烏有此譚

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著者 : 円城塔
  • 講談社 (2009年12月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062159333

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烏有此譚の感想・レビュー・書評

  • ページの下半分を注釈が占めているという、変わったページ構成。

    そもそも話し自体も、いったい何の話なのかよくわからない構成・・・

    そういう作風だし、読むの3作目ともなればいくらか慣れるけど、でもやっぱり難しい・・・

    でも注釈をまた注釈してさらに注釈するってのは、なんだか追いかけるのが結構楽しかったりする。

  • 小難しいことは考えずに読み進めればよろしい。

    正直言うと頁の間を行ったり来たりしていると本文の内容が驚くほど頭に入ってこない。それと反比例するように注釈を読むのが楽しくなってくる。次の注釈を読むために本文を読む進めるという、見事な本末転倒っぷりがおかしい。

    読むのに骨が折れる本というのは世の中に数多溢れてるが、指の数が両手じゃ足りなくなるのはこの作品くらいじゃなかろうか。
    校閲さんの苦労を想像すると自然と頭が下がる。

  • 少し飛び道具っぽい作品だけど、本と戯れるような読書体験が面白かった。

    ページの下段3分の1ほどが注釈に使われており、この注釈を素直に読んでいくと、本文をすっ飛ばしてどんどんページをめくることになる。

    むしろ注釈のほうが熱を帯びて書かれているため、さらに注釈の注釈がまた注釈を加速させるなどし始め、せまいスペースで大暴走している。

    我に返ったように、かなりページを戻って本筋に戻るときの、「つーか、何の話だったっけ?」という感覚がバカバカしくて笑ってしまう。

    この構成は、本作の全体に通底する、「どこからともなく降って湧いてくるもの」を体現していて、テーマに一貫性を感じた。

    部屋にたまるホコリと、わいてくる虫の話から、物理学や数学、宇宙、ゲーム、文学、SF三大馬鹿物質まで、気が遠くなるほどの知識に裏づけされた、なんでも来いの脱力ボケの数々。

    そしていつしか、本文に注釈の番号がふられていると、「きたきたきたあ!」と、歓喜している自分に気がつくという、痛快な奇書である。

  • 久々に再読。「わけがわからない」の極致とはまさにこの事。穴の話が面白かった。

  • 注と一緒に読んだ。
    全体をつかむことはさっぱりできなかったけれど、部分でへぇって思ったりこういうところ面白いなーって思ったりしたので、これはこれであり。

  • ネタバレの内容どころか何がネタバレなのかもわからない内容。氏の作品には宇宙が広がってると言うか作品自体がもう宇宙。
    意味なんてないのかもしれない。よくわからないものをよくわからないままよくわからないく書く、って逆に凄いことだし、個人差はあれど、私には何故か面白くて楽しいものばかり。何故って訊かれてもわからないけど。
    意味が分からないのに面白い本、というのは本当に稀で(これも個人差はあるだろうけど)、これはそんな本の一つ。注釈がまた良い味を出しているとも思えるし、注釈の所為で置き土産が沢山散りばめられている。新たな世界への扉がそこかしこにあると言ってもいいかもしれない。
    SF好きならニヤッと出来るネタが中々多く、まあ普通に楽しい。
    ただ問題は、注釈を読んでいると色々考えた挙句本文が進まず「何だったっけ」が増えること。本文→注釈→本文(もしくは並行読み)がおすすめかもしれないし、そうじゃないかもしれない。要は「どんな風に読んだって、わかんないものはわかんない」。
    やっぱり円城塔が好きだなあと再確認されられた本だった。一つ前に読んだ、『シャッフル航法』は理解できる内容が多かったから。
    そしてやはり円城塔の世界が好き。この一言に尽きる。

  • 単行本を読んだ上で文庫になるのが楽しみな本という稀有な存在。いつ出るのか。

  • この作者の本で唯一最後まで読んだ記憶がある
    その記憶しかない

    灰の男の話が良かった

  • 本文と注釈の比率がほぼ一対一という稀によくある形式で自己言及を繰り返す、今までになかったけれどもいつかはやるだろうなあという意味で円城塔らしい小説でした。ところで結局、緑って何者だったのだろう、少なくとも人間ではないというか、そもそも尋常な生物かどうか疑わしい。

  • 『オブ・サ・ベースボール』『これはペンです』『道化師の蝶』と読んで来て、(前述の通り自分はその作者を判断するのに三冊を読んでからということにしているので)、この作者は面白いな!自分の好きなタイプだな!と思っていたのですが、『後藤さんのこと』『バナナ剥きには最適の日々』と読んで、あれー?なんか小難しくて合わないなあ、と感想を抱いて不安になってきていました。それでこの『烏有此譚』を読んで、自分はこの人の小説はもしかしたら肌に合わないのかもしれない…と自信を失くしました。
    注釈の遊び心は面白く感じたし、その博覧っぷりに舌を巻いたりはしたんですけれど、肝心の本筋が頭に入って来ないと言うか、いまいち内容が面白くない。こういう不条理文学ってのは、苦手だなあ。
    『Self-Reference ENGINE』『Boy's Surface』は買ってあるので読むつもりですが、なんとなくこれも肌に合わない予感がする…

  • 分からないけれども面白いと言う不思議な本でした。
    本文の『僕』の述べることに対する注釈がかなり自己主張が強くて本文よりも注釈がメインで読んでしまいました。

  • 装丁惚れ。本文の理解を求めるための注かと思ったら、さらなる混沌の渦にとぐるぐる。大きな疑問符がこれでもかと頭の上をぷかぷかしているのでありました。真っ当に見えた僕の語りが次第に思弁的になり、精神的変調の兆しでこれまで明確に見えていたように思えた世界がくるりと裏返って不安定に。決してすんなりするすると脳内に入り込む世界ではないのですけど、そんなところが魅力的で、読み終えて妙な興奮の中冷めやらずのまんままた読み返している自分。灰の話と穴の話に妙にふむふむと没頭して読んでいる自分なのでありました。(2010年1月読了)

  • memoのように注を書き綴れば
    それは生涯ひとつの物語になるかも…
    そこですべてを吐き出すことができれば、それ以上書き続ける必要はない。
    人生にも注を!

