著者 :
  • 講談社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162463

感想・レビュー・書評

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  • 尾張の殿様の悪趣味な箱庭。
    尾張藩下屋敷 戸山荘 御町屋通り。
    捕らわれの身。過度なストレス。殺人事件。
    吉宗と宗春か。大河ドラマを思い出した。

  • 蛻とは人がいなくなった住居のことをいうと辞書にあるが、この小説は江戸時代にあったと言われる、大名が余興のたまに作ったというよそから人を集めて作ったという作り物の街にまつわるお話が『蛻』だ。お客様が街に繰り出すときはなんと町民の暮らしを無理矢理送っている人たちは、避難訓練よろしく街の外の隠れ場所に身を潜めて時のすぎるのをまつというとんでももので、そこに暮らすことになったもと人生のどん底を這いつくばっていた人たちの新たな偽の人生においての苦悩を描いた不思議な物語。ちょっと変わった歴史小説を読みたい人にはおすすめです。

  • 江戸の尾張藩下屋敷内に作られた東海道の宿場町を真似た飾り物の町,「御町屋」に名古屋から移ってきた町人が,真似の生活をする奇妙な話.その町で殺人事件が発生する.犯人は意外な人物だが,謎が明らかになるまでの過程が面白い.登場人物が多いので,メモを取りながら読んだ.

  • 面白かった!んだけど、古文が苦手なもので、
    そういう部分に訳がついていなかったから、そこの部分だけちょっと苦労した(笑)
    直訴状も、どんなことが書いてあったのか知りたかった。

    実際にあった御町屋ではどんな風に人々が住んでいたんだろう。
    それも気になるところ。

    そして、バブルと緊縮策に振り回される庶民の悲しさは、
    いまもむかしも変わらないと思った。

  • 御町屋と呼ばれる偽の町に集められた偽の町民たち。
    その町の中で殺人事件が起こり、疑心暗鬼になる町民たちの目線で描かれたミステリー。

    次々に登場人物が出てくるので名前や屋号を覚えるのが大変でしたが、当時の人々の暮らしに興味があったこともあり楽しみながら読めました。

    そもそも御町屋とはこの本の中の架空の話かと思っていましたが、実際に存在していたことを始めて知ったのでとても新鮮で興味深かったです。

    人は何人か死にますが謎解きのような部分はほとんどなくミステリー色は弱いですが、複数の町民の目線から描かれていて、それぞれの人間味が伝わって面白かったです。

  • 不思議な本だった。時代小説+ミステリー?庶民には考えられない事をするんだなぁ…『もぬけ』って読み方も初めて知りました。

  • 時代物。だけれど雰囲気はとってもミステリっぽいです。まさしく特異状況のクローズドサークルで起こる連続殺人ものって感じだぁ。まあ謎解きよりは、その状況における町人たちの疑心暗鬼と緊迫感が読みどころかな。
    へええ、こういう趣向の場所って本当にあったのかあ。だけど人間を人間としてとらえられていない部分は、かなり怖いし腹が立つ。お偉方の考えることって、ろくなものじゃないなあ。

  • 江戸もの、ミステリー。
    偽物の宿場町に借り物の住人。この嘘くさい設定は、籠に飼われた虫のたとえで面白かった。ただし殺人事件が起きてからのリアリティーのない展開が、狭い籠の中の設定でもうひとつ。

  • 設定自体は面白かった。
    ただ、この本、推理小説?だとしたら物足りない。

  • ◎第144回(2010年度下半期)直木賞候補作品。

    2011年2月12日(土)読了。

    2011-10。

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著者プロフィール

1964年大阪府生まれ。大阪教育大学卒。公務員を経て執筆活動に入る。2000年、『筋違い半介』で第68回小説現代新人賞を受賞、2011年『蛻』で第144回直木賞候補となる。作品は他に、『囲碁小町嫁入り七番勝負』『吉岡清三郎貸腕帳』『与太話浮気横槍』『やさぐれ』などがある。

「2016年 『蝶結び かわら版売り事件帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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