絶望の国の幸福な若者たち

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著者 : 古市憲寿
  • 講談社 (2011年9月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170659

絶望の国の幸福な若者たちの感想・レビュー・書評

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  • 20代の私にとって、この本はまるで自分自身を書かれているような気分になった。確かに、日本は絶望の国といえる。作者もデータを使って示していた通り少子高齢化は進み、社会保障費に関しても損することが分かっている。その絶望の国にいながらも若者の満足度は高いのだ。本文に若者は自分たちだけの世界を作り、その中で幸せを感じるとあった。よく言えば日常のなかに幸せをみつけることができ、悪く言えば自分たちの殻に閉じこもっているのである。大学のゼミやサークル、小中高の友達、アルバイトという社会的集団の中で自分の居場所があり、何気なく生活できることが幸せなのだ。しかしながら、未来に対する不安やこのままでいいのかというモヤモヤした感情があることも否定できない。そのモヤモヤしたものをどうすれば無くすことができるのか?それは今ある生活にある程度満足しているから、結局解決することができないのだ。これに危機感を感じる若者がどのくらいいるのか、疑問に思った。繰り返しになるが、私自身も含め今ある現状に満足しているため何か行動に起こすことはなかなか難しい。
    用語の解説もついていて、分かりやすく一気に読み進められた。最後まで読み終えたとき「絶望の国の幸福な若者たち」その正体をより深く考えることになる。

  •  図書館より

    『だから日本はズレている』の古市さんの著作で『だから日本はズレている』内で言われていたキーワードもいくつか見られます。

     面白かったのは第一章の「若者」がいつのころから社会的な概念として誕生し、そしてどのようにその立ち位置を変えてきたか、ということ。ビックリするほど昔の大人たちと今の若者批判が似通っていて思わず笑ってしまいそうでした。今も昔も大人たちは若者に対し、ある種の似たような期待をし続け、そして裏切られ続けているのですね。

     そうした若者論といっしょにこの本内で語られるのは、日本という国家のことです。成熟し先進国の一員となった日本の限界もこの本では語られているように思います。共通の倒すべき敵を失い、叶えるべき大きな目標がなくてもインフラの充実で生きていける、そうなると自分の身の回りのことを充実させ満足するしかない。国家としては完成形の様な気もしますが、それが絶望の国の正体だと言われるとなんだか複雑な気持ちになります。

     著者は最後に一人一人が生きられるなら日本が終わってしまってもいい、と書いています。ただそれは日本というインフラを過小評価しているような、また日本というインフラなんかなくても生きていける、と自分たちを過剰評価しているような気もします。

     ただ自分が臆病なだけかもしれませんが、自分も含めた1億人以上の人が日本というインフラを頼って生きている以上、絶望の国に簡単に絶望できない気がします。かといって何か行動ができるかと言うと、その手段は非常に限られているわけで結局は徐々に沈んでいく日本を見ていることしかできないような気もしますが…

  • 気鋭の「若者」社会学者による「若者」論。
    本書によれば、こちとらとっくに「おじさん」カテゴリーに分類される側だけど。
    古今の「若者」論をフラットな視点で追いながら、
    今時の「若者」らしい“熱くなさ”(何じゃそりゃ)で論じる。
    現象としての「若者」の生き様分析は、ひとまずわかった。
    さて、バブルな「おじさん」達はいずれいなくなる。
    君たちが「おじさん」になった時、社会との関わりは?生き様は?

    代表イコン=俳優:佐藤健くんが
    「命をかけた明治維新より、今の社会で、
    千葉で友達と一泊二日で旅行に行き、バーベキューをする幸せを選ぶ」
    という「絶望の国で幸福に生きる」感覚が、
    将来「おじさん」になった健くんでも変わらず続くのか。

    例えば、子供を産み・育てるには大いに、
    いやほとんど「自分のこと」の我慢が必要だが、
    我慢というのは外から見た感覚で、
    当事者にしてみれば我慢どころか無償の喜びを感じさせてくれる、
    これ以上ないような幸福だ。
    本書は、そこまでは踏み込まず、
    結婚できない理由や子供を作らない理由を仕事を、
    まるでひと事のように、そうしづらい「社会」のせいにし、
    「何も変わらない」と政治には興味を持たず、
    ハンディな幸せで満足する事が
    「絶望の国で幸福に生きる」あり方だとする。

