ルーズヴェルト・ゲーム

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著者 : 池井戸潤
  • 講談社 (2012年2月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173766

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ルーズヴェルト・ゲームの感想・レビュー・書評

  • 2014.9.6 再読

    2年前に読んでいたけれど、おもしろかった!という感想を持っているくらいで、かなり曖昧になっていた。
    スカッとするとても好きな話だったと思うのだけど、詳細を忘れてしまっていた。

    で、TVを観ていると覚えているところもありつつ、「えっ、こんなエピソードあったっけ?」となり、再読。

    やはり、TVはかなり盛り沢山な脚本になってましたねぇ。
    小説の方は、これでも十分メリハリも効いて、ハラハラドキドキ、そして最後にスカッとしてほんとにおもしろいんですけど、TVとなると1話1話に大きな山場がもっと必要なのね。キャラクター造詣も白黒が強調されていたし・・・。

    経営危機の中で会社の存亡をかけて、自社の進むべき道を見出そうともがく、青島製作所社長、細川。
    会長の青島が創部した野球部も経営再建に向けてコストダウンが叫ばれる中、存続が危うくなっている。

    細川はプレッシャーの中で決断を迫られながらも、会社の置かれている状況を的確に把握しようと努め、安易な妥協を許さない。また苦しい時間を過ごす中で、自社製品の開発や営業に携わる部下たちの苦労や努力を知るにつけ、自らの考え方にも変化が出てくる。鋭利なコンサル的企業経営者からものづくりに関わるすべての人の情熱を認めることの出来るよりたくましいリーダーへと成長していく。

    野球を愛するプレーヤーだけでなく、野球部を応援する人、野球に励まされる人多くの人たちを巻き込んだ野球部の逆転劇が青島製作所のそれと同時に展開されていく。

    自社の利だけを求めて経営統合を迫るミツワ電器社長が、裏で糸を引いて青島製作所の臨時株主総会を開催させる。会長青島が経営統合しない理由を問われて答える言葉の中に
    「ビジネスは、人間関係と同じです。相手を尊重する気持ちのないところに、真の友情は育たない。」(P370)

    池井戸さんの小説を読む多くの読者が、
    ああこんな人のもとで働きたい
    自分もこのように誠意を持って、自分にできる精一杯の仕事で相手の期待に報いたい
    互いを信頼し支えあいながら、知恵と工夫を寄せ合って解決策を提案したい
    と願うのではないか。

    長時間過ごす職場だからこそ、給料を貰えさえすればいいなどと割り切るのも、少々辛い。
    人に大切にされ、人を大切にする仕事場。
    経営強化の一環として使われるビジネス用語の『コミュニケーション』ではなく、もともと人が持っている基本的な欲求として人間関係が保たれる職場を求めているのでしょう。

    この話はフィクションだからね、などとあきらめないでおこうと思う。1対1の関係の延長線上に必ず心の奥がほっと熱くなる人の集まりが存在する。

    また、池井戸さんに励まされて本を閉じた。

  • 半沢ブームに乗っかって、前から気になっていた作品を読了。
    「倍返しだ!」とはいきませんが、変わらずの池井戸テイストです。

    舞台は企業野球チームを持つ中堅電子部品会社。

    リーマンショックに端を発した景気悪化により、客先の減産や競合会社との価格勝負で徐々に追い込まれていく青島製作所。

    業績悪化で資金繰りが厳しくなる中、巻き返すことはできるのか、
    野球部の存続はどうなるのか・・・。

    自分の会社も同じように企業チームを持った製造業。
    リーマンショック後には同様に厳しい話があったのを思い出します。
    こういう企業チームって数字では表せないものを持ってるんですよね。

    ストーリーは明快かつ爽快。
    清清しい人はとことん清清しく、曲がった人は最後まで曲がって、ぎゃふん。
    それぞれに信念があり、良くも悪くもこれがビジネスマンだなぁ。

    かのルーズヴェルトが野球で一番面白いのは8対7の試合だと言ったことから付いた、「ルーズヴェルト・ゲーム」。

    7対0からの逆転劇。楽しませていただきました!

