猫除け 古道具屋 皆塵堂

著者 :
  • 講談社
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175784

作品紹介・あらすじ

故郷の田畑を失った庄三郎は失意のまま江戸に赴き、神社で寝泊まりをしていた。ある晩、女が藁人形に五寸釘を打ち付けているのを見て、恨みから自分も丑の刻参りをしようと考え、道具一式を皆塵堂で買う。だが、その古道具屋に集まるのはあいも変わらず「曰く品」ばかり。呪いは本当に効くのだろうか。

感想・レビュー・書評

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  • 不幸な事が続けて起こり、あてもなく江戸を彷徨っていた主人公が、ある日皆塵堂という古くて汚い古道具屋に出会い居候させてもらう。曰く付きの古道具が多く持ち込まれる皆塵堂。古道具に付いた様々な事情を暴いていくストーリー。
    読みやすくてキャラクターも魅力的。幽霊が見えるという設定だから、謎解きというよりも語り重視で純粋に物語が楽しめた。全体のコミカルさに反して、意外と心霊描写がグロかったりするギャップも面白い。主人公が皆塵堂で過ごす間に徐々に生きる希望を取り戻していく姿も良かった。
    どうやらシリーズ2作目のようで…他のも是非読みたい!

  • このシリーズの二作品目だと知らずに読んだけど、シリーズの途中から読んでも平気だった。
    江戸時代の道具についての興味が湧いてしまった…
    あやかしとか妖怪とか、怖くて読めない小説もあるけど、これは大丈夫だった!

    このシリーズだけでも7冊あるみたいだから他のも読んでみたいなぁ。 皆塵堂じゃなく銀杏屋という古道具屋の太一郎が気になってしまった………

  • 裏切られ故郷の田畑を失った庄三郎は、
    失意のまま江戸に赴き、神社で寝泊まりをしていた。
    死ぬこともできずさすらう中
    ある晩、女が藁人形に五寸釘を打ち付けて
    いるのを見かけてしまう。
    恨みから自分も丑の刻参りをしようと考え、
    道具一式を皆塵堂で買うが…
    小道具屋・皆塵堂シリーズ第二弾。
    「丑の刻参りの女」「曰く品の始末の仕方」
    「憑いてくるのは」「頭の潰れたふたつの屍体」
    「猫除け根付」収録。

    「ちょっと笑えてちょっと怖い」と紹介されて
    いたのですが、そんなに笑えないというか
    (太一郎と巳之助あたりがほっこり要員ですが)
    それ以外は結構怖いような…
    一作目の皆塵堂が気に入ったので早速二作目を。
    前作で太一郎もめでたく家に戻ったし
    どうするのかな…と思ったのですが
    こういう形のシリーズなんだ~と
    興味深く読みました。

    鰻屋の意趣返しといい太一郎が随分と
    たくましく頼もしくなって…(笑)
    道具屋の若旦那として立派になってました。
    全体的にテーマは「因果応報」でしょうか。

    今回も庄三郎は最後に皆塵堂を出ていくから
    主要人物と舞台が共通のシリーズなんですかね…
    次も楽しみです。

  • 古道具屋皆塵堂のシリーズ2作目。
    表紙のちょっと怖いけれど、ちょっとかわいいにゃんこたちが以前から気になっていたのです。

    皆塵堂が引き取るいわくつき古道具にまつわる連作短編が5編収録されています。
    今回は、おなじみの面々に加えて、騙されて故郷に居場所がなくなり、失意のうちに江戸をさまようことになった庄三郎が皆塵堂に居候することになります。
    新顔が加わった皆塵堂ですが、相変らず店主が引き取る品は曰く付き。
    恨みや怨念がらみの事件からは逃れられないようです…

    前作で皆塵堂で修業をしていた太一郎も、実家の銀杏屋の跡取りとして立派に店を切り盛りしています。
    太一郎は、この世のものではないものが視えることを隠すことをしなくなったせいか、さっぱりとした様子。
    頼れる若旦那になっていました。
    そのほかの登場人物たちも相変わらずで、1作目より親近感を持って楽しめました。
    もし続刊が出るのであれば、ぜひ読みたいです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「猫好きにはちょっとツライ描写も」
      そうなんだ、、、まぁタイトルが「猫除け」ですから。
      最近読んで気に入ってるのが「天才柳沢教授 タマとの生...
      「猫好きにはちょっとツライ描写も」
      そうなんだ、、、まぁタイトルが「猫除け」ですから。
      最近読んで気に入ってるのが「天才柳沢教授 タマとの生活」。マンガですが深いです(辛いと聞いて逃避?)
      2012/08/29
    • すずめさん
      nyancomaruさん、こんにちは☆
      「天才柳沢教授~」、はじめて知りました!
      今度、本屋さんで探してみます。
      nyancomaruさん、こんにちは☆
      「天才柳沢教授~」、はじめて知りました!
      今度、本屋さんで探してみます。
      2012/08/30
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「今度、本屋さんで探してみます」
      是非!
      「天才柳沢教授」のセレクション版で、猫が主人公の「タマとの生活」、孫の華子が主人公の「孫・華子との...
      「今度、本屋さんで探してみます」
      是非!
      「天才柳沢教授」のセレクション版で、猫が主人公の「タマとの生活」、孫の華子が主人公の「孫・華子との生活」は、とってもお薦めです!
      2012/09/03
  • 太一郎と鮪助が出るとうふっとなります

