海の見える街

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著者 : 畑野智美
  • 講談社 (2012年12月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178549

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海の見える街の感想・レビュー・書評

  • 初・「畑野智美」

    ダ・ヴィンチで紹介されていて、一目見て「読みたい!」と
    表紙に惚れて、検索したら図書館にあったよー♪
    うれしいーと速攻で予約しました♪

    「マメルリハ」「ハナビ」「金魚すくい」「肉食うさぎ」

    単純に純粋、青春ラブストーリーかと思っていたら
    ちょっとスパイスも効いていて、意外でした。
    どれもうるっときますが
    「金魚すくい」が。。。ねぇ…


    でも透明でキラキラ、瑞々しくって
    ハートフル胸キュン♪はたまらない。


    どうしても。。。
    本田君や春香ちゃんよりも

    日野さんと松田さんの方に魅かれてしまって。
    あの人が一番好きだっただけに
    「えぇー」って、びっくりしました。


    なんかね・・・先日読んだ綾崎さんの「初恋彗星」に
    構図が似ている。。。ので、こういうのが若手の流行なのかな?
    とも思った。
    読み慣れるまで疲れるところはあるような気がする。


    装画も装幀もキラキラで好き!

  • 何となくイイ感じのする小説。
    読後感がとても爽やかだ。 
    とりたてて大きな事件や出来事が起こるわけでもない。
    海の見える街の図書館に勤める四人の若い男女のありふれた日常を描いた物語。
    四人とも、人付き合いが苦手で、うまく友達を作ることができない。
    でも、ちょとした出来事で、少しずつ気の持ち方や考え方が変わっていく。
    トラウマになっていたものも解消していく。
    二十代から三十代の、年齢的には大人ではあるけれど、いまひとつ本物のオトナになりきれない若者たちの切ない恋物語。
    四人別々の視点から描かれた連作短編集だが、それぞれが飼っているインコ、亀、金魚、うさぎ、という生き物たちの存在が物語に微妙なアクセントをつけている。

    海の見える街が脳裏に浮かび、潮風の香りが鼻をくすぐるようなラストシーンも淡く切ない。
    気分がほんわかとなりたい時に読みたくなるような、そんな作品でした。

  • 海の見える街にある市民センター、
    そこに併設されている図書館と児童館で働く4人の男女の物語。

    最近はまっている作家さん。
    軽く、さらっと読める文体が気にっています。
    登場人物が、ちょっと影があったり、暗かったり、表立って目立つ人たちではない感じは、いつものこと。
    4人が4人ともハッピーエンドではなかったけれど、いい終わり方だったと思います。

    謎を残したままの松田。
    きっとどこかで畑野さんが回収してくれるのでは、と期待していてもいいですか?

  • 海の見える街の市民センターに…児童館あり、図書館あり。過去の影、最近の傷、、いまだに痛みを引き摺る男女四人の直近模様は、モヤモヤ渦巻き近すぎる息づかい。そんな感情を置いてきぼりにして、サクサク・ズケズケ進む四編は、ラスト数頁で見事検索終了!?の感あり!。かなり面白い新感覚な文体!?。

  • 後味の悪いハッピーエンドではあったけど、読後感は結構いいという不思議な本でした。
    海岸沿いの町にある市立図書館&児童館の職員さんたちのお話です。

    「国道沿いのファミレス」の時も感じたけど、出てくる人はみんなどことなく諦めたような眼をそらしているようなやる気のない感じで。
    そう嫌なヤツでもないのに、なーんか好きになりきれないというか共感できないというか。
    恋愛のフローチャートもいまいち納得できないというか応援しきれないというか。
    主人公の男の子がいい歳して情けないのと、奔放であけすけな女の子のせいか。
    そもそも男の子、女の子って歳じゃないのに、大学生くらいにしか思えないせいか。

    私との噛み合わなさ感が絶えず付きまとうのですが、それでもすいすいページが進むんですな。
    その齟齬こそが人間関係ってことかも。

    オタクでまじめな読書家の日野さん、いい子なのになぁ。
    中学生偏愛の松田さんのその後も気になる。

  •  昨日図書館で借りてきました。海の見える街に地方の市民センターの図書館をめぐる4人の物語。初めの1章を読んだところで、なにやら日常を脅かす波乱が……
     それぞれ前に進めない日常の中に、飛び込んできた彼女のペースに揺り動かされながら、変わっていく姿が4人の物語でつながっていきました。
     インコとウサギと一緒に、海の見える街での新しい生活はまだまだ波乱が続きそうです。

