シューマンの指 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2305
感想 : 501
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062163446

感想・レビュー・書評

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  • 19:シューマンをシューマンと意識して聴いたことがないし、初の奥泉作品ということで誤解を恐れずに言うと、これは奥泉さん流の「幻想曲」の解釈なのかなと感じました。確立された物語世界、現れては消えゆく懐かしい日々の幻影。読み終えてふっと現実に戻る瞬間、今まで本を読んでいたのだという「気づき」は、舞台の幕が下りて客電が点るあの名残惜しさそのものでした。目覚めた瞬間のような。シューマンを聴いてから、もう一度読みたいな。読み終えて表紙を見てタイトルを目にして、はっとする。

  • 最後まで読んでそうだったんだって感じ。

  • 音楽にまったく明るくないのでところどころにあるシューマンのうんちくがまったく頭に入らず苦しんだけれど、ことばが端正かつ永嶺修人がたまらなく魅力的でそこの力を借りて読み進められた。永嶺修人の一挙一動の「とくべつ」感が語り手の文からふんだんに感じられて、このフィルターを通して読者も恋をするんだなと この修人さんの魔的な魅力の説得力は後半にめちゃくちゃ響く

    すごく細やかに違和感を盛り込んであって、でもひとりでズルズル手記を書いてるというていだからそれに気づきにくい!ほぼ答えみたいなことも言ってるのに!すごい!
    終盤のうつくしさ、苦しさも凄い。修人を思わず抱きしめるシーンは綺麗でくらくらしたし、プールの更衣室でふたりでそっと交わしている姿もいやらしくてどこかきれい。

    久しぶりにノーガードで叙述を食らったので楽しかったです。綺麗だなあ。数年後にもう一度読み返したい

  • 読んでる途中、何回も投げ出しそうになりました。私はまだ以前に、ピアノや吹奏楽と音楽をやっていたので、何となく興味深かったところもあったけれど、ここまで専門的に語られるとつらいものがあります。ラストの何ページかは驚かせられたけれど、一方、そのラストだけのために数百ページもの文章を読んできたのか、と落胆もしました。さらに、指や事件のことも上手くまとまっていない気がして消化不良です…。

  • クラシックを知らない私には難しい小説でした。

  • 前半の音楽の説明部分がどうしても入ってこなく、途中断念も考えたくらいでした。どうにかそこを乗り越えられ、読了しましたが、結局妄想?

  • 【大妄想】
    小説です。
    そういうオチか。。。

  • (2016/5/13ギブアップ)
    「王様のブランチが恋した本」で、「唸らせられる本」として文庫本が紹介されていた。
    最後にどんでん返しがあると書かれてあり、どうにか読み続けようと頑張ったけど、無理でした。
    2/3は、流し読みしたので、どういう話だったかはわかるけど、うーん、他のサスペンスと比べたらどうかなぁ。(この程度で)読者は満足するのかなぁ。
    ピアノが好きで、よくピアノの曲を聴いたりするけど、音楽に対する専門的過ぎな部分が多過ぎて、すごく読みづらかった。みんな理解して読んでるのだろうか。。。

    (内容)
    シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「私」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、指にピアニストとして致命的な怪我を負い、事件は未解決のまま30年の年月が流れる。そんなある日「私」の元に修人が外国でシューマンを弾いていたという「ありえない」噂が伝わる。修人の指に、いったいなにが起きたのか。鮮やかな手さばきで奏でる“書き下ろし”長篇小説。

  • 1009--

  • 最初の方は音楽の話ばかりで、読みづらかった。
    少しミステリーが加わってきて、おもしろくなってきた。
    最終章では驚かされた。ただ、頭の中がちょっと混乱。

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著者プロフィール

作家、近畿大学教授

「2011年 『私と世界、世界の私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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