秋田さんの卵

著者 :
  • 講談社
2.63
  • (1)
  • (4)
  • (14)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 84
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174268

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 入院中の俊二が気になっているのは、病院内でも有名になっている今時珍しい付添婦の秋田さんのことだった。

    余命わずかのナツメ氏の付添をしている秋田さんだが、彼を看取って引退するという噂もあるなかで
    病院という毎日が同じことの積み重ねをしているうちに、日々が同じピースで組み合さっていく退屈な日常に埋もれながら
    秋田さんのことを気遣う人生の中での特殊なとき。

    看護師とか病院関係者がむやみやたらに薬を持ち帰って服用しているとか、
    病院で働いている友達がまったく同じことをしているからわろたw

    死んでしまったかつての友人が流れ着いた思い入れのある島に行こうと、バツ2でアル中の売れない作家の加藤と、離婚の危機にいる飯島の話、
    ボギー、愛しているかは、男って、めんどくせえ~って感いっぱいだった。

    男女って難しいよね。
    毎日を生きていくって、難しいよね)^o^(

  • 淡々としていてなんかいい
    かるーく読め、なにか感じさせてくれる作品。

    秋田さんのいい人過ぎ無い様や意外な情を持っている様がいい。

    一生懸命タバコの空き箱で細工を作っている様子が浮かんできて
    ちょっとせつなくもあった。

  • 付き添い婦と長期入院患者の「病院内」という特殊な人間関係を淡々と描いた表題作のほか、理由は分からないが妻のいる自宅に帰ることができなくなった男が古い友人と昔亡くなった友人を偲んで旅に出る中篇が収められている。
    いずれの編にも、どこか物悲しいような、虚しいような空気が流れている。

  • 『ボギー、愛しているか』と『秋田さんの卵』の2編。
    『ボギー、愛しているか』は自宅に帰りたくない夫の話。ええー、少し前にも『我が家の問題』でそんな内容を読んだばかりなのに…それほど帰宅したくない男って多いのか? うちもだったら!? と考えると恐ろしいわ。そうでないことを祈る。
    男ふたりで中学時代の友人ボギーの命日にW島へ行こうと言う。男の友情ってこんな感じ?
    『秋田さんの卵』は病院での出来事。入院してるってこんな感じなんだろうね。狭い空間であれこれ制限されると人の噂話で盛り上がりそう。
    表紙のイラストが印象的で可愛い。

著者プロフィール

いとう・たかみ
1971年兵庫県生まれ。1995年、早稲田大学在学中に「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」で第32回文藝賞を受賞し作家デビュー。2000年『ミカ!』で、小学館児童出版文化賞、’06年『ぎぶそん』で坪田譲治文学賞受賞、「八月の路上に捨てる」で芥川賞受賞。主な作品に『ドライブイン蒲生』『誰かと暮らすということ』『 そのころ、白旗アパートでは』『秋田さんの卵』『ゆずこの形見』『あなたの空洞』など。

「2016年 『歌姫メイの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊藤たかみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×