    畑野智美の作品は初めてです。

  • 海が見える市立図書館に、産休補助職員として派遣されてきた女の子・春香。 思ったことはすぐに口にするし、当然、礼儀って何?くらいの未成熟さ。 これは面倒な子が入ってきたなぁ、というのが最初の感想でした…。

    .
    そもそも、働くってどういうことかわかってないのでは、というくらいの幼い春香にイライラして、
    このままの流れで行くんだったら、最後まで読めないかなぁ、と思ったのですが、
    元からいた職員・本田君の目線で語られる図書館の日々や彼自身のキャラクターが面白くてページを繰りました。


    本田くんはいわゆる草食男子。
    春香が派遣されてきた理由となった産休職員の和泉さんを10年も好きだったのに何も言い出せず、(でも今も好き)、1人暮らしのアパートで飼っているインコのマメちゃんが心のよりどころ、という30代。
    あれこれ思うことはあるのだけど、それが言葉にならず、でも仕事はしっかりこなしている。
    そして、実は同じ司書仲間の日野さん(春香と同い年。凄い小説&漫画オタクで、年に二回、部屋で会議を開いては部屋に残す本、弟の部屋に移す本、処分する本などを決める。会議の相手はもちろん本。)が彼を好きだったりするのに、全くの唐変木!としかいえない対応。


    そして、章が変わるごとに、語り手も変わり、そっか、そうだったのか、と。

    で!!
    実は一番気になったのは、図書館に隣接する児童館に勤める松田くん。
    彼は中学生限定のロリコンで、それを本田くんは察知しながら友人として付き合っている、という設定。

    私、あらゆる変態の中で幼児ロリコンだけは許容できないんだけど(変態、というか人と違った性癖を持つ人は、それを持って生まれただけなのだからそのことを非難するのはなんか違う、という気がするし、それぞれ趣向のあう人同士、平和に過ごしていればいいのでは、と思うんだよね。でも、ロリコンは相手の同意を得ないまま自分の欲望を満たす、というところで、それはもうダメ!と思うから。)
    でも、この松田くん、児童館のメインの“お客さん”である小学生には何の関心も持たず、有能な職員として仕事をこなしているところや、彼の家庭環境、彼の目に映る図書館・児童館の日常が興味深いぁな、と。
    また、彼が家出してきた中学生女子を見た瞬間に、もうどうしようもなく惹かれてしまうその怒涛のごとくの感情の描写には、哀れというか、だから松田君を擁護できる、というわけでもないのだけど。


    どこか歪な、でも今の20代、30代には、こんな幼さを持つ人たちが多いんじゃない?という妙なリアリティを感じさせる職員たちの、ある意味固定した日々を春香はかき回し、その“効果”のために、その人、あるいは人間関係が大幅に変わっていくという話の展開・・・。


    う~~ん、春香の来歴を知って、少しは寄り添う気持ちも生まれはしたけれど、
    それでも、あそこまで滅茶苦茶に言いたい放題、やりたい放題だった彼女を受け入れられる職場、
    には無理がありすぎるんじゃないかなぁ。
    言ってはいけないことまで言ってしまっている彼女を、いくら少しずつ変化していったとはいえ、すんなり懐に入れてしまえないんじゃないかなぁ、と思うから。

    春香のキャラがもう少し穏当だったら、他のメンバーがそれぞれ好きだっただけに、もっと好きな一冊になったような気がします。

  • 海の見える小さな町の図書館を舞台にした物語だ。

    女ばかりの家族で育ち自己主張が苦手で女性とちゃんとした付き合いもないまま三十路を迎えた男と、友達もなく本や映画が友人として生きてきた女、女子中学生が恋愛対象の三十男、そしてそこに新しく派遣職員として入ってきたやや非常識な天衣無縫の女。

    それぞれの視点から一年間の海辺の街での日々を描いた物語だ。
    ラストの顛末はちょっと都合がよすぎる気がしたけれど(あと、回収されなかったある人物のその後は結局どうなってしまったんだろう?)他愛ない人と人とのやり取りによって少しずつ人間関係や個人が変わっていく日常が何気なく描かれていて、誰かと知り合ったりかかわりあったりして距離を詰めたり離れたりしていく毎日って確かにこうだよなぁと思った。
    大きな事件など起きなくても、日々顔を突き合わせているだけで人間関係って変わっていく。

