- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062167048
作品紹介・あらすじ
優しい夫と、もうすぐ3歳になる息子と暮らす「私」。「全てを一新して、生活を変えなければ」と思い立ち、パートをはじめ、新しい家に引っ越した。引っ越し先の隣家は、6人の男の子のいる大家族。ひとり息子のためにはよかったと喜ぶ「私」だったが、毎週金曜、隣家ではある出来事が起こるのだった…。中国人留学生たちの「今」を描く「ピラミッドの憂鬱」を併録。
感想・レビュー・書評
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上手いとは思う。日常の危うさを描く淡々とした筆致。
ただ好き嫌いでいうと、なんとなく物足りないというか、他の作品も読みたいと思うところまでいかなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
陰陽対極にある隣家にはあのような禍が生じるが、結局何を伝えていただいたのだろうか。
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楊逸さん、読むほどにすきになる。もうゾッコン!
この本には二編の小説があり、どちらもコメディタッチ。
私は本のタイトルでない方の「ピラミッドの憂鬱」の方が
すきかな。中国人留学生の暮らしぶりっていうのが興味深くて。
事物以外にも感覚的に「へ〜え」っていうのが多くて。
登場人物もみな人間味あって。(コレ、楊逸さんの特徴かな)
一方、「陽だまり幻想曲」の方はですます調。でもコメディっぽい
ので面白おかしく読んでいたら最後の展開に驚いた。
本の装幀がすごく効いてる! -
表題作よりピラミッドの憂鬱のほうが好き。知らないけどありそうな中国人留学生たちの話。表題作は、終わり方、「わっ…」てなって、どうしたらいいんだ状態。
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表題のイメージとは違って、皮肉が満載というか。
日本人の文章リズムと違うのが、仇となって、淡々と終わってしまった。 -
「ピラミッドの憂鬱」と「陽だまり幻想曲」の中編2本を収録。
中国人男子留学生2人の日本での共同生活を描いた「ピラミッドの憂鬱」はこの作家さんらしい内容で、中国の現状や、中国の若者のリアルな姿を知ることができて興味深かった。
「陽だまり幻想曲」については、この作家さんの小説で中国人の登場人物が出てこないものは初めて読んだのだが、ユーモラスな描写と深刻な内容のアンバランスが面白かった。日向でのんびりウトウトしていたら、いつの間にか辺りが薄暗くなっていた感じ。意外な結末だった。 -
「ま、良いか…ま、良いか…」
楊逸さんの厳しい現実の中、ほんわかとした、中国人らしい小説… -
表題作とその前に収められた「ピラミッドの憂鬱」との2編。
「ピラミッドの憂鬱」のほうが楊逸さんの真骨頂で好き。中国から何となく日本に留学している2人の青年の日々を描いたもの。こういうのを読むと、中国の人って激しい人生を生きているなあと思う。そして、その激しい流れに負けずに生きているなあと思う。話に迫力があるんだよね。それは幾分、韓流ドラマの世界にも通じるもので、決してこういう小説の世界も、韓流ドラマの世界も荒唐無稽ではないんだと思う。日本が迫力なさすぎ、日本人が気迫なさすぎなんじゃないかな。