定吉七番の復活

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 58
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062176392

作品紹介・あらすじ

「定吉七番」-大阪商工会議所秘密会所所属の情報部員、「殺人許可証を持つ丁稚」である。八つ接のハンチング、唐桟のお仕着せに前垂れかけて、愛用の包丁「富士見西行」を懐に、関西経済界の破壊を目論む悪の結社「NATTO」(汎関東主義秘密結社)に、再び挑む。日本中を熱狂させた伝説のシリーズが、四半世紀ぶりに復活。爆笑必至のスパイアクションコメディ。

感想・レビュー・書評

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  • 以前「小説現代」で第1話を立ち読みして,気にはなっていたのが単行本化されていた。話はむちゃくちゃでばかばかしいけど楽しい。

    二十数年前,大阪商工会議所秘密会所(OSK)は納豆カルト集団NATTOと抗争していた。当時スイスで氷河に落ちて氷漬けになったOSKの殺人丁稚「定吉七番」が回収され,解凍されることになる。

  • 二十数年前、アルプスのクレバスに落ち冷凍されていた殺人丁稚 定吉七番。解凍され蘇りNATTOと再び戦う。抱腹絶倒の007パロディがまさかの復活で驚喜!007のパロディからは外れてしまったが、時事・昭和・地方・アニメ・映画・ミリタリーなどネタが豊富で毒のあるネタもあり相変わらず笑わせてくれる。分る人にしか分らない限定ネタばかりで何のことか分らないネタもグタグタな展開もご愛敬。パワフルに突っ走るハチャメチャな面白さがある。面白いと思う人は限定的だろうが、ツボにはまると楽しすぎる。続編にも期待。

  • 定吉七番シリーズの続編。前作から四半世紀ぶりの復活。

    文字通り、大阪商工会議所秘密会所所属の情報部員、「殺人許可証を持つ丁稚」である定吉が、四半世紀ぶりに冷凍マンモス状態から現代に復活する。最初から最後までふざけた設定。人によっては途中で放り投げたくなるかもしれないが、私自身はこういうのも嫌いではない。恐らく、自分が、現在関西から離れて住む関西人だからカナ。ハチャメチャな設定、ストーリーの中にどこか懐かしい関西のノリが散りばめられ、子供の頃から慣れ親しんだ感覚が呼び起こされる。
    私はこのシリーズを初めて読むが、特に前作未読でも困ることはなかった。もちろん、シリーズ読者ならもっと楽しめたかもしれないが。次回の予告らしきものがあったが、また続きがありそう??次作があるなら、また読んでみたい。

    しかし、いくらパロディとは言え、モデルとなった著名人の扱い方が露骨で、正直このまま出して大丈夫なのかなと心配になった(苦笑)。まぁ、そこが面白いんですけど。

  • 東郷 隆の作品にこんなカテゴリーがあったなんてと言うのが、感想です。

  • 東郷隆と言えば今やすっかり時代小説の大家だが、東郷隆と言えばやっぱ「定吉七番」シリーズ。
    アルプスの山中で行方不明になった定吉七番が20年の沈黙を破ってついに復活!!
    著者の序文では元弁護士の市長の登場で大阪は…みたいな文言があったので「さては…」と思ったが、さにあらず。やはりOSKの敵はNATTOUなのだった。
    OSK対NATTOUという二者対決だけでなく三つ巴の戦いになって終盤は大混乱。
    最後には次回作の予告まであっての大サービス。

  • 殺人許可証を持つ丁稚「定吉七番」。
    このシリーズは子供のころ読んだことがあったが、当時は面白さがわからなかった。
    復刊かと思いきやこの本は新作で、二十数年前にアルプスに消えた定吉が氷の中から復活して現代に蘇るという話。
    話はハチャメチャ。でも笑える中にも真面目な蘊蓄がちりばめられていたりして妙な面白さがある。後半はどんどんカオスが加速してラストはもうどうでもよくなってくる感じだが、こんなのもありかな。

  • 25年ぶりの定吉七番の新作
    角川最終巻の太閤殿下の定吉七番は昭和63年であった
    往年のシリーズが復活すると往々にして作者の作風が違ってしまい失望することになるが、今回はその失望は少なかった
    博覧強記な(言い換えれば薀蓄だらけの)描写がもたらす無駄にリアルな感覚と荒唐無稽さが織りなすカオスさが定吉七番の魅力である
    起こっていることはグチャグチャでも一歩引いた所から語られる冷徹さは変わっていなかった
    惜しむらくは初期作品に見られるドライブ感にかける点か
    登場人物とエピソードが多すぎて散漫になっている

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著者プロフィール

東郷隆/横浜市生まれ。国学院大学卒。同大博物館学研究員、編集者を経て、作家に。詳細な時代考証に基づいた歴史小説を執筆し、その博学卓識ぶりはつとに有名。1990年『人造記』等で直木賞候補になり、93年『大砲松』で吉川英治文学新人賞、2004年『狙うて候 銃豪村田経芳の生涯』で新田次郎文学賞、12年『本朝甲冑奇談』で舟橋聖一賞を受賞。その他著書多数。

「2022年 『妖変未来記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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