    カバーのイラストから湘南・鎌倉あたりが舞台かと思ったけれど、内容を読んでみるともう少し田舎の、千葉とか西湘とかのほうがモデルなのかな。
    微妙にあか抜けない街の、あか抜けない人たちの物語。

  • 図書館司書の先輩後輩と派遣社員、児童館の職員の4名を中心にした淡い恋愛小説。
    4章からなり、1章ずつ異なる人物の視点の話となっている。各章それぞれで動物が影のモチーフになっている。
    タイトルにもある海が効果的に使われている。

    特別な事件は起きず、ゆるい日常の話が淡々と続くが、それぞれの人物が人に言えない過去も持つ。

    派手さはないが、それぞれの心の動きが描かれていて読み進めていけるのがいい。
    最後まで暗く終わるかと思いきや、ふたりにとってはハッピーエンドで終わるのがいいが、あの人はどうなるのだろうか。

  • 海が見える街の図書館で働く男女4人の物語。4人の日常が丁寧に描かれている。4人の視点から語られる日常は穏やかのようで実はそれぞれ抱えている何かがある。現実でもみんな生きていればいろんな思いを抱えながら生きているんだとあらためて思った。

  • 一気に読み切る力を持った作品。

    畑野智美は二冊目なのだが、こういう、陰をはらみながらすきっと前向きになれる作風はいいな、と思う。

    どんな話か、と説明すると、なんだかよくあるものになってしまう気がする。
    では筋書きでなく、どこにその力を秘めているんだろうか。

    キャラクターの、らしさ、だろうか。
    四人の登場人物が織り成す連作小説なのだが、誰一人欠かせない存在感と関わり方、そして愛おしさがあるのだな。

    特に最後になるにつれての春香の可愛げなさが可愛い。ひたすら、可愛い。
    甘さ有川浩級と言えるかもしれない。

    畑野智美が天才と言われる由縁に、まだ私は気付けてはいない。
    しかし、物語が進む姿を私は「見つめている」んだという、当たり前の読者の姿勢が楽しくなるような作品であった。

  • 畑野智美、凄いぞ。『夏のバスプール』では瑞々しい中学生を書いていたけれど、今作は海の見える街で図書館に勤める男女の恋模様。4人のそれぞれの目線から物語が進み、徐々に立体的になっていく。またひとり追いかけたい作家が増えた。オススメ。2013/280

  •  4人の気持ちは、ループしている。
     だから、このラストは、とても良い。続編は、要らない。

  • おもしろい。
    海の見える街、司書さんのおはなし
    とするとなにかしら想像つくもの。
    想像つくのだけれど、
    それでもなおおもしろい。


    こんな暮らしはいいなあと
    おもいました。

    松田さんが気になります。

  •  海沿いの街の図書館に勤める若い男女4人の物語。
     草食系、オタク、現実逃避型、ギャルと、わかりやすいキャラクターたちの、ありがちなふわふわした恋愛模様が描かれる。と思ったら、表の人間関係からは見えない、個人の暗い問題にストーリーが深入りしていって、実は微妙なバランスの上に成り立っていることがわかってくる。
     一見ハッピーエンドに見えるが、途中でいなくなったキャラクターの行方も含め、彼らの将来への希望は感じなかった。もともとこういう作風の作者なのか、ストーリーを放棄したのか、どっちで捉えていいのかわからず。

  • 何かでお薦め本に載っていたし図書館ネタだと言うので「どれどれ」と手にとり。正直ちょっと期待はずれでしたね。

    人物の誰にも共感が出来ませんでしたし、ストーリー展開も「あら?」という不自然感が随所に。それぞれが片思いなのだけど「なんでそういう片思いになるのか」私には共感できず。
    そして和泉さんみたいな女の人っていますよね。どこにでもはいないけれどたまに。私はそういう意図なく人の気持ちを全部さらっていくタイプの女性が嫌いです。読んでいて全編いらいらさせられました。
    でも頑張って書いている感は伝わりました。

    他の方も書いていましたが、松田君のその後はちょっと気になります。
    続きがありそうな余韻でもありました。といいますか、この物語を
    気に入った方々には続きがなければ納得できないでしょう。
    私は続きがでたら読むかもしれませんが…読まなくてもいいかなぁ。

