ヘヴン

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著者 : 川上未映子
  • 講談社 (2009年9月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157728

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ヘヴンの感想・レビュー・書評

  • ただただ作家の才能のすごさにやられました。

  • 16/07/16
    いじめの描写はただただつらいなあ。コジマは自殺ではなくて、転校したから“僕が見た最後の姿になった”んだと思いたい。
    序盤の、コジマが不安になったり、安心しすぎたり心が不安定なときに僕の髪を切っていいよ、て語るシーンがすごく印象的で胸が締め付けられる。

    ・「生きてるあいだに色々なことの意味がわかることもあるだろうし、死んでから、ああこうだったんだなって、わかることもあると思うの。それに、いつなのかってことはあまり重要じゃなくて、大事なのは、こんなふうに苦しみや悲しみにはかならず意味があるってことなのよ」(P93)

  • 相変わらず川上ワールド爆発の作品でした。文章は攻撃的で、これがわたしは好き。
    息が詰まるような「斜視の僕」のドロドロの世界引き込まれて、苦しくて、そこにあらわれる「コジマ」という少女。
    壮絶ないじめの中、僕とコジマがどうなっていくのか、わたしはクラスのひとりとして「我関せず」の位置で見ている。そんな感覚。だから罪悪感すら湧く。
    両目で見えていなかった僕が、焦点があう瞬間の世界がとてもキラキラで切なく、胸に迫る。

  • 読み始めから紙面が真っ黒な墨で塗りつぶされたのかと錯覚するほど心が深い闇で覆われた。その闇はどこまでも深くなり大きく広がる。
    でもこの作品には救いがある。それは目の手術だ。手術はコジマが言うように現実から逃げることでも敗北でもない。主人公が手術後に目にした世界をただ素直に美しいと感じたのは、美しいと感じられる心を取り戻したからだ。ここで著者は自ら変わろうとすることの大切さを言いたいのではないか。その結果として闇は消えて黄金の光に染まる。このあたりの文脈からは自ら受けた暴力への憎しみや諦めなどは読み取れない。主人公が自分本来の姿を取り戻し、再び前進するためのエネルギーが満ちてくるようだ。
    これだけの暴力にあいながらも一度も暴力で復讐をしないところに人間の偉大さがあるのかもしれない。

  • イジメの描写がリアルすぎて、読み進めるのが辛かった。おもい。
    その分、ラストは涙が出てきた。 文章はキレイだった。

  • いじめ。いつの時代も、どの社会にも存在するもの。 いじめられる側、いじめる側。重く迫ってくるものはあるが、どちらにも「意味はない」と言い放つ百瀬に目から鱗。

  • 行き場のないいじめ描写に引き込まれて読み進めると、中盤で一気にニーチェ的世界観が提示される。川上さんはこの時点で描きたいものを描き切ったんだろうなぁ、と思った。
    ただ、ニーチェ的図式を想像していたから結末は意外だった。もっと突き放した終わりだと思ってたら、意外にキレイな終わり方。主人公がコジマを突き放して終わると思ったんだけどなぁ。百瀬とコジマは明らかに超人とキリストがベースになっていると思うんだけど、主人公は最終的にどんな答えを見つけ出したんだろうか。

  • ちょっと切ない感じだったけど、ほっとしました。いじめの話は目を伏せてしまいそうだけど知っておかなきゃいけないとも感じます。

  • ヘブンってどこにある?
    今まで生きてきて
    ヘブンをどこかに求めてきたことがない…
    ヘブンってあった方がいい?
    って読み終えてしばらくボーって
    タイトル観てたらそう思った。

    読んでる最中は
    イジメの表現は、ホントかよと思うし、
    誰もが取り上げてる
    百瀬の云ってることもなんかわかるし、
    斜視ってだけで、別に14歳の僕のことも
    普通の中学生のコトバに思えるし、
    コジマも少し頑だよ、
    思っていて…

    しるしって
    表に出さないと失われるもん?!
    そうねぇ、そうかもねぇ。
    でも、そういう気持ちがあるだけでも
    いいんじゃない?
    とも思った次第。

  • 斜視の主人公と、体を洗わずにいるコジマは虐められている。手紙を書きあい、お互いに依存しあい励ましあいながら二人は日々を耐える。
    読んでいてもやもやするくらい壮絶ないじめの表現が続いて何度も手が止まった。
    川上さんの本は文章がきれい。きれいなんだけど、どんなときでもずっときれいだから、読んでいると息苦しくなってくる。
    最後はスカッとするのだろうか・・・と思いながら読んでいたけれど、多くの読者が期待しているような明快な結末ではなく、どちらかというと濁した感じであったのが残念。でも主人公の世界が開けたようでよかった。

