人生オークション

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著者 : 原田ひ香
  • 講談社 (2011年10月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062172875

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人生オークションの感想・レビュー・書評

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    不倫の果てに刃傷沙汰に及んでしまい、謹慎中のりり子叔母さん。就職が決まらずアルバイトをする私は、気分転換にと、一人暮らしを始めた叔母の様子を見に行くことに。そこで目にしたのは、トラック一台分はある、大量のダンボール。処分に困った二人はそんな「お荷物な過去」をせっせとオークションにかけてゆくが…。“欲しいもの”を手放していく叔母と、“欲しいものが欲しい”私。世代も生き方も異なる二人を鮮やかに描く、ちょっとしたご縁のハナシ。
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    示談にこそなったが、不倫の果てに相手の妻を刺して逮捕されたりり子叔母さんは、親族のもてあまし者となり、元夫が送りつけてきた大量の荷物に埋もれるようにして、無気力にただそこにいた。就活に失敗し、アルバイトだけでぶらぶらしている瑞希に白羽の矢が立ち、りり子叔母さんの様子を見に行く役目を押しつけられた。段ボールの山の中には、ほとんど使っていないブランド品もたくさんあり、瑞希は渋るりり子を説得してオークションに出してみることにしたのだった。予想以上の高値がついたり、梱包して発送したり、オークション特有の言葉遣いに違和感を覚えたりしながら、荷物は少しずつ減り、口座の残高は少しずつ増え、それなりに愉しむようにもなっていった。初めはりり子を敬遠していた瑞希だったが、事件の真実や、りり子の胸の裡を知るにつれ、義務感だけではない気持ちが芽生えてくるのだった。自分のことは、解っているようで解っていない。なにが足りなくて、なにが過剰なのか、ほんとうはどうしたいのか、などなど、人間というものの不思議を考えさせられる一冊でもある。

  • 『東京ロンダリング』の著者の最新刊。『群像』に掲載された2編。
    表題作は、離婚して引っ越をしたばかりの叔母の持ち物をネットオークションにかける、大学卒業後も就職をしないでいる姪の瑞希の周辺を描いたもの。エキセントリックにも思える叔母のりり子だが、魅力的。世の常識と自分の感覚にギャップがありすぎて就職しなかった瑞希の感性もまっとうなものに思える。

    別の一編はめがね選びが天職の大谷美子と、投稿ハガキのマニア輝男との交際がテーマ。諱(いみな)がキーワード。

    人の生き方はかくあるべきという常識から一歩退いてものごとを見る作家らしい作品。

  • 原田ひ香さんの設定にはいつも驚かされる。
    でも、その設定に甘んじることなく、淡々と、しかし考えさせられながら物語は進む。
    不倫した叔母は、人生なめてたのか?やり直しはきくのか。
    瑞稀のこれからの人生は。まだ誰にもわからない。
    ハガキ職人で生きていく男の愛のかたちは、女性に受け入れられないのか。ヒモということになっちゃうのか。
    色々な人の、色々な人生をしみじみ味わいながら読ませていただきました。
    オークションのことも、ハガキ職人と業界のことも、リアル。映像化されてもいいのではないかと思います。ヤフオクのスポンサーで。どうでしょう?

  • 「人生オークション」と「あめよび」の2編。
    片づけ本を読んだ直後だからか、「人生オークション」のほうは、「もう迷うことはない、全部売ってしまいなさい」と言いそうになってしまったわ(笑)。
    あたしなら、売る手間を考えたら面倒になるので、何も考えず捨てちゃいそうだけどね。
    しかし、ブランドバッグって中古だろうが、いつの時代も人気があるのか。ふむふむ。
    あたしの使っていないブランドバッグは、売るというより姪っ子にあげるってことになりそうだな。って貰ってくれるのか!?
    「あめよび」いい人だと思うけど、意見や考え方が違うとうまくいかなくなるよね。いくら話し合っても合致するところがないんだもん。
    うまくいかない→執着しない→次へ進む
    といきたいもんだ。

  • 2016.10.25読了。

    表題作他一編で構成されており、いずれも「何が自分にとって大切かは人それぞれ」ということをまざまざと考えさせられる。
    自分には何も欲しいと思えるものがない、と空っぽなアルバイターと、欲しくて欲しくてたまらないものがあるアルバイター。
    一見まるで反対のように見えるのに、誰かに愛されたいという思いは同じだ。

