンゴの木です。

    この物語は、本当に考えさせられる。

  • 迫力の完結編。
    国境を脅かす異民族ラーザは、川を遡って攻めてきます。
    はるか東方の隊商都市の人々は、ラーザに味方する者もでてきます。
    もとは征服者のリョザ神王国を異質な存在と感じ、必ずしも味方ではなかったのでした。
    しだいに事態の渦中へと否応なく運ばれていくエリン。
    王獣を操れる唯一の存在として、母国からも保護だけでなく監視もされる、各国から狙われる立場に。
    「残された人々(カレンタ・ロゥ)」に過去に起きたことの事情を聞きに行くことがかなわないと知り、王獣の訓練を続けます。
    夫イアルは王獣を戦場に出さずに済むようにと願って、闘蛇乗りに加わることに。
    危険な任務のために家を離れることを、一度は泣いて反対したエリンでしたが。
    王獣保護場のカザルム学舎で学ぶ一人息子のジェシ。
    幼いジェシが母の書いた物を読み、母が死を覚悟していると知った悲しみ。
    決戦を前にして休暇を貰ったイアルは、息子のうって変わった様子に驚きます。
    過去の伝承が真実なのか、命がけで突き止めようとしたエリン。
    家族との幸福を取り戻し、ジェシの未来を切り開くために‥
    理由を説明しないままの禁忌ではなく、事実を知らしめることで、今後の方針にして欲しいと願ったのです。
    そのとき、何が起きるのか?
    真王セィミヤ、大公シュナン、シュナンの妹オリ、側近のヨハル、ヨハルの養子で楽師のロラン、隊商都市の示道者クリウ。
    それぞれの立場で苦慮し、決断していきます。
    はるかな土地でひっそり暮らしていて、謎の連絡を受け取った民も‥
    劇的なシーンから、必死の家族、悲痛な出会い。
    意味ある悲劇へ、そして静かな年月の平和へ。
    それぞれの勇気と、家族の絆が心に残りました。
    何度も読み返すには哀しすぎますが、破綻のない構成と確かな筆致には感嘆。
    完成度が高く、印象深い作品です。

  • 終わって欲しくなかったけれど、人も獣も精一杯生きていてた。悲しくないと言ったらうそになるけど、読めてよかった。

  • とうとう全4巻読み終えてしまいました…もう、なんと表現したらいいかわからないほどで、こんなに感動する作品を読んだのは久しぶりです。
    人間の愚かさが際立つ一方で、人の、道を探し続ける力、一人が死んでも別の人がそれを受け継ぎ、多くの人がそれぞれの思いの上で考えつづける、人間という生き物の群れの力を示してくれたことで、少しだけ人に対する希望が持てた気持ちです。前巻のレビューでも書きましたが、王獣と闘蛇は核を持った現代人と重なってしまいましたから・・・
    エリンの生き方は最後まで彼女らしく、また、最後は彼女の願いであった王獣の開放が叶ったのである意味ハッピーエンドだったのかな。闘蛇も解放されればいいのにな、と思いました。
    とはいえ、私は2巻の荘厳なラストが大好きなので、実はこの結末は納得しかねます・・・悲しすぎてね・・・せめてリランだけでも耳栓してあげられなかったのかなあ。
    政治色の強い3.4巻も、読まなければよかったとは思わないし、良い作品だという気持ちは変わらないけれど、獣と人間のかかわりを多く語った2巻はずば抜けて素晴らしかった。
    気高く神々しいリランが暫く頭から離れそうにありません。

    残すは外伝のみ!
    楽しく幸せな物語が広がっていますように。。

  • 完結編。本当にすばらしく、飽きることなく一気に読んでしまいました。

    なんといっても最後のエリンの木。心臓がそれこそきゅっとなって本当にこんな風になっちゃったの?そんな…っという具合に胸が締め付けられました。

    一日たった今でも余韻に浸っています。

    ラストがこういう終わりかただからこそか、命とは、また、生きるとはなにか。
    深く考えさせられます。

  • 完結編。
    とっても読むのがしんどかったです。
    知りたいという気持ちで開けてしまった扉、その先を見届ける責任はあまりにも重くて厳しい。
    ひと時の家族の温かさや学生の時の思い出の話にじんときました。辛いことばっかりじゃなかったんだ、と。
    “幸せという言葉は大きすぎる網のよう”という言葉は深いなと思いました。

  • 読み終わった後、「あぁ、やっぱりこういう結末になってしまうのか…」そう思わずにはいられなかった。切なくて、悲しくて、涙がこぼれた。
    素晴らしい作品であるのは全く疑いの余地がない。キャラクター・ストーリー・舞台設定、全てにおいて秀逸。私の生涯の読書生活で間違いなくベスト3に入るであろう作品だと思います。

  • 1,2巻でも十分に完結していた物語でしたが、全4巻通してみると、ここまで描かれて「王獣」と「闘蛇」、エリンの物語がすべて幕を下ろしたのだと実感として納得することができました。書かれるべき「その後の話」だったと思いました。
    結果としてはあまりにも哀しいものが残ってしまいましたが、そのための決断はけして絶望からではなく、希望から導いた答えでした。だから、辛くとも皆前を向いて歩き出せたのではないかとも思ったのでした。それでもやはり、中盤の親子・夫婦のふれあいの挿話は先に待っている未来への諦観を感じさせて、切ないばかりでしたが…。普通の幸せがあるということの大事さを、もっと感じて生きなければいけないなあと感じたり…。
    ……とにかく、全4巻、堪能しました。子供も大人も関係なく、広く読んでもらいたいです・・・!

  • 長きに亘るエリンの物語が終わる最終巻。
    王獣と闘蛇を巡る人間の罪の歴史にも終止符が打たれる。

    愚かな争い、人間の動物に対するエゴ、家族の絆等、
    実に色々と考えさせられた小説だった。

    第2巻までで終わっている物語に追加で記述された後編2巻。
    ハッピーエンドで終わった第2巻までの内容、物語の世界観を失うことなく、
    歴史や登場人物に厚みを持たせた内容になっており、
    全4巻読んでこその物語となったと感じる。

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獣の奏者 (4)完結編の作品紹介

王獣たちを武器に変えるために、ひたすら訓練をくり返すエリン。-けっしてすまいと思っていたすべてを、エリンは自らの意志で行っていく。はるか東方の隊商都市群の領有権をめぐって、激化していくラーザとの戦の中で、王獣たちを解き放ち、夫と息子と穏やかに暮らしたいと願う、エリンの思いは叶うのか。王獣が天に舞い、闘蛇が地をおおい、"災い"が、ついにその正体を現すとき、物語は大いなる結末を迎える。

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