    かと言って孤独かと言えば、友達は大事にするし、
    社会に無関心かと言えば、ボランティアには積極的だ。
    みんないい子たちだなあ、と
    バーベキュー好きだけど、それだけじゃ物足りない
    現役の「おじさん」としては思ったり。
    まあ高度成長期やバブル期の生き方が
    果たして人間的に幸せだったか?と言われれば怪しいもんだけど。
    苦労と引き換えでしか手に入らない幸せ(子育て等)や、
    スマホなどの便利ツールで満たされる楽しさとは別種の楽しさもある、
    って事も是非実感して、
    バーベキューもあるけど子育てもしやすい、
    いい社会を形成する原動力になって欲しいものだ。
    「おじさん」も手伝うぜ。
    え?上司が飲みに誘うみたいな、余計なお世話しないで欲しいって?
    「おじさん」絶望Orz

  • 私も今が幸せで、確かにそれは将来に対して希望がないからだなと、すごく納得した。いや、なくはないんだけれど...。
    あとは昔から、毎日つまんねーって言う人達に対して、少なくとも自分よりは幸せな環境にいた彼らに、ふざけるなと思っていたけど、何でか分かった。将来に希望を持っているからそんなことが言えるんだろ、という妬みだったんだ。

  • 同い年のイケメン社会学者、古市センセイ渾身の一冊を読み終えた。
    僕も筆者のいうような、国の将来に何か希望を抱いているわけでも無いけどほぼ毎日を楽しく幸せに生きている若者の一人であると思う。が、本の中でこんな世の中でも幸せを感じる理由としている、「将来が今より良くならないと思っているからこそ、今に満足し幸せを感じられるのだ」という分析は、僕が幸せを感じている理由とちょっと違う気がした。

    国が絶望的なのかどうかは、自分でどうこうできるレベルではないのであまり情報も追っておらず正直なところよくわからない。2030年代には消費欲旺盛な団塊の世代がいなくなり、「ひきこもり」や「ニート」が若者問題ではなく高齢者問題になる、という本書の記述を読んで初めて驚いたくらいだ。

    幸せを感じる理由としては、この情報化社会が発達したおかげで新しいことや面白いと感じることをいくらでも自分自身に体験させられるからであるように思う。またそうすることによって、環境は変わらずとも自分自身が変わっていくことが特に楽しい。不幸だと感じるのは、コミュニティからの承認が得られなくなるときでは無く、時間が全く取れなくなり何も変化させられなくなるときではないだろうか。(たまにそうなってしまうので極力避けたい)

    と、何か反論するような感想を書いてしまったが、筆者もあとがきで、研究者として「自分」と「自分のまわり」の世界を明るしていくことは楽しい。と書いているので、何か僕が変な読み取り方をしたのかもしれない。僕も日本を変えるような努力はできないけれど、自分を含めた手の届く範囲を変化させる努力は続けたいように思う。その結果、幸せになれれば満足だ。

  • 『絶望の国の幸福な若者たち』古市憲寿を読んで。

    『物語』からの自由。

    補助線:『ハウルの動く城』
    この映画は主人公ソフィーの2度の人生を描いている。

    1度目:彼女は年をとりました。終わり。めでたしめでたし。
    魔女に魔法をかけられて年をとったというのは比喩で、
    物語のない人生を送ったという表現。
    ※2011年9月『絶望の国の幸福な若者たち』古市憲寿の論点

    2度目:ソフィーはハウルその他との物語(家族)をつくった。
    ※2004年11月『希望格差社会』山田昌弘の論点

    『希望格差社会』は未来に期待(しすぎている)人の絶望を書き、
    『絶望の国の幸福な若者たち』は未来に期待していない人の(今の​)幸せを論じている。

    わずか7年でこんなに変わるんだという感想。

  • テレビで見る古市さんの本が読みたかった。どれから読んでいいか分からかったけど、とりあえずこれから読んでみました。
    実は、このタイトルだけはよく目にしていましたが、著者と古市さんが一致していなかったです。

    読んだ第一印象は、テレビのイメージと違ってかなり分かりやすく書いてあり、きちんと研究もされている人だとうけました。
    テレビのイメージだと研究者というイメージではないんですけどね。
    自分のイメージは、若いコメンテーターというイメージでした。
    しかし、かなりの本を読み、フィールドワークもしていたり、プロフィールを読むと珍しい経験をしているのが分かり、苦労や経験が顔や態度に出ないタイプの人なんだと印象が変わりました。

    読後感もいろいろ考えさせられるいい本でした。
    もちろん、社会学の用語も出ているので、分からなかった用語を調べるだけで、勉強にもなります。
    きちんとやっていたりするのに、年上にはちゃんとやれみたいな印象を持たれていたり、年下には、うまいことやってるな、みたいな印象を持たれていそうな古市さんがみてとれました。
    厚さのわりには、スルスル読めました。

