「悪魔学」入門 ―「デビルマン」を解剖する―

  • 講談社
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 20
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161268

作品紹介・あらすじ

世界の宗教と哲学の実像がよくわかり、身近になる。不朽の名作『デビルマン』から読み解く「悪魔」の秘密。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 光文社古典新訳のマッケン『白魔』で、大変な信頼感を持ってファンになってしまった翻訳家・英文学者の南條竹則氏による『悪魔学入門』である!

    サブタイトルに<「デビルマン」を解剖する>とあるけれど、デビルマンが主体ではなく、デビルマン世代からは全く外れている私のようなモノにとっても、自然な例と感じられる程度にしか出てこないのでご安心。
    私は「八百万の神様じゃ足らず、死んだらお寺、クリスマスは過剰に浮かれる」という、もはや多神教どころではないご都合主義な典型的日本人であるから、キリスト教の考え方が軸となる西欧文学を深く理解することは難しいのだろうと思い、一神教に存在する「悪魔」というモノから学んでみようと考えた次第。

    さて。
    すごい濃度である。
    たった200ページほどで、旧約聖書(正典・外典・偽典)の伝承・新約聖書・教父たちの教説・中世の神学・魔女裁判・オカルティズム・民間伝承や土着信仰、そして〆に「文学における悪魔」として『神曲』『ファウスト』『マンフレッド』が解説・紹介されるんだから、濃くて当然!

    まさに「悪魔学への入口は、ここに開かれた」という感じで、悪魔に触れを知ることで神や天使を知ることにもなり、この構造や思想が西欧文学の底にあるのだとわかれば、より味わい深く読めるようになる…と、思う!

    重要そうなところはコピーをしておこうと思ったけれど、読了後考え直し。
    これは買おう。

  • 聖書などからの膨大な引用により、悪魔とは何か迫る。
    また、デーモンとデビルの違いの定義にも注目。
    デビルマン以外に、魔王ダンテも同時に解説を試みる一冊。

    悪魔解説に夢中になる余り漫画が置いてきぼりにされる感はあるが、漫画図案の引用の豊富さで均衡を保つ。

    この世界で悪魔を生み出したのは、いったい何者なのか!?
    表題の「デビルマンを解剖する」より、帯の「デビルマンから読み解く悪魔の秘密」の方が表現としては適していると言えよう。

  • いまいち分かりませんでした。

  • 「デビルマンを解剖」はしてないかな・・・でも、悪魔ってなんだろうのきっかけがデビルマン、ってのは上手い持って行き方かも。
    と思ったけれど、デビルマンの分かる人(世代)でないと惹かれないかも、とも思ってみたり。

    とはいえ、内容はとても興味深いものでした。悪魔ってナニ?って少しでも思ったことのある人(というか、少しだけそういうことを考える人)にはオススメです。キリスト教の悪魔以外の、ゾロアスター教などの悪魔も語られていて「なるほど」感たっぷり。

    そして、この本を読み終わった最後にはちゃんとデビルマンを読んでみたくなっています。南條さん、やっぱり上手いわぁ。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1958年東京都生まれ。作家、翻訳家。著書に『酒仙』(新潮社)、『怪奇三昧』(小学館)、『ゴーストリイ・フォークロア』(KADOKAWA)、訳書に『英国怪談珠玉集』(国書刊行会)、アーサー・マッケン『輝く金字塔』(国書刊行会)、M・R・ジェイムズ『消えた心臓/マグヌス伯爵』(光文社古典新訳文庫)、M・P・シール『紫の雲』(アトリエサード)、H・P・ラヴクラフト『インスマスの影』(新潮文庫)などがある。

「2022年 『手招く美女 怪奇小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

南條竹則の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×