    みんなみんな人物が良くって、
    今回もよかったなあ〜
    それにしても辰には腹が煮えくり返ったなあ!

  • 今作でようやく、派手なストーリー展開ではないことで出てくる独特の味わいが分かったような気がする。前作では主人公だった太一郎も、銀杏屋の若旦那として成長した姿で再登場し、読者としては何だか安心感を覚えた。皆塵堂の主である伊平次さんも相変わらずのんびりした人で、こういった登場人物の醸し出す雰囲気がこの作品の強みなのかもしれないと思った。

  • 猫とついているから猫がメインの小説かと思ったら、猫除けが登場するだけで、猫は主役ではない。

    伯父にだまされていく当てがなくなっていたところを古道具屋に居候させてもらえることになる。

    大八車で死体を運ばされたり、怪奇談っぽい内容ではあるが、人の道を説いていくような話でもあった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「猫は主役ではない」
      そうなんだ、、、「猫除け」って道具?囲いみたいなモノかな(独り言です)。
      「猫は主役ではない」
      そうなんだ、、、「猫除け」って道具?囲いみたいなモノかな(独り言です)。
      2012/08/30
  • 猫除け 古道具屋 皆塵堂 ②

    (ねこよけ ふるどうぐや かいじんどう)

    2012年4月、講談社、
    ISBN 978-4-06-217578-4
    C0093¥1500E(0)

    2012/04/25. 第1刷発行
    著者:輪渡颯介(わたり そうすけ)
    発行所:株式会社講談社

    目次
    ・丑の刻参りの女
    ・曰く品の始末の仕方
    ・憑いているのは
    ・頭の潰れた2つの屍体
    ・猫よけ根付
    参考文献

    ※メモに皆塵堂シリーズの一覧あり

    -----------------------------------------------
    数ヶ月前に「読みたいです」と頼んでいたもの。
    1巻を読み 面白かったので、手近な5巻を読み、やっぱり順番通りのほうがよろしかろうと思い、待って、やっと開きました。
    その実、前に読んでいたものはほぼ忘却。
    読み進めながら、思い出していくかんじ。このサイトのメモが役に立った(^^;)

    それでも、今回も楽しめました。
    悪者はちゃんと悪者の役通りに憎まれて、なかなか粋な段取りで話が進む。

    お話はどれも描き下ろし。
    装画はトミイマサコさん
    参考文献には「呪い」「表装」「江戸の植物」「江戸時代の法律」など多岐に渡る。
    「頭の潰れたふたつの屍体」に出てくる「釣り忍」が分からなかったです。

    「しのぶ」と呼ばれるシダ類の植物を(今の苔玉)のように吊り下げて、涼を愛でるもの。風に揺れる緑の葉、風鈴を一緒に下げたり、舟形、井桁などの形が色々とあるようだ。
    釣り忍 ネットで画像検索したり、You Tubeでその作り方をみました。
    そして、やっと裏表紙に書かれた猫の飛びついている画を理解しました

  • いわくのある古道具を引き取る皆塵堂。
    またしても数々のエピソードが。

    今回は、幼い頃から貧しい百姓で、辛い目ばかりに会ってきた。最後のとどめは叔父と女房に騙されたことだった。

    人を恨む気持ちばかりで、皆人道に現れた庄三郎。
    だが、皆塵堂の店主、伊平次や、なんでもこなす小僧、棒手振りの巳之助、その親友で幽霊が見える太一郎らの助けで、心が癒されてゆく。

    5つの怪談がらみの事件も秀逸。

  • 2020.08.14.読了

    古道具屋皆塵堂 2冊目
    猫除け

    皆塵堂の1冊目を読んでからちょっと間が空いたので
    庄三郎の話から始まったので、
    この人は誰?と戸惑ったが
    新しい人だったのね。

    丑の刻参りの女
    曰く品の始末の仕方
    憑いているのは
    頭の潰れたふたつの屍体
    猫除け根付

    太一郎も好きだが、
    伊平次はいいね。

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著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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