  • ごめんなさい、ダメです。

    まず、図書館である必然性がまったくわからない。特に何かの本にからんでいるわけでもなく、図書館や本ならではの展開はない。

    26歳や32歳にしては幼すぎる。中学生の恋模様のようだ。
    キャラクターは幼すぎるのに、どろどろ重たい過去。

    なんでこう終わるかな、これもわからない。

    最初、本田という人は女性かと思って読んでいた。そのくらい、よく言えば優しく、悪く言うと弱々しい。

    春香という人はまったく好きになれず。まったくわからない。彼女を回りが受け入れて行く過程が、あまりにも表層的で、都合良すぎる。こんなことないだろうし、あったとしたらもっと葛藤があるだろうと思う。

    終わり方も、ご都合主義を否めない。
    「さわやか」というレビューが幾つもあるけど、どこがさわやかなのか全くわからなくて当惑。

  • 「南部芸能事務所」が面白かったので、新作も読んでみた。
    こんなに感性の違いを痛感させられるとは思わなかった。
    どの登場人物にもイライラし、ちょっと共感し、でも理解できないでいた。
    ストーリーも、ちょっとずつ予測がはずれて、え?なんでそうなるの?という展開。ざらざらした気持ちになるのに、読むのをやめられないのはなぜなんだろう。
    どの登場人物も、感情移入しそうになると外される。
    これが、今の20代、30代のリアルなのだろうか。このちょっと冷めた感じ、体温の低い感じは、実際に知っている20代30代にもあるような気はするけれども。
    それにしてもラストの唐突さには驚く。放り出された登場人物もいるし、なぜかくっつく二人もいるし。そこにはどういう意図があるのだろう。

  • 本田くん、日野さん、松田くん、春香ちゃんと
    視点を変えつつ進んでいくのが面白かった。
    それにしても畑野さん初読みだけど
    図書館が舞台だったり、登場人物にかなり共感できたり
    すごいよかたなぁ。

    装丁も素敵で、読んでる最中も何度もひっくり返して眺めてしまうほど。
    その装丁の雰囲気とは違い、中身は案外エグいエピソード満載なのに
    淡泊な文章がそう感じさせなく、すいすい読めて好感度大。
    ラストはありきたりだけど、4人のその後、
    (特に松田くんと中学生)が気になる、余韻の残る作品でした。

    こういうの大好き。他のも読んでみよう。

  • 図書館司書が出てくる話でガサツな派遣社員が入ってきて…ってところであまり期待せずに読み始めたら思いの外面白くて一気に読みました。街の風景も恋愛模様もペットの動物たちも登場人物たちもとてもいい感じで物語の世界に引き込まれました。松田さんのその後は知りたくないのでぷっつりとしたフェードアウトは良かったです。
    「夏のバスプール」も好きだったので心にグッとくるラブストーリーを読みたい時にはオススメです。今後も読み続けたいです。

  • この小説の構成と視点は斬新だった。第1章の「マメルリハ」を読み終えたとき、この本は短編小説集なのかと思った。ところが、次の「ハナビ」を読み始めると既視感に襲われ、すぐに、この独特の構成に気がついた。章ごとに、登場人物のうちの別の人の視点から描いて1つのストーリーを紡いでいくのだが、各章の主役の過去も同時に描写され、読み終わるころには、4人の人物がくっきり印象に残るという魔法のような手法だ。
    ストーリーも、最後がちょっと強引なハッピーエンド風なのは、畑野智美のデビュー作である「国道沿いのファミレス」と似ていて、個人的にはやや抵抗があるが、それ以外は、緩急があり、展開も不自然ではなく、純粋に楽しめる。登場人物は、「いい人」ばかりで、ちょっと非現実的ではあるが、逆に、こんな世界が周囲にあったらいいのに、とも思えて、さわやかな読後感が得られる。

  • あぁ、良かった。
    この表紙の場面が出てくるのかどうか、ずっと気になってたけど、いいところで出てきてくれた!

  • 爽やかな恋愛小説。各章ごとに主人公が入れ替わって行くのが面白い。
    テンポよくさらっと読めて気持ちがいい本です。

  •  図書館が舞台の連作短編。

     表紙の絵が吉田健一さんぽいなと思って手に取ったら当たりでした。
     松田くんがどうなったのか気になりました。畑野さんの本はなんとなくその後どうなったんだ?という人が出てくる気がします。
     1話目で春香の態度にかなりイライラしましたが、話が進むに連れて許せてきてしまい、他の人も含め皆成長している気がしました。

  • 【ネタバレ】知人のレビューで知りました。こんな素敵なお話を読み逃していたとは痛恨の極み。本との出合いはまさに奇蹟みたいなものですね。読後、松田くんの行く末が気になりました。幸せになれていればいいのですが…

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