築地ファントムホテル

著者 :
  • 講談社
2.88
  • (0)
  • (8)
  • (14)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 68
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175005

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 明治5年の銀座大火で、日本初の西洋式ホテル「築地ホテル」が焼失した。イギリス人写真家、フェリックス・ベアトは、その焼け跡から発見された刺殺死体の謎を追う。乱歩賞作家渾身のミステリー快作。

    実在した「築地ホテル」や現存する増上寺にいずれも明治初期に実際に起こった火災を取り上げ、そこに殺人事件の謎を絡ませ、明治維新直後の政界の争いも盛り込んだ、いささか欲張りな、というか重厚な作品。読み応えは十分だったけれど、途中で何となくオチが予測できてしまった。
    (B)

  • 評価に迷ったけど、主な登場人物が爽やかだったので甘めの☆4.
    中盤の展開は良く出来ていて、キャラも変に擦れてなくて気持ち良い。

    難点は、伏線と回収が弱い気がするし、なにかと関連付けがちょっと緩いと思えた。例えば、冒頭の火災の件。真犯人が燃やしたホテルの46号室と、銀座大火(史実)の両立が、偶然の上にしか成り立たない出来事という側面があると思うし、金鯱の件で東次郎の中で起きた怒りがどう現れたのかも、なんだかあやふやな感じ。最終的にはサザランドの怪我について、真犯人との関連が説明なし。
    でも、ミステリーってどうしてもこういう矛盾な疵がでて仕方ないのかもって思えて、目くじら立てる事も無いって気持ちになった。
    作品のから受けるイメージが屈託ないと思えるからかな。

著者プロフィール

1958年東京都生まれ。2000年「影踏み鬼」で第22回小説推理新人賞を受賞し、デビュー。01年「奈落闇恋乃道行」で第54回日本推理作家協会賞(短編部門)候補となる。08年『誘拐児』で第54回江戸川乱歩賞受賞。14年「墓石の呼ぶ声」で第67回日本推理作家協会賞(短編部門)候補に。17年『真犯人』で第19回大藪春彦賞候補になり、18年にWOWOWで連続ドラマ化。他の著書に『人さらい』『左遷捜査 法の壁』『左遷捜査2 迷宮入り事件』『冤罪犯』など多数。

「2022年 『時効犯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

翔田寛の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×