津波と原発

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著者 : 佐野眞一
  • 講談社 (2011年6月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170383

津波と原発の感想・レビュー・書評

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  • 同じ著者のあんぽんが面白かったので本書も読むことにした。

    現地にいき 被災した人々の生の声、 津波でなくなった町。

    伝えなければ風化しそうな声を丹念に拾っている。

    このような話は山ほどあるが、それでも都会にすみそして1年以上たった今でも繰り返し疑似体験はしないといけない。

    そういう意味では読ませる内容だ。

    また原子力発電が地方政治の中で中央の資金を呼び込む手立てとなっていたのは当然といえば当然だが、反対派から転向したり、公共工事で懐を温めたりなど、これまた当然と言えば当然の成り行きだ。


    人は理想で動くのでもなければ打算だけで動くのではない。

    エネルギーをつくるという 半ば抽象的なもくてきと 建設工事がくるという生々しい話が不可分で降ってくる。 放射能漏れの事故の可能性と現ナマを天秤にかけて判断するなんてできなかったことがよくわかる。

    最後の方にあった消費行動を取り戻して日本を元気にするという提案には反対。そこそこ消費でいいんじゃないだろうか。

  • すごい本である。
    「さて俺の出番!」と品薄状態の防護服と外国製の線量計をオーダーし被災地に乗り込む、そこまではいいとしてその取材と言えば現地はそこそこに後は内地のホテルで酒を酌み交わしながらのインタビュー中心…やっていることと言えば著者が目の仇にするお大尽のご視察旅行となんら変わらない。
    中身にしてもエロやらグロやら人目をひくためのカストリ雑誌然とした記事が大半でそれを(笑)で締めくくるなどまるで被災された人のことなど見ていない。
    そして足らないページは原発の資料をコピペしてハイ出来上がり!
    ジャーナリズムの巨人は偉大なのは態度だけだったようだ

  • 3.11は原発について改めて考える良い機会となった。この本で特に注目すべきは、読売と原発の繋がりである。読売を弱小新聞社から朝日・毎日に並ぶ全国紙に育てたのは正力である。正力は元警視庁警備部長という要職(警視庁トップ3)にあり、将来を約束された身であったが、皇太子裕仁親王(当時)が虎ノ門で狙撃されるという大不祥事を引き起こして首になり、その後読売新聞に入ったのである。この男が読売新聞を使って強力に原発推進キャンペーンを繰り広げ、政界に入り東海村原発を造り上げたのである。現在も読売はナベツネの機関紙と化しているが、どうやらあの新聞は社主の思想を広める為の新聞社であるようだ。

  • 冒頭は現地ルポがあって、へえー頑張るねと感心してたら後半は資料中心で「なぜ福島に原発ができたのか」みたいな歴史的な話題を延々やっていく。ところが今回の事故でおおよその歴史的経緯は新聞等で読んでしまっており、そんなの知ってるよ、と感じる部分が多かった。

  • なぜ福島のあの場所に原発が作られたのか、それが問題。原発は不毛の過疎地を狙う。金儲けや功名心にとらわれた政治家や財界人がそれに群がり、地元の首長も取り込まれる。交付金で表面上は潤うが失くしたものは取り返しがつかない。騙されたといっても後の祭り。目を背けていたらまた二の舞になる。

  •  ノンフィクション作家佐野眞一が東日本大震災を現地取材し一冊の本にまとめる。

     この本の取材はまさに生の取材だ。人に会いに行き話をする。たったそれだけのことなのにとても重くそして面白い。「おかまバーの名物ママの消息」「嗚咽する”定置網の帝王”」 タイトルからもう面白い。立ち入り禁止区域に入って原発のすぐ近くのほうれんそう畑を見て、その持ち主を探し出して取材するあたりは本当にすごいと思う。
     津波と原発の二部構成だが、原発の部分は現地取材に加え、なぜ原発が日本で推進されそして福島のあの場所に建設されたのかという歴史の流れも追っている。「原発に唄も物語もない」「原発労働はなぜ誇りを生まないのか」などのタイトルにあるように原発にはある種の後ろめたさと暗さがずっとつきまとっていたのだと感じた。

     東日本大震災はそれ単体が大きな事件としてあるのでなく、戦後の日本が抱えていた影の部分がクリアに表に出てしまうきっかけだったのではないかと思う。だからこそ佐野は震災後の日本人は今までと全く違う道を歩まなければならないと訴えているのではないだろうか
     東日本大震災を考える上でぜひ読んでおきたい一冊。テレビやネットではこれは味わえない。 

  • 大津波の話で、「津波てんでんこ」の著者、山下文男氏にインタビューした部分を見つけて読み始めました。山下氏は日本共産党の文化部長を歴任された元幹部だったといいます。1974年の創共協定に絡んでいる方だそうです。そして最後まで在野の津波研究者でした。その山下氏が、陸前高田県立病院から自衛隊のヘリで助けられ、「僕はこれまでずっと自衛隊は憲法違反だと言い続けてきたが、今度ほど自衛隊を有り難いと思ったことはなかった。国として、国土防衛隊のような組織が必要だということがしみじみわかった。」と語ったことは、今回の極限体験が語らせたものだと思いました。
    原発前夜−原子力の父・正力松太郎、なぜ「フクシマ」に原発は建設されたか、は、第二次世界大戦後から現在に至る歴史がコンパクトに描かれています。最後の30ページは、さらりと読むには堪え難いことが書かれています。現実にこのようなことがあることを知った上で発言したい。

  •  第一部は3月18日から20日に南三陸町、大船渡、宮古などを訪れて、古い知り合いであるるとともに津波の被災者でもある、もとゴールデン街のオカマバーの経営者や「津波博士」として知られていた共産党元幹部などに会ったルポ。第二部は、4月の終わり頃に大熊町や双葉町などを訪れ、避難者や原発労働者の会ったルポに福島原発の開発史を交えたもの。
     ルポは当時の状況を伝えているし、開発史は堤康次郎や正力松太郎など、知らなかったことがいろいろ出てきておもしろい。やっぱりそれなりに力のある作家だと思う。
     ちょっと気になったのは、オカマバーの経営者を見下すように、金にうるさくて一億近い金をためこんだみたいなことが書いてあったこと。リアリティを出すつもりなのかも知らないが、旧知の被災者に対する礼儀だって必要だろう。えらそうなののはいけない。

  • 地べたを這う取材と視点。ジャーナリズムが伝えきれない、ノンフィクションのあるべきひとつの姿。

  • 東北大震災と原発事故についてのノンフィクション。震災の大きさと原発事故が人災であったことを、再認識させられました。

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津波と原発の作品紹介

日本の近代化とは、高度成長とは何だったか?三陸大津波と福島原発事故が炙り出す、日本人の精神。東日本大震災にノンフィクション界の巨人が挑む、書下ろし四〇〇枚。東日本大震災ルポの決定版。

津波と原発の文庫

津波と原発のKindle版

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