らいふ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 15
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062160230

作品紹介・あらすじ

泣いて、笑って、感動しての50年の珍道中は、自分らしく生き方を楽しむ方法を教えてくれた。読むと、新しい一歩が踏み出せる。芸能生活25年、人生50年。いのち、人生、世間を考えるエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 東ちずるさんの本を読んでみようと思ったのは、思わぬところで本人から「いいね」をもらったから。湯浅誠さんがビックイシュー6月1日号の表紙を飾りFacebookに記事を書いた。それに私がコメントした時に彼女から「いいね」をもらったのである。彼女が社会活動に関わっていることは少し知っていたが、それで一挙に身近になった。思えば、彼女と私は同じ歳、因島と倉敷で同じ西日本だけど、全く違う道を歩んで来たと思っていたのである。だからこそ、彼女と小さな接点があったことが少し嬉しかった。

    障がい者アートの支援や骨髄バンク、ドイツ平和村などののボランティア活動を「恋愛のようなもの」と彼女は言う。感謝されたいとか、社会貢献したいとか、感動したいとか、誰かと絆を育みたいとかの気持ちを「下心、おごり、見返り」と言い切る。「やりたいからしている」とっても自然体です。嫌なこともある、だからとことん話し合う、無理を押しての継続はしない、けれども簡単にさよなら出来ない「かすがい」を持つこともある。「ボランティアも恋愛も先が読めない珍道中です。だから夢中になっちゃうんでしょうね」なるほど、です。

    きちんと社会に向き合っている彼女は貧困問題の理解も真摯です。

    「派遣とかフリーターって、結局のところラクしようと思ってんだろ」
    「派遣切りされても、死ぬ気で働く気になりゃなんでもあるはずだよな」
    どう思いますか?この言葉。
    もちろんこれは、勝ち組の人たちの声です。私は、無知だなあと思います。昭和の頃とは違うんです。今はまっとうに働きたくても働けない、働けど働けど将来の見えない状況があふれていて、「働くこと」そのものが、まったくの機能不全に陥っているのです。(略)
    (そのあと憲法25条を紹介して)
    どうですか?いい法律です。安心して生きていけそうです‥‥この内容が守られていれば、ですが。
    社会保障の基盤が整って、この生存権がしっかり守られているかどうか確認したうえで、「自己責任論」を語って欲しいものです。「ただ生きる」ということが難しくなっているのですから、親の介護も、自分の老後も不安になってきます。キャリアを重ねることに不安を感じるなんて、残酷な社会です。それも自己責任、なんて言われたらたまんないなぁーとため息が出ます。(134p)

    全く同感です。岡山でビックイシューの販売が始まったことを書いた私のコメントに「いいね」をくれたのが頷けます。

    これからの人生、私も見習って楽しみながら真面目に頑張っていこうかな、と思わせるエッセイでした。

    2013年6月16日読了

  • 女優の東ちづるさんはずっとから知っていたけど、マイノリティの支援や啓発活動をされている(それもかなり熱心に!)ということを知ったのはここ3年のこと。この本を通して、東ちづるさんがそういった活動に力を注ぐ経緯や熱意が伝わってくる。各章が短くて読みやすい。マイノリティを支えるって?ってことの芯のところがわかると思う。

  • 772.1

  • 大好きなんです、東ちづるさん。
    著作は未読だったんですが、新宿のブックファーストで、
    星野智幸が「芸能人の回顧録ではない、命に全力を注いで生きている人間の血のかよった言葉」とコメントを寄せていた。読まなきゃ!

    東ちづるさんを好きでよかった。最後の、結婚式の話が印象に残った。

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