空き家再生ツアー

著者 :
  • 講談社
2.89
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062164665

作品紹介・あらすじ

50歳は分別ざかり!?仕事はあるけど、未婚、ひとり暮らし。ためらうこと、あきらめることも多いけど…。そんな私たち、それぞれのこれから-。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに惹かれて借りてみた。短編集だった。
    ちょっとずつリンクしてる感じで、まったく同じ登場人物が出るのもあれば、
    この話はどこがリンクしてるのかな?と記憶が曖昧になってしまう話や・・・
    印象に残ったのは百貨店の店員さんの話。

  • 初めて読んだ岸本さんの本。
    日経ウーマンの妹たちへで、素敵なエッセイストさんやなと思った印象どおり。
    さわやかな読後感の小説。
    心情が淡々とリアルなかんじです。

  • 岸本葉子が小説を書いていたのは、まったく知らずにいた。NDC913の棚でこの本をみつけ、え?岸本葉子?小説?と思い、ぱらっと奥付をみると、これが初めての小説だと書いてある。借りてきて、読んでみた。

    巻末の表題作は、たぶん尾道と思いつつ読んだ。父が生まれ育った尾道は、私がごく幼い頃に父の母、私にとっては祖母が亡くなって、何年かにいちど墓参りにいくところ、という場所。父の実家も、もうずっと前に手放されていて、今はどうなっているのか。かすかに、かすかに記憶がある。そう遠くないところに伯母が住み、私自身も広島県内に3年住んでいたことがあるから、それなりに馴染みのある場所。

    一つひとつの短編集と思いきや、これが登場人物がゆるく連なる連作短編集なのだった。

    岸本葉子といえば、"年上の酒井順子"のような身辺雑記風のものがかつては多かった。そのうち「ひとり」とか「シングル」がどうのこうのという書きものも増えてきて、この小説も登場するのはシングルの女たち。

    達者に書くもんやなーと思ったが、ぐぐっと強い印象は残らない感じ(イマドキの小説は、そういうのが多い…自分の記憶のせいもあるのだろうが、あとでタイトルはおぼえていても、何の話やったっけとすっかり忘れてしまう)。

    私は、この人ががんになったときに書いた本が、理科の観察レポートみたいで、こういう観察ものを書くとこの人ええなあというのが今も印象に残っている。

    (1/22了)

  • ≪内容覚書≫
    アラフィー世代。
    おひとりさまで老後を迎えることになりそうな女性たちの話。
    関係者がさりげなくつながっている連作のようで連作ではない短編集。

    ≪感想≫
    同僚からの誕生日プレゼント。
    まだちょっと、共感するには、早い本かな、というのが正直な感想。
    現在、アラサーなりたて。
    ただ、将来のことを考えさせられる1冊、ではあった。
    今は充実していて、ひとりも全然寂しくないけれど、
    アラフォー、アラフィーと進むにつれ、寂しくなる日が来るんだろうか。

    楽しく、自分が望むままに、歳を取りたい、と思わされた1冊。

  • ああ、もろ、ど真ん中。やられちまった。同世代の話、ということもあるけど。この筆者のは初めて読んだが、元々エッセイニストで、初小説だということ。えーそうなんだ。とっても気に入ったんだけど。
    一番の作品が「分別ざかり」。50代のちっちゃな恋愛もどきの話。『恋愛だってしていい立場になって、そのときにたまたまな目に入るところにいたのが・・』というあたりにうなづきまくる。それでいて、『10数える間凭りかからせていただいきたい』という、イマドキの中学生が聞いたら笑っちゃうくらいのお願い。わかるわーー!!
    早く、第二作を読みたい。

  • 人生の折り返しを過ぎて、ぼんやりとこの先を考える。
    正直、何を読んだっけ、どんな話だったっけ、という印象。でも読み終えたのでつまらなくはなかったはず。
    彼女のエッセイは、過去にとてもおもしろく読んだ。

  • アラフィフ女性が主人公の短編集。それぞれの登場人物に繋がりはあるか物語自体は独立している。

    タイトルから「空き家に出会ってから再生させるまでのストーリー」だと勝手に想像したが、実は女性たちの抱える事情やこれからを思う心情を描いたもの。

    自分と同世代の主人公なので、重ね合わせて読もうとしたけれどなんだか寂しくせつない気持ちになってしまった。
    少なくとも「明日からまた頑張ろう!」という気になるお話ではなく、「私もいい歳だからいろいろかんがえなきゃなのかな〜」という感じになってしまった。

  • 一人でも変わりなく生活し続けられるといいのに。ちょっとした変化があるとドキドキしそう。
    ある程度の年齢で急激な変化には対応できそうにないわ。
    いろいろな仲間がいて、うまく気分転換できればいいのかもね。

  • 40代後半から50代の独身の女性の生きる道。

    保険会社で内勤だったのに突然の営業研修に駆り出され苦戦したこと、幸子。
    長年の実ることのなかった不倫の記憶、陶芸教室の女友達と行った温泉、治子。
    祖母と母の介護を終えて、陶芸教室の男性を意識し始めたこと、頼子。

    トラブルになった顧客に謝罪に向かったものの、思わぬ葬儀と娘として演じることになった朋子。
    知らぬ間に高齢になった父、国際結婚した妹夫婦、独身の自分、直子。
    島で空き家になった家を見学するツアーに参加して思い描いた将来、篤子。

    最初の話から空き家再生について続いていくのかと思ったら
    そうでもなく、それぞれの短編だった。

    みんな名前に子がついたり境遇も似ていて、区別が難しかった。
    空き家を使って新しい日々を切り開く話だと勝手に想像していたが、勝手に想像した話とは、もちろん違っていた。

  • 全編を通じて「独身女性の老い」がテーマか。
    いずれ自分も直面するかもしれない。そう考えると恐ろしくなったが、いずれの登場人物の年齢が、かけ離れているため、いまいち共感が出来なかった……。

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著者プロフィール

岸本 葉子
1961年鎌倉市生まれ。東京大学教養学部卒業。エッセイスト。会社勤務を経て、中国北京に留学。著書に『エッセイの書き方』『捨てきらなくてもいいじゃない?』『50代からしたくなるコト、なくていいモノ』『楽しみ上手は老い上手』『50代、足していいもの、引いていいもの』(以上中公文庫)、『ふつうでない時をふつうに生きる』『モヤモヤするけどスッキリ暮らす』『60代、少しゆるめがいいみたい』(以上中央公論新社)、『ひとり老後、賢く楽しむ』『ひとり上手のがんばらない家事』(以上だいわ文庫)、『わたしの心を強くする「ひとり時間」のつくり方』(佼成出版社)、『60歳、ひとりを楽しむ準備』(講談社+α新書)、『90歳、老いてますます日々新た』(樋口恵子氏との共著、柏書房)、俳句に関する著書に『私の俳句入門』(角川ソフィア文庫)、『岸本葉子の「俳句の学び方」』(NHK出版)、初の句集『つちふる』(KADOKAWA)など多数。

「2024年 『毎日の暮らしが深くなる季語と俳句』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岸本葉子の作品

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