    読むほどに誰かに寄り添って欲しくなる一冊。

  • 表題作「人生オークション」不倫の末、傷害事件を起こした叔母りりこと、就職難でバイト生活を送る瑞希は、単身生活を始めたりりこの不用品を、オークションで売ることにした。

    ポップな装丁からは想像し難い、かなり考えさせられるいい話でした。
    異端な二人が、生きにくい世の中で少しずつ再生していく様子を、サラリと読みやすくまとめられた感じ。
    好きですね、この感じ。
    著者の本に外れなしです。

    もう一つの短編「あめよび」は、かなり切ない。
    ゴリちゃんには、もっとしっかりして欲しかったけど、仕方なかったのかな~

  • 20160826
    2日ほどですぐ読み終わった。
    人生オークションと、あめよび。
    どちらもおもしろかった。
    良いめがねを作ろうと思った。

  • 何とも言えない話が2つ。

  • 何もできない人だけど周りの人が助けてくれオークションとかに出してくれるので断捨離できたというような・・・こういう人が周りにいなくてよかったと心底思う。

  • 人生オークション、おもしろい。
    もう一つのお話は、結婚がどういうものか考えさせられる。人生観によって、向いてない人もいるのがよく分る。

  • (2014/12/8読了)
    原田ひ香作品3作目です。評価はどれも同じくらいですね。この作品は、おまけで4。
    2話収録。主人公はどちらも30近い女性です。
    二人ともとても真面目で、嘘は付けない、生きるのが上手ではないので、すごく可愛く感じました。物語の中なのに、やきもき心配しました。
    こういう女性には、幸せになって欲しいと思います。
    内容紹介は「人生オークション」のものです。どちらかと言ったら、私は「あめよび」をお勧めしたいと思います。
    変わることのなかった長い春の末の呆気ない別れと再会。。。この、再会が最後にぐっと来ます。

    (内容)
    不倫の果てに刃傷沙汰に及んでしまい、謹慎中のりり子叔母さん。就職が決まらずアルバイトをする私は、気分転換にと、一人暮らしを始めた叔母の様子を見に行くことに。そこで目にしたのは、トラック一台分はある、大量のダンボール。処分に困った二人はそんな「お荷物な過去」をせっせとオークションにかけてゆくが…。“欲しいもの”を手放していく叔母と、“欲しいものが欲しい”私。世代も生き方も異なる二人を鮮やかに描く、ちょっとしたご縁のハナシ。

    (目次)
    人生オークション/あめよび

  • 主人公の叔母の心の断捨離本という感じでした。不倫、傷害事件で家庭を失った叔母のりり子、収入もなくなり一人暮らしも始めたが家賃さえ払えない。そんなときに、姪の瑞樹が山のようなりり子のバッグや靴をネットオークションで売ってしまうことを思いつく。ネットオークションの作業をするうちに「生きていかねばならない」というのをだんだん分かり始めるりり子。身軽になったりり子。これからは不要な物や人間関係をため込まず生きていけるだろう。

  • 人生オークション・・・ちょっと前向きになれるかも知んない作品。。

    あめよび・・・ゴリみたいな男っているなあ。二人くらい知ってます。ww
    結婚はしたくないけど、このままズルズル付き合いたいっていう優しさをちょっとはき違えてる?って男。。
    最後にあれだけこだわっていた名前をアッサリ教えてくれたゴリ。。ありがとう、お前が俺の最後のオンナ~みたいな気持だったんだろか。色々考えさせられる一作。。

  • 原田ひ香さん初読み。

    淡々と物語は進んでいくけれど、ところどころハッとすることもあり。

    読みやすかった。

  • 表題作よりも「あめよび」の方が良かった。
    切ない。

  • 二作入り。
    叔母さんが傷害罪で逮捕歴あり、それが原因で離婚して(というより自分が不倫相手だった)一人暮らしを始めるけどにほどきを全然しないし引きこもってるから様子を見てこいと母に言われ、叔母さんの家を訪ねる女の子。就職できないまま卒業し、ドーナツやさんでバイト中。叔母さんの家の荷物は買い集めたブランド品が多く、オークションで売りさばくことを提案、物は売れ、叔母さんも少しずつ元気を取り戻していく。結局叔母さんは人を刺していないとわかるが、誰も信用してくれないからと叔母さんも進んで話そうとしない。あることがきっかけで何となく和解して、主人公も父親とちゃんと就職することについて話をして終わり。面白かった。就職できないまま卒業ってところがぐさっときたり。先の展開がどうなるんだろうなあってとにかく気になった。「誰も信じてくれないなら、話しても話さなくても同じじゃない?」ってところは色々考えさせられた気がする?けどそこまで深くも考えなかった。もっと人生経験積んでから考えよう。