  • 野球でも池井戸潤。スカットさせてくれます。青島製作所の社会人野球チームと青島製作所自身の経営問題、合併問題が並行して描かれています。池井戸さんの作品なので銀行も出てくるけど、珍しく非常に少な目。今回、敵は銀行ではなくミツワ電気。野球の場面ばかりではないのですが、青島製作所自身も企業合併に対するルースヴェルトゲームを戦います。又「企業は誰のものなのか」という事も臨時株主総会の場面で考えさせられました。最後は意外な事に、、、

  • 中堅メーカー・青島製作所と大手ミツワ電器と企業が出てきて、何となく「下町ロケット」を思い出しラストが読めるが、青島製作所野球部も登場してきて面白さ倍増だった。
    しかし、最初は、肩書きの社長、専務、部長や選手等、登場人物が多すぎて、途中までこの人は、どちらの企業だっけ?と悩むも忘れる程引き込まれた。
    野球好きな自分にとって、手に取るように楽しめたし、「やったね!」凄い凄いと野球に反感もっていた者も夢中にさせてくれる程、一緒になって応援していた♪本当に面白かった~。

  •  7対8のルーズヴェルト・ゲーム。
    流れが行ったり来たりすることが多そうな試合です。

     野球部はコストか?野球が特に好きでもない人にとっては、
    午前中で仕事を切り上げて練習に打ち込む社員に対して
    良い印象は抱きにくいかもしれません。

     利益以外の価値をいくつか持っている方が楽しそうだけど、
    社員の解雇にまで踏み切らざるを得ない時には判断が難しそうです。

     城戸志眞さんかっこよかった。

     著者の作品は(全部読んだわけじゃないけど)、ラストが
    希望が持てるので途中どうなるか分からないところもあるけど
    安心して楽しめます。
     

  •  企業+野球。青島製作所という、一企業を舞台に、経営者が、野球部が、必死に戦う。そんなん、かっこいいに決まってる。はまるに決まってる。
     野球の試合だけじゃなくて、会社経営のなかでも危機に陥り、7対0くらい負けがこんでるところであわやの大逆転。さすがは、池井戸作品。すったもんだありながらも、主人公は必ずハッピーになる、このスタンスは崩れなかった。読んでて、スカッとした。
      今回も、 Human is money. いっぱい勉強させてもらいました!!

     余談ですが、個人的には、沖原くんが泣くところ、3回とも、すごいかわいいなって思った。

  • 現在、ドラマも放送中の作品。ドラマより先に読了。
    経営を立て直そうと躍起になる細川社長始め青島製作所の様々な社員たち。そして並行して野球部の奮闘する姿が描かれる。
    社会人野球は、私にとってはあまり馴染みがない存在。その意義を初めて知った。あくまでその会社の広告塔であり、企業イメージの向上には繋がるけど、勝ったから直接会社の利益になる、というわけではない、ということ。
    池井戸さんの作品は、そこまで沢山読んだ訳ではないけど、今回の作品は新鮮に感じた。お馴染みの企業小説ではあるんだけど、何といっても野球部の存在がホントに魅力的。ビジネス小説特有の堅苦しさを、良い意味で払拭している。お約束のライバル会社等との経営闘争がジリジリと繰り広げられる中、この野球部の一喜一憂する姿がストレートに心に響く。
    番頭的存在の笹井専務を筆頭に、リストラ計画の一部として野球部が廃部に追い込まれていくんだけど、後半の野球部の一人一人の頑張りによって、徐々に社員たちも一丸となっていく。良いな、と思った。同じ方向を向いてみんなで声を出しながら応援したら、絶対に団結力は高まる。ちょうど、W杯シーズンに日本が一つになるように。
    そして、登場人物がやたら多いのもお約束。社長、専務、総務部部長、野球部ピッチャー、ライバル会社社長、野球部マネージャー、青島製作所の株主・・・など、語り手も多く、正直途中で「この人誰だっけ?」となる時も。最初のページに、登場人物の簡単な説明を入れるのは池井戸さんの作品ではNGなのだろうか。思っている人は沢山いると思う。

    この先はドラマを見ている人はネタバレなので読まないでください。
    ドラマは、半澤直樹にも出ていた方々も多数出演。前回は半澤にこてんぱんにやられた人たちも、ここでかなりの好感度UPに繋がった人たちもいるだろう。大道監督も、悪役のような顔をしているが、今回はすごくカッコいい。
    しかし、何と言っても笹井専務役の江口洋介が良い。社歴の浅い細川が社長になり、内心細川に反撥心を感じている。途中、対立して裏切ることになるのでは・・・と、笹井専務の動向をはらはらしながら見守っていたが、そんな心配は無く、寧ろ終盤の彼の言葉は、この作品の中で一番涙を誘うシーンとも言える程。
    今後は原作との違いを楽しみながらドラマを観よう。

