ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)

著者 :
  • 講談社
4.09
  • (73)
  • (103)
  • (35)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 636
感想 : 109
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062171120

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 在特会を追いかけたルポ。実際にメンバーに取材をしている点は評価できる。
    著者は、節々でメンバーの心理を推察している。しかし、感想でしかないので、たんたんと事実だけを記録したほうがよかった。

    在特会の成長のはいけには、カリスマ的リーダー、国内にいる「敵」への攻撃、人々の心の隙間、集団性など、
    ナチスと同じ集団心理の原理が働いている。

    これはナチスだけでなくカルト集団などにも起こる再現性のある現象である。集団心理やナチスドイツの歴史などを勉強してから、書いて欲しかった。

    Kindle saleで購入。

  • 彼らの活動については全く知らなかったが、少し攻撃対象と表現方法を変えると、あの人たちの言っていることと同じだなぁ...と思って読んだ。最後に著者も同じことを。なるほど。闇は私たちの中にある。

  • ネトウヨの意味をこの本で知った。
    ちょっとやるせない気持ちになり、読み続けることができなかった。

  • Interesting book to learn new-type terrorism in Japan

  • 在特会という名前だけは知っていたが、具体的な活動内容は知らなかった。
    こんなひどいことをしていると知って怒りを覚えた。
    と同時に、自分の中にも潜んでいる似た感情にも気づき、愕然。
    ネットで流れているデマがこんなにあったとは。
    そしてそれを鵜呑みにしていた自分。

    この本は、一人でも多くの人に読んでほしい。
    そして、少しでも早く意味のない差別がなくなってほしい。

  • 在特会が攻撃目標にしている教育機関に勤めている知人がいたこともあり、その名前だけは随分前から知っていた。動画も見た。どんな過激な主張であれ、言論の自由は一応認める立場ではある。但、市民運動と言うなら目標が伴わなければならない。著者は彼等の理念、行動には全面的に反対する立場ながらも、その置かれた状況には一定の理解を示しているように見えるが、私的には閉塞感・孤立感から逃れる為に、群れ且つ攻撃対象を見付け発散するという行為には一片の理解も共感も見い出せない。身を捨てる覚悟がないから攻撃対象を掏り替えるしかない。

  • 『在特会』なんて知らなかったし、
    『ネトウヨ』の意味も最近初めて知った。
    でも、ネット上に溢れる過激なコメント
    の数々が気になって読んでみた。

    プロローグからガッツリ引き込まれた。
    『なぜ?』という深い疑問から始まった筆者の取材は、
    エピローグにおいて『在特会的なるもの』を
    己の中にも見て終わる。
    そして、読者である自分の中にも、
    『在特会的なるもの』が少なからず
    潜んでいることを知った。
    筆者が結論づけているように、
    『在特会とは、あなたの隣人』なのである。

    ネット社会、格差社会、
    反エリート主義、社会的排除、
    スケープゴート、マイノリティ、
    無縁社会、擬似家族、承認欲求、
    カタルシス、ルサンチマン・・・
    さまざまな心理や社会背景が
    複雑に絡まり合って
    在特会は産み落とされた。
    描かれているのは在特会の闇ではなく、
    日本社会の闇のような気がした。

  • 読み応えがあって、ぐいぐい引き込まれ、考えさせられる本だった。
    丹念な取材をもとに、『在特会』を丁寧に追ったルポ。まず、よくまあこういう人たちを1年半も追いかけたな、と。時に罵声を浴びながらも、感情的になることなく丁寧な取材を続けた安田浩一氏の辛抱強さには頭がさがる。安田氏は、単純に「知りたかっただけだ」と言う。「理解でも同情でもなく、ただ、在特会に吸い寄せられる者の姿を知りたかったのだ」と。
    会員ひとりひとりや、関わってきた人たちへのインタビューから見えてくる在特会とは。
    http://yamachanblog.under.moo.jp/?eid=466

  • 元々は全く興味のなかったテーマ。
    「凄いから」と勧められるがまま読んだ。

    感想は、「確かに凄かった」。

    そこそこネットに触れる機会がある人間にとって「●●は在日の仕業」とか「犯人は在日」とか、2chやヤフコメ、Fb、Twitterなどで繰り返し在日朝鮮人を中心に人種差別的な発言をする輩がいることは知られている。

    でもその中心にこのサブタイトルにある「在特会」という「市民団体」があるとは知らなかった。(全てが彼らによるものではないが)

    そして、彼らがどういう人間で、何故そのような行動をとるのかについてのルポルタージュ作品が本書である。

    私はこの本を読んで、作者のエピローグと同じ感覚を持った。
    私の勝手な言葉で書けば、彼らは、特殊だけど特別ではなく、もしかしたら自分も彼らのようになっていたかもしれないし、隣人は彼らのような人たちかもしれない、ということ。

    彼らを生み出しているものは何なのか、安直に考えれば所得格差や無縁社会ということになるだろうが、そればかりではないようにも思えた。

    私も筆者同様、彼らの考え方や行動には微塵も賛同できないが、彼らのような存在は何かの必然性をもって生まれていると感じた。それが何なのか、かつての彼らのような存在は今どうなのかをもっと知りたくなった。

    学生運動や全共闘世代についても。

  • 2012年この一冊、みたいなサイトで紹介されていたので興味を持った。
    在特会という名前だけは聞いたことがあったけど、どんな団体かは知らなかったので中々興味深かった。会を通じて団結し擬似家族を形成する姿に羨望を覚える気持ちは少し分かる。

全109件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1964年生まれ。産湯は伊東温泉(静岡県)。週刊誌記者を経てノンフィクションライターに。『ネットと愛国』(講談社+α文庫)で講談社ノンフィクション賞、「ルポ 外国人『隷属』労働者」(月刊「G2」記事)で大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞。『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『ヘイトスピーチ』(文春新書)、『学校では教えてくれない差別と排除の話』(皓星社) 、『「右翼」の戦後史』(講談社現代新書)、 『団地と移民』(KADOKAWA)、『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日文庫)他、著書多数。
取材の合間にひとっ風呂、が基本動作。お気に入りは炭酸泉。

「2021年 『戦争とバスタオル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安田浩一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×