- Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062171274
感想・レビュー・書評
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上巻では、パーソナルコンピュータ成立の過程を一連の歴史としてドラマティックに記述していたが、下巻では一転し、アップルへ復帰した後の数々の成功事例と、その裏で起きていたガンとの戦いとを中心に記述されている。
上巻から下巻まで一貫して述べられていることは、白と黒、最高に素晴らしいものかクソかに二分するジョブズの気質であり、極端なまでの完璧主義であり、また社会通念よりも自分の考えを優先する(しかもそれを直そうとしない)頑固な性格であり、それゆえの(大企業であるにも関わらず)非常に些細なことにも口を出すCEOの姿である。
これは一般的には非常に嫌なタイプの上司である。しかし、このような気質を持っていたからこそ、1000のことにNoを突き付け物事の本質を抽出できたのであり、全てを自分で管理するクローズド戦略を徹底できたのであり、クローズド戦略を堅持したからこそ瀕死の状態から1998年に起死回生のiMacを発表し(この時の衝撃は今でも鮮明に覚えている)、デジタルハブ構想を得てiTunes、iPod、iPhone、iPadへと続く一連のサクセスストーリを導き出せたのであろう。
下巻では特にアップルのクローズド戦略とマイクロソフトやグーグルのオープン戦略が対比されているが、両者はどちらか一方しか残らないのではなく、併存するものであるという合理的な論理が展開されている。
今後、iPhoneやiPadに関して、MacOS7の時のようにiOSが他社にライセンス提供されることがないように祈りたい。また、MacとPCの関係と同様、iPhoneとAndroid機がうまく併存してほしい。
最後に、このような異質な性格を本性とするジョブズであったにも関わらず、妻のローリーンがその一生を支えきったことはすばらしいと思う。
これまでジョブズに関する書籍は推測で書かれたものが多かったが、この本は上下巻とも事実に基づいており、記載内容も非常に深く、大変貴重であると思う -
2023年度【国際学部】入学前知トラ「課題図書」推薦作品
OPAC(附属図書館蔵書検索)リンク
https://opac.lib.hiroshima-cu.ac.jp/opac/volume/308782?locale=ja&target=l -
上巻を読んで、絶対にジョブズの下で働きたくないと感想を書いたが、訂正する。彼と働けば人生を変える経験ができると思う。
下巻は特にiPod, iPhone等を中心に書かれていて、自分がこれまで体験してきた製品の開発の話は感動した。自分の全てをかけて最高のモノを作るということが非常に羨ましい。
間違いなく今年読んだ中で一番面白かった本。apple製品を使ったことのある人すべてに読んで欲しい。絶対に後悔はしない -
「歴史のページにまだ書かれていないことを読み取るのが僕らの仕事なんだ。」
いつの時代も天才は孤独だけど、
カリスマゆえの魅力が溢れる人だったんだと、
知ることができた。
まさに歴史の1ページを作った彼がいる時代に
自分が生きれていることを誇らしげに思う。 -
読み応えあり。iPhone、iPadの開発のところ掘り下げてほしかったけど死の間際まで詳しく書いてあったので新鮮でした。
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久しぶりの星5!とにかく面白いし学べる。オープンとクローズドの話はどちらが正解か難しいと感じた。技術だけでは、大きくならずアートな部分のこだわりがあったからそこアップル唯一無二となったと感じる。
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どちらかと言えば、後半は成功のストーリーなので、第1巻に比べると面白さは若干薄いが、それでも我が道を行くジョブスの個性は強烈に印象に残る。ジョブスの作り上げたものを愛しんできた私としては、その背景にある彼の信念・美学を知ることができて良かった。誰にも真似ができないやり方でイノベーションを起こした、そういう人だった。
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前編に続き、死に際しても自分の愛するものと向き合い完璧を求める姿に心を打たれた。