やりたいことは二度寝だけ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1001
感想 : 139
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062177054

感想・レビュー・書評

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  • '21年9月20日、読了。図書館で借りた本、です。

    津村記久子さんは、この1~2ヶ月で、好きな作家さんになりましたが…このエッセイを読み終わって、いや、読みながら…本当に大好きな作家さんになりました。自分の本棚に置いて、チョクチョクめくっていたいなぁ、一日一編でいい、ずっと手元に置いて読み続けたいなぁ、と、思いました。

    沢山、たくさん好きなエッセイが並んでいて…「これも感想に書こう!あっ、これも!」と、読み進めていきましたが…僕が一番好きなのは、実は「あとがき」です。作家さんに、怒られそう(╥﹏╥)

    読んでいて意外に思ったのは…第一章と第二章が、僕には「ガラッと」印象が変わったように思えたことです。一章が「ユルユル」(失礼!)なのに、二章は割と普通のエッセイになったなぁ、なんて。

    この方、最初に勤めた会社で、壮絶なパワハラを受けていたらしく…その記事を読んで、心を痛めました。でも、本作の「この感じ」…僕はとっても、癒やされました。

    あと、本作の挿し絵?表紙も含めたイラストが、津村さんにソックリ!(表紙の津村さん、一体何をしている?ヨガ?ハハハ)で、これまた癒やされました。

    幸せな読書体験、でした。感謝(◡ ω ◡)

  • 小説ではなく、エッセイだった。そして、この、いや実際そうだとしてもこんなはっきり言っていいのか、というようなタイトルとやたら地味な装丁に、けっこうわたしは驚いていたんだけど、ものすごくおもしろかった、よかった、津村さん大好きだ。

    いろいろな話に、本当にすごく笑えた、こういうのこそわたしにとっては「爆笑エッセイ」だなと思った。さらに、しみじみもしたし、心慰められもしたし、元気もでた。
    わたしは昆虫や蝶なんてひとかけらも興味がないけれど、それなのに津村さんの蝶の話に引き込まれ、感動すらした。文章のなせるわざだと思う。

    今まで津村さんの小説をいろいろ読んできた者にとっては、あーほんとにポトスライム育ててるんだ、とか、お茶が好きなんだ、とかわかるのが楽しかったり、津村さんの心の持ちようや気分が、ああ小説の主人公に似ているとか思ってうれしかったり。意外と、ご自身が投影されているみたいだなーと思ったり。

    個人的には、悲観的でいつも最悪の状況を考えてしまうようなところに共感して、それでもいいのかも、とほっとした。
    なんだろう、地味な毎日を地味なままこつこつと生きていこう、というような気持ちにさせられし、もう、この本をつねにそばに置いて繰り返し読みたいと思った。

    読み終わったら、地味な装丁(失礼)の津村さんのぼーとした似顔絵が本当にかわいらしく思えてきて、たいへん気にいったのだった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      津村記久子って全然読んだコトのない作家さん。このエッセイは面白そうな感じだから、手始めに読んでみようかな、、、(また増えてしまった、アテにな...
      津村記久子って全然読んだコトのない作家さん。このエッセイは面白そうな感じだから、手始めに読んでみようかな、、、(また増えてしまった、アテにならない読んでみようかな)
      スルドイ方は、私が「二度寝」に反応しただけだと判ってるだろうなぁ~
      2012/06/26
    • niwatokoさん
      >nyancomaruさん
      津村さんの小説を読んでなくても、笑えるし、おもしろいと思います。ほんとに「やりたいことは二度寝だけ」っていう感...
      >nyancomaruさん
      津村さんの小説を読んでなくても、笑えるし、おもしろいと思います。ほんとに「やりたいことは二度寝だけ」っていう感じ?の、けっしてはりきってはない、そんな感じですが。
      もしエッセイが気に入ったら小説もおすすめです。
      2012/06/26
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「っていう感じ?の、けっしてはりきってはない」
      ゆるゆるの猫にはピッタリです、、、図書館に予約するか、文庫になるのを待つか悩み中。。。
      「っていう感じ?の、けっしてはりきってはない」
      ゆるゆるの猫にはピッタリです、、、図書館に予約するか、文庫になるのを待つか悩み中。。。
      2012/06/27
  • めちゃめちゃ好きです。
    メモをミシン目に沿って切り取る時の嬉しさとか、シールを貼るときの嬉しさとか。日常の些細な楽しみにとても共感。細々としたことを掬い取って繋ぎ合わせる人生って、別に悪くはないよなぁと思える一冊。

  • 最高でした。関西に住んでいるからこそわかるものがあります。妖精と鼻毛とチョウの話が最高でした。クスクス笑って読みました。これを出された頃アラサーでしたが、ここまでいろんなことを感じ取って面白くまとめられるなんて本当天才です。ほかの作品も読んでみたくなりました。

  • 文句なしに面白かった!
    「こんばば」って久しぶりに聞いたな。

  • エッセイ集。軽やかでほどよくこじれていて、やはり津村さんは好きだ。

  • 敬愛する津村先生の初エッセイ!相変わらずのユルさと地味さなのに、文章は秀逸で感情の枠にピタッと嵌まる気持ちよさ。ちなみに二度寝については書かれていないのでご注意を。

  • 非常に共感できる。親近感溢れる内容に♥。

  • もともと津村さん大好きなんですけどね。
    いやーエッセイも抜群に面白いじゃないですか。
    独りよがりとか内輪ネタ(編集部の誰それちゃんと飲みに行って盛り上がったよ、みたいな)になりがちな作家さんのエッセイの中にあって、しっかり読者の笑いを意識してくれてる。
    市井に生きるアラサー女子が毎日考えている、まあ言ってしまえば「しょうもないこと」。
    でもこれが面白いのです。
    こういう感覚は津村さんの昼の姿=一般会社員というもう片方のわらじのおかげなのかもしれない。
    ふつうの会社員はここまで日常を面白く書ける言葉を持たないけれど、一流の「言葉を持つ人」が描くとこうなるんだよなあ。
    ウケ狙いに偏りすぎてないのに笑える軽やかな文章も絶妙。

    そしてどこか人生に対する真摯な姿勢みたいなものがにじんでいて(それは津村さんの小説全般にも通じているんだけど)、キラキラでもピカピカでもない地味な毎日であっても、生きることのささやかな糧みたいなものはあちこちに転がってるんだよ、っていう気分になります。

  • 面白い 面白いだけだっら他にもたくさんあるが キチンと落ちがある でも落ちの部分は関西人のものではなくて 作家の落ちになってる
    あんまり良かったので ポストライムの舟も買ってしまった 経験上エッセイと小説が両方良い と云うのはあんまりなかったけど 読むのが楽しみと 少し不安

著者プロフィール

1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞。2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞など。他著作に『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ワーカーズ・ダイジェスト』『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。

「2023年 『うどん陣営の受難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

津村記久子の作品

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