- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062172813
作品紹介・あらすじ
早稲田大学の等々力教授は専門の言語学だけでなく、推理力でも超人的。大正11年、ノーベル賞受賞決定直後に来日したアインシュタイン博士の愛用するバイオリンが盗まれた。限られたチャンスに大胆不敵な犯行を成し遂げた真犯人と、その意外な狙いとは。大正から昭和初期の実在人物が続々登場。3つの事件の謎を追い、大学教授師弟が帝都トーキョーを駆けめぐる。乱歩賞作家が軽妙に描くレトロモダン推理小説。
感想・レビュー・書評
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「早稲田学報」のための回想録を頼まれた、井上健吉。
彼らのねらいは、若かりし井上が助手を務めた、等々力教授の冒険譚だった。
連作中編集。
タイトル通り、等々力教授の天才的な解決っぷりを楽しむ作品。
専門の語学はもちろん、探偵らしく、幅広く雑学があって、たのしかった。
アインシュタイン博士、幣原喜重郎、柳屋金語楼。
実在した人物や建物をふんだんに取り込んでいて、最後のインタビューで後日談がわかる仕組み。
歴史的な雑学としても、おもしろかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(収録作品)秋の日のヴィオロンの溜息/蛙の水口/ジャズと落語とワン公と
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早稲田大学教授・等々力教授の天才的推理を助手の井上君が振り返る回顧録風短編集。実際の出来事も混ぜられて書かれているらしいから詳しく知っていればもっと楽しめそうだが…結構楽しめたが、なんだかはっきりしない感じで不完全燃焼。表紙イラストの一番目立つ人、主人公じゃないよね…?
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昭和初期の有名人とか大事件の影にあったアレコレのおはなし。ミステリー感はあまりないかな。難しいこと考えずに、面白いー♪って思えるので、移動中とか、仕事終わりの寝る前とかにさらっと読むのに良いと思います。
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自分の中では文句なく傑作だった「月と詐欺師」
の作者なので多少贔屓目になってますw。
3編の短編からなるミステリですが、舞台は
大正、そして主人公は早稲田大学の言語教授
という設定。趣味でやってるという探偵でも
その冴えを見せ、各所で名を轟かせるという
ちょっとしたホームズぶり。そのワトソン役
の助手、井上氏の回想録という形で綴られます。
その依頼人はアインシュタイン、幣原喜重郎、
そして柳家金語楼と実在した人物たちが登場し
バラエティに富んだ依頼内容。この辺りは
読んでいても食いつきはよいですよね。
更にはあの忠犬ハチ公まで登場w。
やり過ぎ感もありますが、いい役回りで
花を添えています。
確かに等々力教授のホームズっぷりは
凄いのですが、あまりに飄々としすぎで
ミステリ的には日常の謎の延長という感じで
醍醐味は少々物足りないですかね...。
シリーズものにするなら、もう少し
個性の強いキャラも必要...かな。
でも、サクっと楽しめて少し知識も
身に付く作品。 -
「代官山の周辺は雑木林」って、いい時代
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2012/10/16
復路 -
〈内容〉乱歩賞作家が軽妙に描く近代日本ミステリー。来日したアインシュタイン博士愛用のバイオリンが盗まれ、早稲田大学の探偵教授が事件に挑む。大正から昭和初期の実在人物が続々登場するレトロモダン推理小説。