  • 内容は目背けたくなるような
    話なのに、止まらない。
    文章力の凄さなのでしょうね。
    人を傷つける事に良い事なんて
    あるわけがないけれど
    なぜ、虐めているのかという理由には
    肯ける部分もなくはなかった。
    でも、正しくはない。
    コジマの考え方は、私に似てるので
    とても理解できたけど
    普通の中学生に、相手を受け入れることなんて
    できないと思った。

  • 始まりから宗教ちっく。つまらないというより面白くならない。終わりはすっきり。僕は斜視、コジマ、二ノ宮、百瀬。

  • この人の文章も西加奈子と同様、どんどん引き込まれていく。ところどころ、ひらがなにしているのも主人公の年齢を考えると敢えてなのだろうなと思う。

    体育館で血がドバっと出たみたいだが、あれはどうなってああなったのかちょっとわからなかった。鼻をケガしたというのは分かるのだけど。

  • この世から逃げようよ

  • どんな内容か知らずに図書館で背表紙借り。超鬱展開なのに引き込まれて一気に読んだ。救いがあるのかと期待しつつ、破滅が待ってるのかと不安に思いつつ。凄まじく魂を揺さぶられた。普段救いの無い話は認めない自分だけど、文句無しの傑作。くそう。

  • なんども胸糞悪くなって読むのやめようかと思ったけど、二人が逃げないからわたしも逃げなかった。
    お母さんがわかってくれるひとでよかった。

  • いじめられてる男の子と女の子のはなし。読んでて胸が苦しくなった。

  • 壮絶ないじめの先に見た 感動の光景とは・・・。 心の中の何かが変化する作品。

  • いじめの描写が残酷で読んでいてとても胸が痛くなった。
    本当にあんな事があるのだから怖い。
    いじめる側もいじめられる側もどちらも気持ちが分かる自分が恐かった。

    斜視であることを理由にいじめられている男の子が、同じくいじめられている女の子コジマと出会い、交流していく物語。

    いじめる側である百瀬の「自分は何も感じない、いじめに対抗できるならすればいい。いじめはたまたま殴りたいとか蹴りたいとか思った時に格好の標的があるからするのであって、そこに善悪はない」という主張に「この子、だからいじめとか頭の悪い事するんだ」と納得したというか憤慨したというか。

    「いじめられる側にも原因がある」という主張には私は最初から疑問を持っていた。そんなもんいじめるやつが悪いに決まってるじゃないか。

    なんだか読んでいて色々考えてどんどん読み進めていったけれど、「いじめ問題」という課題にもやもやと悩んで終わった気がする。

    そのあとコジマはどうなったの?
    もうちょっと読みたかった。

  • お互いに中学でイジメにあう中で唯一の友達関係となる僕とコジマの話。従っているのでは受け入れている。弱いことは悪いことじゃない。あの人たちはまだ色々な事がわからないのよ、と言ってのけるコジマのキャラクターが鮮烈。

  • イジメの描写が衝撃なんだが…。
    コジマがとても魅力的。
    あの後どうなったんだろうか。

  • 芥川賞作家川上未映子さんが初挑戦した2009年の作品。ずいぶん前に買ってあった本だが、内容がいじめに関する本であった為手が出せずにいた。いじめにあっていた男子高校生と女子高校生が、密かに仲間となり支え合う存在になる。でもお互いが、いじめられている事をなんとか自分のなかで意味を見いだそうとして苦しんでいる。その逃避の思考があまりに哀しくぐさっと心にささる。読んでいてつらくなる本だが、最後に彼達が少しだけ勇気を持ち始めた、母親と一緒に立ち直り始めたところだけが救いか。いじめがあり続ける国って言うのは本当に哀しい。

  • ※暴力、流血、性描写が多少あります。

    【印象】
    斜視の中学生男子、日常的な苛め。
    ある日手紙を寄越したのは同じ学級で苛めを受けている女子。
    理不尽、そうあるべくしてあっていること、乗り越えること。

    【類別】
    小説。
    青春の要素。

    【構成等】
    ややすっきりとした印象を受けます。

    【表現】
    地の文は一人称視点です。
    読みやすさを感じました。しかし発言主体が分かりづらい会話文が幾らかあるので、その点では読み進めにくさを感じました。

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ヘヴンの作品紹介

「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら-」驚愕と衝撃、圧倒的感動。涙がとめどなく流れる-。善悪の根源を問う、著者初の長篇小説。

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