絵本マボロシの鳥

  • 講談社
4.05
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  • Amazon.co.jp ・本 (84ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062169561

作品紹介・あらすじ

いつの時代か、どこの国のことかはわからない。町外れのオリオン劇場には、あふれかえるほどの観客がつめかけていた。魔人チカブーの芸、「マボロシの鳥」を見るために…。

感想・レビュー・書評

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  • 藤城清治さんの影絵に出会ったのは、昇仙峡に家族で出かけた時。何気なく入った影絵美術館。
    あれから、藤城清治さんの影絵の虜になった。

    この絵本を購入したのも影絵が目的だった。
    でも、どうしてどうして爆笑問題の太田光さんの世界もいいじゃないか。
    何が大切で何がおかしいか自問自答して、世間に投げかける彼らしさが滲み出ている。
    構成や言葉遣いに見られる素人っぽさはあるけど、荒削りでいい。
    この世にあるものは決して光と闇ではなく、光と影であること。そして世界はきっとどこかでつながっていると訴えている。

    一読した後、もう一度藤城清治さんの影絵に浸る。至福の時がやってくる。

  • 「図書館のキリギリス」で登場人物がこの本の紹介をしてて、
    凄く気になってたので借りてみた。

    太田さんの本より、絵本で見たかった(笑)
    だって影絵作家の藤城清治さんの作品での絵本だし。

    絵本って子供だけの物じゃないなって実感。
    この本は大人向けですね。深いかも。

  • 町はずれのオリオン劇場に魔人チカブーの芸「マボロシの鳥」を見るために大勢の客が押し寄せた為、天井が壊れ鳥が逃げ出した。目に見えないものこそいちばん見たいもの この世でいちばん幸福なことは誰かに必要とされること この世界はきっとどこかとつながっている

  • もともとは太田光の小説があるものの絵本版。
    藤城さんの影絵「あんまり好きじゃない」と
    思い込んでいた私がアホちんでした(笑)
    大きな黒い目をしたマボロシの鳥
    その名前の通り不思議と心を掴んでくる鳥の絵。

    「手放すこと」の意味と意義。
    形のないもの。物として残らない「芸」をつくって人へ
    あげることを、「出た!!!」と思ったら瞬時に消えてしまう
    「笑い」を追いかける仕事をしている太田光さんだから
    このお話つくることができたんではないかと思いました。

    【教える などと いいだすヤツが教えるほどの芸を
    持っているわけがない。あったら自分でやっている。
    他人になんて教えてるヒマなんかあるもんか!】本文より

  • 以前から藤城清治さんの影絵が好きだったので、読んでみた。不思議な話と、藤城さんの幻想的な影絵が良く合っていて、素敵な絵本だった。やはり「この世界は、きっとどこかとつながっている」という所が印象的。yom yom19の太田さんの「『マボロシの鳥』を出して」とあわせて読むと、より分かりやすくなると思う。

  • 「世界は、どこかでつながっている」そんなメッセージを、太田光さんの社会に対する抑えきれない程にたっぷりの熱量を持った文章と、藤城清治さんのあったかくて、とにかく“綺麗”な画にした一冊。将来、ちょっと大人になった子どもにチャレンジしてほしい一冊。

  • 〈マボロシの鳥〉が藤城さんの絵本になると聞いたとき、絶対に合うと思ったけど、想像以上に良かった。絵本になって、より幻想的な世界になった。「言葉というものは、なんて不便なんだろう。」とあるように言い表しにくい世界観になっている。

    『マボロシの鳥』を全部絵本にして欲しい。〈荊の姫〉とかも合いそう。藤城さんが「僕ほど、適した人はいない」と言っている通り、この光と影のコントラストが合っている。

    「世界はきっとどこかでつながっている」というところが、なるほどって思った。

  • 藤城清治 自宅アトリエ展にて購入。
    かなり大人向きの絵本(値段も大人向きw)
    とにかく藤城氏の影絵が素晴らしくて
    実際生で見て
    この本は買うしかない!と思い。
    絵本の物語は爆笑問題の太田氏が書いてるんだけど
    文章にハッと気付かされることが多かった。
    「この世で一番幸福なことは、だれかに必要とされることだ」

  • 絵がある分、少し近づけたかな?

  • 文字が多いし、内容も難しい(考えさせられる)から子ども向けではないと思うけど、小学校高学年〜中学生、高校生にも読みやすくなってる気がする。

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著者プロフィール

1924年東京に生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業。12歳から油絵を始め、独立美術協会展、新制作派展に入選。名編集者の花森安治に認められ、雑誌「暮しの手帖」に影絵を連載。また影絵劇団・木馬座の上演、展覧会の開催など多彩な活動を続ける。1983年には本作『銀河鉄道の夜』(原作・宮沢賢治 講談社)で、BIB金のりんご賞を受賞。紫綬褒章、勲四等旭日小綬章など多数の受章、受賞歴がある。
著書に『セロ弾きのゴーシュ』『画本 風の又三郎』(ともに原作・宮沢賢治)、『ぶどう酒びんのふしぎな旅』(原作・アンデルセン 訳・町田仁)、『絵本マボロシの鳥』(原作、文・太田光)、『藤城清治の旅する影絵 日本』『ブーちゃん』『藤城清治 影絵の絵本 グリム』『藤城清治 影絵の絵本 アンデルセン』(以上すべて講談社)などがある。

「2022年 『新装版 銀河鉄道の夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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