- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062166416
作品紹介・あらすじ
女子大生・瑛は、恋人から逃れて、南の町のホテルにたどり着いた。そこで、ホテルの部屋の電話機に残されたメッセージを聞く。「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とてもいいところです。ボート乗り場に十時でいいですか?待ってます」そして、瑛とニノは出会った。ニノもまた、何者かから逃げているらしい。追っ手から追いつめられ、離ればなれになってしまう二人。直木賞受賞第一作。21歳の女子大生・瑛と7歳の少年・ニノ、逃げたくて、会いたい二人の約束の物語。
感想・レビュー・書評
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DV男から逃げ出してきた21歳の女性・瑛(テル)が、辿り着いた南の田舎町で、ニノと名乗る少年と出会う。ニノもまた、暮らしていた施設から逃げ出してきて、この町に居着いていた。
季節は、夏。
二人は、二人を追う者から逃げ続ける。
逃避行の道すがら、出会う人々や出来事。
広い海、蒼い空、吹く風。
そして、握ったニノの小さな手の感触や、エキゾチックで悪戯で、ちょっと悲しげな横顔。
読みながら、頭の中で繰り広げられる映像世界に、まるで自分が、忘れられない夏休みを過ごしたような、そんな気持ちにさせられる物語でした。
ニノがかっこいいです。子供なのに! -
自分のしたいことが「最適な選択」はないというオトナな観点で、気持ちをぐっとこらえることは、ままある。
けれど、その時その瞬間に感じる通りに行動するしかできない場合。馬鹿なことを、と言われたとしても、時間をかけて「適」にしていくことはきっと出来るんだろうと思えた。
諦めの気持ちを重ねた安穏と、じっくり練り上げた納得。願わくば、後者の多い人生を歩みたい。瑛とニノが、歩み始めたように。 -
10年以上も前に刊行されたというのに、いまだにDV男ってなくならないなあ。
中島ワールド全開ですね。おとぎ話のようでもあり、リアルでもある。読者を連れて行ってくれる不思議な魅力があります。こういうのって、よほど知識とパワーがないと出せないと思うのです。どうやって組み立てるのかなあ。それとももくもくと湧いてくるのでしょうか。
森のくまさん、なるほど~と思います。お逃げなさいって言ってほしいよね。 -
テル(瑛)とニノのロードムービー(?)逃亡する先々での人との出会いがあって、自分の立ち位置を見つけていくお話。大人っぽいくだりもあるけど、結構ファンタジー。良い意味で。モモとか森のくまさんとかも出てきて。
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西村が漢字になったりカタカナになったり。
文字を使った表現が面白い。
かくれんぼの鬼。 -
DV男から逃げてきた瑛が、ひなびた商店街のある街で灰色の男から逃げているハーフの少年ニノと出会う。
追われるふたりが、逃げ続けた末に出した結論とは。
メインのストーリーのテーマは重く、深刻なもの。
瑛の問題は、本人の強い意志で解決を見たけれど、ニノの問題は、まだまだ続く様子。
ただ、解決に向けてすすんでいる感じの結末には、明るい未来が見え、ホッとした。
途中途中に挟まれる寓話、
必要なものだとは思うものの、少し読みにくさを感じた。
著者の意図をうまく汲み取れていないのかなと、少し落ち込んでしまう。
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読んでるうちに飽きちゃった
遅くなったけど、
お気に入りポチ
ありがとうございました!
コレ、レビュー読ませてもらって
興味津々です(^O^)
...
遅くなったけど、
お気に入りポチ
ありがとうございました!
コレ、レビュー読ませてもらって
興味津々です(^O^)
名作映画『グロリア』を思わす
モロタイプの設定に
思わず食いついてしまいました(汗)
基本文庫派だけど
本屋でチェックしてみたいと思います♪
良かったらまた
気軽に絡んでいってくださいね(^_^)
こちらこそコメントいただきありがとうございます。
その映画、気になったので調べてしまいました。
あらすじを読みましたが、こ...
こちらこそコメントいただきありがとうございます。
その映画、気になったので調べてしまいました。
あらすじを読みましたが、この小説はもうちょっとマッタリしている感じでした(笑)
中島京子さんは最近読み始めたのですが
文章がとても上手いと私は感じて、好きなんです。
私も円軌道の外さんのレビューのおかげで
気になる本がいっぱいできました!
ありがとうございます。