桜下の決闘 吉岡清三郎貸腕帳

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 27
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062158718

作品紹介・あらすじ

宮本武蔵をこの上なく憎み、武蔵の二刀流に通じる「二」という数字が大嫌い。孤高を貫く剣豪の破天荒な生き様を描く、痛快時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 前作が面白かったので続けて読んだけれど、いや~ぁ、そうきたか!

    決して善人ではない清三郎が好きになっていくのは、彼なりの基準があってそこがぶれないという作者の描き方の賜物だろうし、他の登場人物の造形もいい。

    考えられた構成に、読み終わって納得もする。

    犬飼六岐さん、注目です!

    • じゅんさん
      たなぞうがあったからこそ、こちらでもおしゃべりできるんだな、と改めて本の雑誌に感謝です。(*^_^*)
      これからもどうぞよろしく!
      来月...
      たなぞうがあったからこそ、こちらでもおしゃべりできるんだな、と改めて本の雑誌に感謝です。(*^_^*)
      これからもどうぞよろしく!
      来月、本屋大賞の授賞式に行ってきます。
      2012/03/24
    • そよかぜさん
      tsuzraさんのレビューを読んで気になっている本もあるんですよ。思わずうなずいたり、興味をもったりということもよくあって楽しみに読ませてい...
      tsuzraさんのレビューを読んで気になっている本もあるんですよ。思わずうなずいたり、興味をもったりということもよくあって楽しみに読ませていただいています。
      最近読書時間が短く、読むのが遅い私は苦戦中。でも縁があればいつか読めるからと思って、読みたい本リストは増えるいっぽうです。

      2012/03/25
    • そよかぜさん
      じゅんさん、たなぞうから始まった楽しい読書生活は本当にありがたい存在です。
      他の方の感想を読むことは、本を読む楽しさを何倍にもしてくれまし...
      じゅんさん、たなぞうから始まった楽しい読書生活は本当にありがたい存在です。
      他の方の感想を読むことは、本を読む楽しさを何倍にもしてくれました。
      本屋大賞の授賞式、行ったら大興奮してしまいそう。一年一度のイベント、楽しんできてくださいね!
      2012/03/25
  • 吉岡清三郎の貸腕シリーズ、第二弾。

    面白い! 第一作も面白かったけれど、二作目にきて腕を借りる人たちの人物造形が深みをまして、楽しんで読むことができた。

    傍若無人に見える清三郎で、実際、バッサバッサと血の流れること! 人当たりは非常に悪いし、でも、よくある腕の立つ偏屈者という立ち位置ではないのが嬉しい。なんというか、彼の不機嫌さにはちゃんと意味があって、また、むやみに人を斬っているように見えて、その加減には筋の通ったものが見えるのところに唸らされるのである。

    依頼人の1人に、旨い蕎麦を食わせ、人好きのする屋台の親父がいて、彼につきまとう怪しい人物を見張っていた清三郎。
    以下ネタばれです。



    清三郎の目線で江戸の町を見ている読者としては、親父と常連客のやりとりに目を細め、そんな美味しい蕎麦なら食べてみたいと、その出汁のきいた天麩羅蕎麦の匂いまでしてくる思いさえしていたのに、実はその親父はとんでもない変態だったという…。これまで何人もの娘を手篭めにして殺してきた彼の正体が暴露される段になっても、その朴訥な佇まいは変わらず、というところが逆にとても怖かった。

    うんうん、いわゆるいい人か悪い人か、という基準と、心に闇を抱えているか否かということは、矛盾しないのだな、と…。

    また、多彩な依頼人や律義な同心の話を楽しみながら、これはキリなくお話が続くよね、と思っていたら、なんと二巻の最後の最後で驚きの結末。しかも、この終わり方のせいで、清三郎の話がより一層深みを増したと思う・・・。


    いくらでもこの設定で書き続けることができたんだろうに、あっさり話を終わらせてしまう犬飼さんという人の男前な潔さにう~~んと唸らされてしまった。

    他の作品も書かれているようなので、これから追いかけてみようと思う。

    • そよかぜさん
      意外だけど納得もできる最後。
      面白かったです!
      なぜか地味な感じの作者ですが、もっと注目されてもいい気がします。
      教えていただいて、あ...
      意外だけど納得もできる最後。
      面白かったです!
      なぜか地味な感じの作者ですが、もっと注目されてもいい気がします。
      教えていただいて、ありがとうございました。
      2012/03/23
    • じゅんさん
      >そよかぜ様
      そうですよね、意外だけど納得できる最後!
      こうくるかぁ~~!と思いながら、感動しました。

      私こそ、いいですよ、という...
      >そよかぜ様
      そうですよね、意外だけど納得できる最後!
      こうくるかぁ~~!と思いながら、感動しました。

      私こそ、いいですよ、というお勧めに耳を貸していただき、読後にコメントまでもらうことができ、こんな嬉しいことはありません。
      どうもありがとうございました!
      2012/03/24
  • 主人公は宮本武蔵に道場総出で敗れた吉岡一門の子孫、口も態度も悪いが剣の腕は一流で、その腕を貸して生計を立てているという設定。

    一見悪役の主人公、実は心の中は・・・と、作者がそういう描写をしようとしている断片はところどころに見えるのだがほとんど伝わらず、そのほかの登場人物も含めて好きなれない。
    最後に子供は切らないという唯一?の善人設定があだとなるという構成だが、いまさらここでという気がして白けた。
    いっそ途中で出てくる主人公の祖父ほど振り切ってくれたほうが良かったと思う。

  • 978-4-06-215871-8 243p 2009・11・19 1刷

  • 貸腕 剣の腕を貸すことを生業とする現代でいう用心棒。
    用心棒役の主人公が最後までシブくで良い。

  • シリーズ化して欲しかった・・・

  • めっぽう強い剣の腕を持つ吉岡清三郎が主人公。
    商売は貸腕屋。仏頂面の清三郎が面白く、すぱっとした文章が潔い。
    清三郎に腕を借に来る依頼人は皆訳ありで、しぜん良からぬ事情も引き受けることになる。
    シリーズ2作目は少しノワール感が漂ってきた印象。
    痛い目に遭わせ、それなりのダメージを与える人斬りの仕事は苛酷であり、読むスピードはずいぶんゆっくりになってしまった。
    剣客の世界は本当にきびしいのだなぁ…。
    情け容赦ない仕事で生きる道を選んだ清三郎、なんともハードボイルドな小説である。
    下女おさえと気持ちのやり取りがあるか無いかのところでやってきた結末がはがゆい。
    読み終わって寂寥感に包まれたのは久しぶりではないかな。
    こういう気持ちを味わえたというのも読書ならではのこと。
    この本を読めてよかったと思う。

  • 最後が不満だが、いい。

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著者プロフィール

1964年大阪府生まれ。大阪教育大学卒。公務員を経て執筆活動に入る。2000年、『筋違い半介』で第68回小説現代新人賞を受賞、2011年『蛻』で第144回直木賞候補となる。作品は他に、『囲碁小町嫁入り七番勝負』『吉岡清三郎貸腕帳』『与太話浮気横槍』『やさぐれ』などがある。

「2016年 『蝶結び かわら版売り事件帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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