  • ルーズヴェルト・ゲームって何?と思いつつ読み始めたら、その謎はすぐに解けました。
    アメリカ大統領のフランクリン・ ルーズヴェルトは野球好きで知られていたらしい。
    その彼が一番面白いと言ったのが8対7の試合。
    それをルーズヴェルトゲームと言う。
    「青島製作所」と「野球部」はまさに8対7で9回裏を迎えたような状況にあった。
    その状況で、青島製作所と野球部は・・・

  • 題名からして、作者池井戸潤からして、どんな艱難辛苦があろうと、どんなに逆境であろうと、最後は約束どおりの結末と、解っているけれど、読みすすめるほどに熱くなる。そして読み終わった後の爽快感。池井戸潤はやめられない。池井戸中毒といったら言いすぎだろうか。

  • おもしろかったー!
    こんな風に一気に読んだ小説は久しぶり。

    企業経営と野球部。
    1人1人の登場人物、こういう景気の中での経営、統合話、野球部はコストか?…
    リアリティもあったし、ドラマティックで映像が目に浮かびました。
    野球の話と経営の話の切替、繋がりも見事。


    心に残る言葉・台詞もたくさんありました。

    池井戸作品をもっと読みたい!

  • いや~ 面白かったな。
    私の読書タイムは、通勤や仕事での電車の移動時間なんですが、
    池井戸さんのこのような本があったら、電車に乗っている時間は全く苦にならないな。(夢中になって、乗り過ごさないように気をつけなくちゃ)

    じり貧の社会人野球部の立て直しが前面の主題ではあるけれど、池井戸さんの作品なので、中堅企業に勤める男たちの誇りや意地、そして企業の生き残りのための攻防が、芯となる主題であり、期待を裏切らない。

    従業員に対し会社は何を与えることができるのか、
    従業員は給料のほかに何かの思いを会社に抱けるのか

    これまでの作品と同様に、非情冷徹な奴らも出てくるが、
    ありがちな悪役かと思われた人物に、会社に対する熱い思いを
    秘めさせる池井戸さんの、人物造型も巧い。

    野球部立て直しの物語と見ると、大道監督の描き方などに多少の物足りなさはあるけれど、企業小説として満足。

    池井戸さんの本に共通する、読後のそう快感はたまりません。
    一気読みでした。

  • 中堅企業の社会人野球部を舞台にした物語。
    爽快な読後感は池井戸さんならでは。確かに面白い。
    でも最近この展開もちょっと飽きてきた。最後のオチもなんとなく予想がついてしまうし。
    「空飛ぶタイヤ」以降メーカーを舞台にした話が多いけど、また銀行を舞台にした重厚な作品を読んでみたいなとも思う・・・。

  • 社会人野球の話と、会社の復活劇が交わって、緊張感が半端なかった。長いし、景気とか会社とかメーカーの事情とか(あと野球)が少しわかると楽に読めるし、かなり楽しめる。

  • 読後感すっきり!
    池井戸ワールドに、企業内の“コスト”として存続が危ぶまれる野球部のお話が加わって、全力で青島製作所を応援しながら読んでいた。試合のシーンなどは手に汗にぎってしまうほど。
    ルーズヴェルトゲームとは、野球の試合は7対8がいちばんおもしろい、とルーズヴェルトが言ったという逸話から。
    野球の試合だけでなく、青島製作所の業績もまさにルーズヴェルトゲームで最後まではらはらし通しだったけれど、つねにどこか爽やかな読み心地だったのは、やはり野球が描かれているからかも。

  • 野球の話は良い!企業再生と野球部の関係がリアルで、そのあと起こっていくことも無理がないというか、現実的で、読んでいてドキドキしました。企業努力が危機的状況を変えていく。なんでも楽してうまく行くことなんてない。そういうメッセージが好きです。
    野球はルーズヴェルト・ゲームが面白い。野球ファンとして納得です。
    池井戸さんの作品は、人の感情の描写がいいなと思います。登場人物の表情が目に浮かんでくる。特に、動揺した時の目。目は口ほどに物を言うというのをものすごく感じます。

