中国報道の「裏」を読め! (COURRiER BOOKS)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062159449

作品紹介・あらすじ

08年3月14日、チベット自治区の区都・ラサで大規模な暴動が発生し、チベット問題が突如、世界のメディアの注目を集めることとなった。それ以降、チベット問題に関する質問を日本人からされる機会が増えた。このことで私は、日本人の多くが考えているチベット問題と、一般の中国人が思い浮かべるチベット問題には埋めがたい隔たりがあることを、改めて思い知らされることとなった。

例えば、私が中国を訪れたときに見聞きしたまま、「いま北京の人々は、チベット問題よりも物価のことで頭がいっぱいです」「ほとんどの中国人は自分たちこそ犠牲者だと思っています」などと答えると、たいていの日本人は目を丸くして驚いたのだ。

日本人はみな、中国人なら誰でもチベット問題が起きたことでオリンピックの前途を危ぶみ、一喜一憂しながら事の成り行きを見守っていると考えていたようだが、現実はそうではない。日本人が接しているチベットに関するニュースは、あくまで日本人的視点で切り取られたニュースに過ぎないのであって、中国人が見ているものとは根本的に違っているからだ。
――「本文」より



目次

序章 中国メディアの現在


第1章 中国経済の危うい実態
1 経済の“構造転換”に迫られる中国
2 中国ははたして“アジアの米国”になるか
3 グリーン産業が膨大な不良債権を生む?
4 出稼ぎ労働者を苦しめる治安の悪化


第2章 変容するナショナリズム

5 いったい誰のためのオリンピックだったのか?
6 中国人の“大国意識”をのぞく
7 “略奪ブロンズ像”をめぐる反仏キャンペーン


第3章 上に汚職あれば、下に不正あり

8 “汚職天国”中国で官僚の摘発が進む「裏事情」
9 政府の庇護のもとで暴利を貪る“十大企業”
10 官僚の“ムダ遣い”に支えられる中国経済
11 侮れない「ウソから出た実」


第4章 社会に蔓延する黒いストレス

12 ネット時代の魔女狩り――過激な「人肉検索」
13 軍人襲撃事件でわかった社会に蔓延る“病巣”
14 日本のメディアではわからないチベット騒乱の“

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。「裏」的な事情が多々指摘されていました。例の「ダンボール肉まん」の裏事情などもかかれています。これを読むと「なるほど」と思う半面、日本にいるとタイトルどおり「裏を読む」のは難しいな~とも思います。

  • 中国の発展の裏に隠された真実、日本に住んでいたら触れることのできない貴重な情報がてんこ盛り。中国は面白い国だ、本当にそう思った。

  • 若干偏りがあるかな?

  • 中国の報道を元にいろいろと考察してます。時期は09年中盤くらいまで。

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著者プロフィール

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系に留学した後、
週刊誌記者などを経てフリージャーナリストに。
94年『「龍の伝人」たち』(小学館)で、21世紀国際ノンフィクション大賞
(現・小学館ノンフィクション大賞)優秀賞を受賞。
新聞・雑誌への執筆、テレビコメンテーターとしても活躍。
2014年より拓殖大学海外事情研究所教授。
『反中亡国論』『中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由』
『「米中対立」のはざまで沈む日本の国難』(以上、ビジネス社)、
『感情的になる前に知らないと恥ずかしい中国・韓国・北朝鮮Q&A』(講談社)、
『トランプVS習近平 そして激変を勝ち抜く日本』『風水師が食い尽くす中国共産党』(以上、KADOKAWA)など著書多数。

「2023年 『それでも習近平政権が崩壊しない4つの理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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