    烏有此譚memo

    p79 烏(いずくん)ぞ烏有に帰さんや昼夜を問わず。
    烏(いずくん)ぞ此(こ)の譚(はなし)有(あ)らんや
    どうしてこんな話があるのだろうか、いや、ない=馬鹿話
    ※79ページに来るまで自分が読んでいた本のタイトルをすっかり忘れていた。
     もちろんこの文章が本のタイトルの説明になるのだろう。

    末高に灰が降り始めたらしい…
    ※末高…どう読むのかわからない。末高は末高の長男であるらしい。???
     「灰」はキーワードではあるが、それは下記のように展開する。

    薪が灰となり、灰は木にならない。かといって、灰をあと、薪が先とは見るなと道元は言う。
    薪は薪であり、灰は灰である。別個に別れ、連なりを考えるべきではない。生と死も同じことである。

    注の最後の一文
    さあ、はじめよう。音楽だ。
    ※さて、この一文は?
     もう物語は十分だってことか?
     注がこの物語を締めくくっている。


    ※注はこの物語の重要なアイテム。
     でも文章中に出てくるたびに注を探して読んでいては物語がわからなくなる。
     次の注を探し続けるために物語を読んでいるようなものだ。
     注は全部で六四

    冒頭よりずれっぱなしの注が本文に追いつくのはp97
    終盤、注の空白を埋めるための注が登場
    ※後半、注が少なくなると物語に集中していくのだが、
     そこに空白を埋めるための注が登場してくる。
     
    ※注を読むのは本文の理解をより深めるためではあるのだけれど
     それが本文にとって良いことかどうかはわからない。

  • まさに円城塔の才気煥発!
    読み方は色々あると思いますが、注釈を本文と合わせて読むことをおすすめします。
    人間の指が5本あって良かった。休む時にはしおりが最低2つは必要ですw

    注釈の暴走っぷりと内容が面白すぎて本文そっちのけで熱中してしまいました。
    本文なんてただの飾りですw
    もちろん本文の穴や灰の話も結構考えさせられて面白いですけど、やっぱりこの作品はなんといっても注釈がメインだと思います!
    烏ぞ此の譚有らんや。いずくんぞこのはなしあらんや。どうしてこんな話があるだろうか、いや、ない。

    こういう読書の仕方も面白いなーと思いました。
    はたから見たら行ったり来たりでとても読書しているようには見えないですけどねw
    変化球なんで評価はほどほどにしておきますw

  • 不思議な感覚になったまま、どこか置き去りな感じで
    多分、またこの不思議な感じに浸りたくなるんだろうな、
    と思う。

    本編を読んでから注釈を読んだ。
    それぞれ面白い。
    注釈は本編と違ってそれもまた良い感じ。

  • 円城さんはブレない。一度馴染むとクセになる円城節。注釈をどう読もうか迷ったけど、一度本文だけ読んでから注釈を読み直す方式で読了しました。

  • 注の入れ子増殖具合からしても、うぞうぞうごうごもぞもぞした話だった。

  • 注文学(なんだ、そのくくり)として思い出すのはニコルソン・ベイカー『中二階』で、だけど注の位置でだいぶ印象変わるなーと。『中二階』は、注が本文の(右から左へ、文字通り)流れをせき止めてる感があったものね。

    それにこれ、どうやって終えるのかな。注と本文を同じ位置で終えるには、最後からさかのぼって相当の距離に注が付けられない。あるいは注が本体部分を侵食するかしら?                         
    →注の速度落ち、「独立した注」が現れ本文に追いつかれる。あげく、下部空白がつづく。
    「独立した注2」で、「充填の中に空いた穴」「本来ここは空白である」と語られる。ということは読者わたしは、灰は穴を埋め、埋められたぶんの穴の質量は保存されず消えるのみ、と予想したことになる。

  • 私に優しくない本

  • 面白いけどただそれだけのおはなし。

  • 灰という文字から何がイメージされるのか考えては見たが一致しなかった
    穴に関してはイメージしたくないという制御が働いて考えを先に進めることをしなかった
    他の部分で書かれているイメージは時々繋がるときもあり
    そんなに苦しくはなかったし、
    時々感じる拒否感のあるような作品でもなかった
    意外に早く読めたのは、誰でも一緒か
    ある意味読み易いといえないこともないが、分かり易くはないし
    それもそのはずで、分かってもらおうとして書いているのではないと思う
    彼の受賞の時の言葉にあったように
    目に見えることをただ淡々と書いたのだと思う

  • 「道化師の蝶」と「松の枝の記」をここに見る。
    少々読みづらいが、脚注がおもしろい。
    円城氏の読書量とジャンルの幅が半端ないことに頭が下がる。

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烏有此譚の作品紹介

灰に埋め尽くされ、僕は穴になってしまった-目眩がするような観念の戯れ、そして世界観-。不条理文学のさらに先を行く、純文学。

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