  • ようやく読むことができました!廃部寸前の社会人野球部の話が中心なのかと思っていましたが、実はとある経営難に苦しむ中小企業の危機そして再生の話が中心で、そこに野球部の話が絡むという内容です。
    キラッと輝く技術力の強み、そして、野球部を通して社員が一丸となる社風の大事さなど池井戸潤の作品はどれも中小企業の底力がメッセージとして本当にうまく描かれていますね。
    そんな等身大の話についつい同じ社会人として魅了されます。
    また、正反対の社風のライバル企業など、本当に嫌らしい悪役を絶妙に配置することで主人公に感情移入してしまうんですよね。
    本当に面白い作品でした。

  • 夜寝る前にと軽い気持ちで読み始めたら、終るまで眠れなくなるほど面白かった。社会人野球をとりまくリアリティとひと癖ふたくせもある登場人物も最高に魅力的でした

  • いつもながらテンポがよく、みんなハッピーになって終わる。読んだ後の爽快感が良い。
    下町ロケットよりも面白かった。

  • 池井戸潤さんの作品は、企業物でも私にとっては読みやすいので、何作か読んでいます。
    今は。大企業とて安心して居られる時代ではないので、
    中小企業の厳しさが感じられました。
    でも、池井戸さんの作品は人情があるので救われます。
    今回の話も、リストラ対象だった野球部が存続できたのでホッとしました。
    人脈、大切ですね。

  • リストラを余儀なくされる会社と野球部、例え窮地に立たされようと、逆転のチャンスは必ずやってくるー野球ってほんとに、ドラマチックな題材だと思うわ~

  • ある企業とその野球部が主人公。不況の
    影響で業績不振に陥り会社存亡の危機の中、打開策を探る経営陣、起死回生の新商品を開発しようとする技術者、聖域なきリストラ策が進められるなか、廃部の危機に直面した野球部。彼らが奇跡の逆転劇を目指し奮闘する姿が非常に読みやすく展開していきます。
    社会人野球についてもよく取材されていて野球好きにも楽しめる作品です。
    ラストも「諦めずに努力を続ければ報われる」という「空飛ぶタイヤ」と同じような池井戸流のハッピーエンドでした。

  • 池井戸さんは文系の元銀行員だけど、開発をメインの話を書いてくれるので、技術屋としては大変嬉しいです。まあ、実際にはなかなか難しいんですがねえ・・・
    あと、この話は堂場さんのスポーツ小説と被るところあるが、それも好きです。
    イチオシです。

  • 勧善懲悪池井戸作品。
    企業経営と社会人野球が舞台。
    売上が全てではない、社員が幸せであることも重要だ。
    そんな風に考えている経営者は果たして何割くらいいるのだろう。

  • 会社経営の立て直し、企業の抱える野球部のあり方、その野球部の立て直しを描いた作品。
    面白かった~。野球好きの私には堪えられないstory。
    スピーディに話が展開し、一気に読み終わった。
    実際にはこんな上手くいくことはないと思いながらも、最後には爽快感が残った。

  • アメリカの経済危機のあおりを受けて経営難に陥った青島製作所。伝統ある野球部もいまや弱小チームとなり、コスト削減のために廃部の危機に瀕している。
    絶体絶命の中小企業と野球チームは、どのように戦っていくのか。
    池井戸潤の作品、ということで、だいたいこうなるだろうな、という結末は見えていて、枝葉はともかくとして大筋はまあその通りに進むのだけれど、時代劇の面白さや安心感と通じるというか、「こうなるだろう」とわかっている物語であってもこの人の本は読ませるなぁ、と思う。
    そして必ず登場する「一見地味だけどぐっとくる男気あるオトコ」のかっこよさがまた、いいんだよなぁ。
    誠実にがんばっている人たちへの応援歌的一冊だ。

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ルーズヴェルト・ゲームの作品紹介

「一番おもしろい試合は、8対7だ」野球を愛したルーズヴェルト大統領は、そう語った。監督に見捨てられ、主力選手をも失ったかつての名門、青島製作所野球部。創部以来の危機に、野球部長の三上が招いたのは、挫折を経験したひとりの男だった。一方、社長に抜擢されて間もない細川は、折しもの不況に立ち向かうため、聖域なきリストラを命じる。廃部か存続か。繁栄か衰退か。人生を賭した男達の戦いがここに始まる。

ルーズヴェルト・ゲームのKindle版

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