海賊とよばれた男 下

著者 :
  • 講談社
4.30
  • (1783)
  • (1257)
  • (474)
  • (78)
  • (19)
本棚登録 : 9565
感想 : 1095
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175654

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人間を信頼するという考え方を広めていくことこそ、日本人の世界的使命と言っていますー信念を貫くって凄いが、そもそも信念があるのか自問。人はどこかで辛くても何かやり遂げることが必要で、その経験が生きる礎になるのだ。
    後半もイランから石油を運ぶ日章丸事件、その後の徳山コンビナート建設と、次々にヤマ場がやってきて手に汗を握りつつ読み進めやっと読み終わった。ぁ〜楽しかった!

  • 涙が止まらない。むせび泣いて元気が出る本。

  • 国岡鐵造の根底にあるのは徹底した人間尊重と愛国心。いや、愛国心どころではなく世界愛である。曲がったことには断固立ち向かい、正しいと思う己れの信念を貫く姿勢は明治から昭和初期の日本男子かサムライだ。

    このような剛毅な男子を見なくなって久しい。強いものにはあがらわず、長いものには巻かれる日本人。草食系男子といった情けない称号を与えられ、息を潜めるように生きる日本男子。嘆かわしい。

    そもそも、日本企業が人間尊重とは無縁のリストラと資産の切り売りと海外生産で生き残りをかけるといった経営に走ったのが間違い。その結果が派遣や請負など、非正規雇用という名の奴隷を生み出し、日本を衰退させている。

    昨年、東日本大震災という大きな試練を与えられた日本が、復興、復活するためには、国岡のような男子の登場が必要なのだろう。

    今の世で、如何に生きるべきかを日本人に知らしめる傑作だと思う。

  • T図書館
    群を抜いて面白かった
    これだけわかりやすい細密描写の執筆は素晴らしい

    濃厚な国岡の95年の人生
    国岡の人生に休むという文字はなかったのかと言わんばかりの動きようだった

    アメリカはやっぱり日本を植民地のような位置付けで見ていたのかと、日米のやり取りでわかった
    タンク争奪戦では様々な思惑が見られた所がわくわくし、そのタンクの融資額の4000万には鳥肌ものだった
    製油所の建設では、アメリカに飛んで1000万ドル(36億)の融資に成功させ、その建設が10ヶ月で完成させるという神業を成し遂げた

    何といってもイランへ行った話が1番面白い
    映画では見られなかった水面下の動きがいくつもあった
    まず米英日に秘密裏に動かなくてはいけない
    交渉もこぎつけるまで難航
    イランとの国交が回復しておらず、第三国経由でやっと入国し、イランのモサデク首相の交渉も数ヶ月かかった
    レンタル予定の日南丸は政府からの圧力で借りられず、結局日章丸を使うことになり、銀行からLCという信用状を出せなく奥の手を使う
    契約後2ヶ月で買い付けしてくれとイランからの申し出に足早に出港
    暗号電で正式にアバダン行きを皆に伝え、いよいよ難関のホルムズ海峡
    水深が非常に浅く難しい場所を満潮を待って抜けられた
    英は軍用機を飛ばし偵察
    インド洋には大戦で使われた浮遊機雷が残っていていたり、海図にはない浅瀬の珊瑚や海底火山があり危険だらけ
    之字航行改めでたらめ航行、海図が頭に入っているからこそできる
    それでジャンク船という厄介なものがあった
    陸上では裁判は避けられない状態に、早々に敏腕弁護士の計らいで、なんと仮処分申請を却下する運びとなった
    幾度となく困難を乗り越え、日本に良質で安く原油を運んだ国岡商店の皆さんは文句なく英雄でしょう
    そして1週間後に2回目の出港したというからガッツがある
    戦後苦しかった日本が立ち直れたのは、国岡氏はじめ、頑張ってくれた方々のおかげなのだとわからせてくれた
    本当によい話だった

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/59750

  • 素晴らしい人と巡り会えた気分。令和の今でも石油ストーブで暖まっていますよ

  • 小説というより伝記といった感じ。

  •  出光「人間革命」完( ´ ▽ ` )ノ

     前巻同様、テンプレすぎるテンプレ人間描写に失笑( ´ ▽ ` )ノ
     鐵造が奇をてらった鶴の一声、側近驚愕、奇跡の結果に一同感動、「この人についててよかった」……こういう展開がいったい何度くり返されることか( ´ ▽ ` )ノ
     出光社員はみんな、鐵造という人間に判断能力を完全譲渡してるんだね( ´ ▽ ` )ノ
     自分のアタマではものごとを一切考えず、ただただ店主(=天主)に褒められることだけ願って駆けずり回ってる犬みたい( ´ ▽ ` )ノ
     まあ、そういうマジメ人間が戦後日本の復興の礎になった(と作者は言いたい)んだろうけど、こんなタイプがカルトや詐欺商法のいいカモにもなるわけだ( ´ ▽ ` )ノ

     近代石油史の面白さで読ませはするけれど、とにかく全キャラクターに違和感やまず( ´ ▽ ` )ノ
     善玉と悪玉、まるで水戸黄門のようにくっきりと分かれる単純さ( ´ ▽ ` )ノ
     出光側へのヨイショが極端で、ここまでくるとむしろ褒め殺しか?、とさえ思えてくる( ´ ▽ ` )ノ
     都合の悪いこと、相当隠してるんだろうな( ´ ▽ ` )ノ
     10ヶ月で建設した精油所なんて、どれだけ手抜き工事したんだろう( ´ ▽ ` )ノ
     もしくは、下請けをいじめたか( ´ ▽ ` )ノ
     日田さんって、ぼけてらしたのか、弱みを握られてらしたのか、何だったのか?( ´ ▽ ` )ノ
     無茶な融資を決済する銀行員もそうだけど、本書で大金が動くたびに「何かウラがある」と考えるのが普通だよね( ´ ▽ ` )ノ

     まあ、本書を称賛してるオトナの読者は、すべてそういうこと承知の上なんだろうけど( ´ ▽ ` )ノ
    「理念」はたしかに立派( ´ ▽ ` )ノ
     でも、自分は啓蒙されたくて「小説」を読むんじゃない( ´ ▽ ` )ノ
     どうせこういう戦後史を描くのなら、もっと多層的な「人間群像」を構築してほしかった( ´ ▽ ` )ノ
     善と悪のグレーゾーン、心の襞の奥・陰影、アンビバレンス、そういう心理をえぐり出すのが小説・文学だと思うんだけどなあ( ´ ▽ ` )ノ
     本書はまあ、一種のビジネス書、校長先生の訓話みたいなものなのかね( ´ ▽ ` )ノ

    2018/09/02

     
     
     

  • 上巻に引き続いて読んだが、上巻のようなスピード感(というのか?)がなかった。
    上巻は戦後すぐまで。
    下巻は戦後。
    やはり明治~戦争までの激動感はなくてしかたないかな。

    とくにイランとのくだりはながくて、これが見せ場なんだろうが、間延びしているようにも思えた。 

    時間軸も最初とちがい、下巻ではあっという間に過ぎている感じだった。
     
    映画がどのように描かれているか見てみたい。


    この本での興味もったこと

    石油のいろいろ…これはいうまでもないね。
    ロシアとの関係、歴史…最後にチラッとロシアがでてきて、やはりロシアに興味ある。 
    自動車のしくみ、揮発油との関係。
    戦後日本の復興のみちのり。

  • 日章丸事件がモデル。
    胸熱な日本人がここにいたのか、、、

全1095件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

百田尚樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×