半島へ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 134
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062169776

作品紹介・あらすじ

その春、「私」は半島に来た。森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで-。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために-。川端賞受賞の名作「海松」を超えた、究極の「半島小説」。

感想・レビュー・書評

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  • 東京から半島へ。都会から田舎への乗りとは全く違う。東京のスピードとは違う自分にふさわしい速度とは、生き急がない速度。でもいざ東京を離れる時の思いは望郷の念と表裏一体。なんか分かる気がする。

  • 東京から志摩半島(三重県)へ行き田舎暮らしするおばさんの話。

    自然の描写が下手。
    登場人物に魅力がない。
    主人公が下品。世話してた沼地をとられたら嫌だから借金して土地を買ったとか、仕事が眠くて面倒くさい、結婚式にも三回忌にも出席せずとか、ただのわがまま。友達が自殺したとか、森に死体があったとか、引きずって何度もほじくり返すわりに心理描写が雑。
    小出しにする自然の情報も、こんなの読書をするひとなら知らないひと居ないだろうというような軽い情報ばかり。
    上京したときの、東京の便利さ(本屋には新刊がたくさん並び、CDは何でも手に入る)だけ同意した。2行。

    読む価値なし。

  • 前作の「海松」もそうだったが、もう少し年齢を重ねてから読んだほうが、その良さが分かるのではないか、と思いながら、淡々と読んでいた。

    終盤にさしかかり、主人公の女性(おそらく作者)が、人気のない海岸で、一人海水浴を楽しむあたり、力をいれなくても、浮力だけで人は生きていける、ただじっとしていればどこかに運ばれていくのだというくだりに、最近水泳を始めた私はとても共感できた。

    地に足をつけて歩いている間は、なにやら肩に力が入っていたり、思い通りにことが進まないとイライラしたりといったことがあるが、大海原に浮かべば人はとてもちっぽけな存在だ。そして、体の力を抜いてゆったりと浮かんでいるのはとても気持ちよく、確かにこの世に生まれる前、母の胎内でもこんな場所にいたのだろうかと思わされる。

    最後に作者が大きな決断をしていることが分かる。ゆったりと体の力を抜くこともあれば、次のステップに向けて自分で舵を取ることも必要。そのバランスがうまく描かれているように思う。

  • 日本の中程のひっそりとした
    「半島」での生活
    それまでの人生
    田舎暮らしのYouTubeをずっと見ているような
    小説でした

  • 半島で過ごした女性(50〜60代?)の一年間を描いている。自然にあふれる周りの環境と一体化し、やりたいことだけをやって過ごす毎日。
    最終的にこの半島を終の住処とするに至る心情を、自然描写や周囲の人々との関わりを交え綴っている
    この女性の過去やら人間関係を深く掘り下げて語られる事はない。
    そのうち何かが起きるのか?と思いながら読んでいたけれど、最後まで…特には…で終了。

    自分はいつも寝る前に読書するのだが、必ず眠りに落ちてしまい、この本は何日もかかってしまった。文章は嫌いではないのだがやや退屈な感じでした。

  • 東京のマンション住まいをしている主人公は、三重県志摩半島で一年近くを過ごす。そして、東京を引き払って引っ越すことを決意するのだった。

  • 森や生き物たち、生と死が瑞々しく、美しく書かれている。「女」の人生が詰まっている。

  • 2016.5.28

    人も自然の一部なんだと思わせる作品
    たんたんとした生活が心地良く、ひとが皆おだやかでゆったり時が過ぎてゆく
    生きてゆくための最低限のものがあればいい
    贅沢なのかも?

  • 見つめ直す。振り返ってまたすすむ。そんな話だと思う。

  • 森や山や海の描写が延々続くと嫌になってしまいそうだがそうはならない。四季折々に感じる自然がとても魅力的でついつい読んでしまった。ひとりで不便な田舎にに住むなんて私にはとてもできないから、自然を思う存分味わう主人公に圧倒される。とても気持ちのいい作品だった。気持ちだけでもこんな風に生きたいというお手本のお話

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著者プロフィール

1950年、愛知県生まれ。作家。著書『エンドレス・ワルツ』『琥珀の町』『抱かれる』(いずれも河出書房新社)、『ホテル・ザンビア』(作品社)ほか。

「1994年 『自殺者たち 一日一死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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