    もう一作が結婚に煮えきらない男と結婚したい女のはなし。諱(いみな)を持つ男に、諱を教えるか、結婚するか、どっちかにしてくれって悶々としてたんだけど、働いている眼鏡やに来たお客さんが眼が見えなくなる前に家族になにかしてやりたいって言ってるの聞いて、こういうことなんだなあって思って思いきって話し合いの末男と別れる。後日再開したときにはもう主人公は結婚してて子供もお腹にいて、それを知った男がっかり。別れ際に突然諱を教えてくれたり。男ってなんやねんって気持ちになったしよくわかるし女もどうしようもないなってことがわかった。でもやっぱり、冷静に先を考えちゃうの。未来が見えないのは嫌なの。まあそれも結局相手がよくて、経験つめば、条件とかそれだけでは駄目だしどうにかなるときはなるってことはわかるんだけどねー!

  • 表題作と「あめよび」の2編収録。表題作は人生に迷っている若者に読んでほしい一作だなぁ。表題作と「あめよび」ともに白石さんが出てくるけど、関係性はあるのか?「あめよび」は最後のオチがなんとも言えなく切ない!遅いっつーの!諱って今もあるとこにはあるのかな?2012/034

  • 不倫で傷害罪で起訴された叔母と就職浪人の姪っ子の2人が、住居の一部屋を占拠するぐらいに買いだめたブランドもの他の不用品をヤフオクで売りまくる表題作と

    深夜ラジオの葉書職人と老舗メガネ屋の販売員のカップルが向き合う諱(いみな)を巡る人生の違いを描いた「あめよび」の2作を収録

    2作を収録した作品。

    表題作もなかなか痛快でオモロいが、「あめよび」のせつなさがなんとも心に沁みる。幸せ感を共有できることって、それ自体が実に幸せな事で、共有できないすれ違いが生じだした時、強引にそこを合わせるよう自分の幸せをガマンしたり、相手に強要することは、お互いの幸せをすり減らして、不幸を育てるために肥料を与えるようなものなんやなと思った。

  • 原田マハさんの本と間違えて読んだ。
    間違いにすぐ気がついて愕然としたけど、面白かったのでよし!

    叔母さんが買いためていたバッグや服、食器などがそれぞれ異なった動きを見せながらオークションで売れていくのが、興味深かった。
    ものが売れてなくなっていくにつれて、いろいろなものに囚われていた心が少しずつ開放されるのでしょう。

    あめよびは、「諱」がなんだったのか、最後まで分からなくてそのことばっかり気になってしまった。メガネ屋さんの描写がとてもいいので、そこを舞台にした話を読みたいくらい。

  • 原田ひ香さん、初読み!よかった!余韻の残る2作。読みやすく、好きな感じ。もっといろいろ読んでみたいかも~~!!!

  • 傷害罪に問われ、アパートに1人で暮らす伯母の溢れんばかりの荷物をオークションにかけていく表題作、眼鏡屋店員の美子とラジオへのハガキ書きのゴリちゃんとの恋を描く「あめよび」を収録。後者は地方に伝わる諱(いみな)をテーマにしたもの

  • 生きるのがちょっと苦手な人たちが出てくるお話。

    就活の自己分析の憂鬱さとか、すごくわかる。
    私も一度戦線離脱したものwww

    生きるのが下手だからといって、生きるのをやめる理由にはならないもの。不器用なりにマイペースで進めばいいと思う。
    そうそう思えるような、読んだ後ちょっと心が暖かくなるようなお話でした。

  • 92本当はやっていないのに。傷害罪扱い。被害届け

    119体調を崩す社会人生活

    この本も、色んな事を復習させてくれた。
    どうもありがとう。

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人生オークションの作品紹介

不倫の果てに刃傷沙汰に及んでしまい、謹慎中のりり子叔母さん。就職が決まらずアルバイトをする私は、気分転換にと、一人暮らしを始めた叔母の様子を見に行くことに。そこで目にしたのは、トラック一台分はある、大量のダンボール。処分に困った二人はそんな「お荷物な過去」をせっせとオークションにかけてゆくが…。"欲しいもの"を手放していく叔母と、"欲しいものが欲しい"私。世代も生き方も異なる二人を鮮やかに描く、ちょっとしたご縁のハナシ。

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