  • 私は20代の若者である。私は正直、私の世代を幸せであると思うことができない。それは上の年代の人達が決めた政策で過ごし、その政策が失敗だったとわかった途端何故かその中で育った私達が攻められたり、就職難という未来に希望を持ちにくい中で生活を送ったりしているからだ。そのため、この書のタイトルを初めて見たときは驚いた。しかし、読み進めていくうちに「なるほど」と苦笑いをしつつ理解ができた。

    この書は「若者論」として、若者について多方面から論じておりとても良くできていると思う。そのなかでもやはり「幸せな若者」の正体がおもしろかった。「将来に希望を持てないからこそ、今を幸せと感じている」という指摘に思わず納得してしまった。また、20-30歳の人だけではなく国民が若者化しているという視点も非常に興味深かった。

    また、補章として載っている俳優の佐藤健との対談もおもしろかった。というのも、著者が投げかけた質問に対する佐藤健の答えが本書で描かれていた若者の回答や行動と重なる点が非常に多かった為である。この書の前置きにもあるように、この中で語られているのはあくまで一つの若者像ではあるが、佐藤の回答との一致は単なる偶然ではなくこの書が今の若者像を良くとらえているという一つの強い論拠なっているのではないだろうか。

    個人的には今の自分が置かれている立場を客観的に見ることが出来たこともあり最期まで面白く読み進めることができた。

  • 1985年生まれ、東大大学院の若手社会学研究者の作者。数々の過去の文献や統計資料を持ち出して、バッサバッサとあくまでも冷たくぶった斬りながら、この絶望の国日本の若者は、言われてるほど可哀想でもないし、不安はあるけど結構幸福なんですよと結論づけている。その皮肉まみれの語りっぷりが新鮮でかなり面白く読んだ。ふむふむなるほどねと興味深かったのに、読み終わったら、握ってきたはずの何がが手の中からするすると抜け落ちて、何も掴めてないような、そんな感じ。結局、同じ若者と言っても彼は勝ち組なのかな?という印象。

  • <絶望の国の幸福な若者たち> 2013年5月14日 
     
    ・日本の若者が不遇な状況に置かれているのにいっこうに立ち上がらない理由は、日本の若者は幸せだから
    ・ 現代の若者の生活満足度や幸福度は、ここ40年間の中で1番高いことが、様々な調査から明らかになっている
    ・ 2012年:20代の若者のうち「社会志向」なのは55%、「個人志向」なのは36.1%であった
    ・ 2011年:日頃、社会の一員として、何か社会のために役に立ちたいと思っているか?という社会貢献意識では、20代の若者の実に59.4%が社会のために役に立ちたいと思っている
    ・ ボランティア活動に参加する20代の数は1970年代からほぼ横ばいになっている
    ・ 社会志向の若者は増えているし、社会に貢献したいと考えている若者も増えているにも関わらず、実際に社会貢献活動に参加している若者は増えていない
    ・ 政治に関心がある若者は増えているにも関わらず、投票率は低下している
    ・ 不況だ、格差だと叫ばれている近代の方が、バブル時代よりもよっぽどみんな留学している
    ・ 若者は決してものを買わなくなった訳ではなく、買うものとそのスケールが変わっただけの話
    ・ 過剰な消費や拡大を目指さない、サステイナブル消費の若者達
    ・ 10年前から若者の分母が2割も減少すれば、消費は落ち込んだように見える
    ・ いつの間にか消費者を踊らせるはずだったマーケターや広告会社たちが、かつて自分たちの作り出したフィクションに踊らされている、という皮肉な構図が「若者がモノを買わない」論の真相である。
    ・ 「かわいそうな若者」の例として、非正規雇用、低賃金で働くワーキングプア、どんどん厳しくなる就活戦線、現代版ホームレスともいえるネットカフェ難民が取り上げられている
    ・ 半数以上の若者が自分のことを幸福だと感じながら、同時に不安だとも思っている
    ・ 若者達にとって友人や仲間の存在感が増して来ている
    ・ 世代間格差に怒り、その是正を訴えるのは40歳前後の「おじさん」が多い

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絶望の国の幸福な若者たちの作品紹介

格差社会のもと、その「不幸」が報じられる若者たち。だが、二〇一〇年の時点で二〇代男子の六五・九%、二〇代女子の七五・二%が現在の生活に「満足」している!これまでの若者論を覆す、「幸せ」を感じている若者の正体を徹底的に取材した最注目の若き社会学者が満を持して立ち上げる、まったく新しい「若者論」。佐藤健(俳優)との特別対談も収録。

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