内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178594

感想・レビュー・書評

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  • 内向型人間は外交型に憧れを感じるが、別にその個性を殺す必要がないということを知れた。参考になった。

  • 外向型の人間を理想とする価値観の中で、内向型の人間であることの重要さが良くわかる一冊。

    「自分がどんな人間であるかについては居心地の悪さを感じないが、それを表現するのは苦手だ。グループでいると、いつも外向的にふるまうべきだというプレッシャーを感じるよ」(P.242より引用)

    自分が「内向型」だと思っている人にとっては上記の文章に強く共感できるのではないだろうか。

     本書は、なぜ内向型は「グループ活動が苦手なのか」「教室で発言することを嫌うのか」「アイスブレイク代わりの世間話を無駄だと感じるのか」ということについてよく理解できる。


    【外向型・内向型の生理学的違い】
     1.外部刺激に対する脳の反応レベルの違い
     2.快適を感じる適切な刺激(スイートスポット)のレベルが違う
     3.報酬に対する脳の反応部位の違い
     
     〇内向型:刺激に対して偏桃体(恐怖などを感じる部位)の反応が大きい「高反応」な場合が多く、
    報酬系は比較的鈍感で外向型よりもスイートスポットが低い。
     〇外向型:刺激に対して鈍感で「低反応」な場合が多く、
    報酬系が敏感で、ドーパミンが活性しやすく、内向型よりもスイートスポットが高い。

     【外部刺激に対する脳の反応】
     (心理学者ジェローム・ケーガンの研究)‐生後4か月の赤ん坊に音やにおいなどの刺激を与えた実験:
     全体の20%は元気よく泣いたり、体を動かしたりなど「高反応」な動きを見せ、40%は落ち着いた「低反応」な特徴を見せた。残りの40%は中間。「高反応」な子供は成長して「内向型」になる確率が高く、「低反応」な子供は「外向型」に成長する確率が高かった。
    →「内向型」は外部刺激に敏感で、外向型よりも同レベルの刺激で、コルチゾール(ストレスホルモン)値の上昇や心拍数の上昇などが起こる「高反応」なタイプが多い

     【適切な刺激レベル(スイートスポット)とは】
     心理学者ハンス・アイゼンクによると、人間は強すぎもせず弱すぎもしない「最適な」レベルの刺激を求めている。内向型と外向型では活動するために最適な刺激のレベルは大きく異なる。

     (実験)‐ヘッドフォンを当て、自分にとって最適な音量に調整させたうえでゲームをさせた実験:
    内向型の好む音量レベルは55デシベル(暖房の音くらい)、
    外向型は72デシベル(掃除機の音くらい)の音量レベルを好んだ。
    内向型が72デシベルでゲームをした場合、結果は悪くなり(=過度な覚醒状態になる)、外向型が55デシベルでゲームをした場合も結果は悪くなった(覚醒が足りなくて本領発揮できない)。

     「満ち足りた気分でハンモックに横たわっているところを想像してみよう。それがスイートスポットだ。だが30分後、ふと気づくと同じ場所を何度も読んでいるのに気づく。それは覚醒が低い証拠だ。そこで、あなたは友人に電話して朝昼兼用の食事に出かけ―言い換えれば、刺激レベルを一段階上げて―ブルーベリーパンケーキを食べながら噂話をしたり笑ったりしていると、ありがたいことに、あなたはまたスイートスポットへ戻れる。けれど、より高い刺激レベルを求める外向型の友人に説き伏せられて、パーティへ出かけると、あなたにとっての心地よい時間は終わりを告げる。パーティへ行けば、うるさい音楽や初対面の人々に囲まれてしまうからだ。」(P158,159より引用)

     【報酬に対する反応】
     人間は何かを期待してそれが達成されたことに快楽を感じる。古い脳と呼ばれる大脳辺縁系にある報酬系が活性化し、ドーパミンが放出されるからである。
     それに対して、理性や合理性を司る新しい脳=新皮質が信号を送り、快楽と理性とのバランスをとるが、より強い信号に対して人間は言いなりになることがわかっている
     外向型は報酬系が敏感で強く活性化することで簡単に「熱狂」と呼ばれる感情を抱くが、内向型は報酬に対して、前頭皮質からの「警告信号」に敏感で、報酬を求め逸脱することはない。
     心理学者のネトルによれば、内向型は簡単に「熱狂」しない

     (実験)‐すぐにもらえる少額の報酬と2~4週間後にもらえる高額の報酬のどちらかを選択させる:
    外向型は本能を司る辺縁系(報酬系)が活性化し、少額を選んだ。内向型は理性を司る新皮質の前頭皮質が活性化し、高額の報酬を選んだ。

    【外向型が理想とされる社会】
    進化生物学者デヴィット・スローン・ウィルソンによれば、外向型・内向型は両極端な戦略を持っているのであり、それぞれに違うタイミング、違う形で成果を上げている=環境によってどちらが効果的かは変わる
    →ではなぜ外向型がここまで理想とされるのか
     
     【背景】
     アメリカでは工業化に伴い、1840年にはわずか8%だった都市生活者が、1920年には全人口の3分の1にまで増加した。田舎で農業を営みながら家族や近所の人と交流する時代から、見知らぬ人たちと「ビジネス」をすることが主流になった文化が求めた理想像は「第一印象で自分を頭が良く、魅力的な人間だと思わせられる演技者(パフォーマー)としての役割」であった。
     その役割の特質をデール・カーネギーは「魅力的な」「生き生きとした」「説得力のある」「エネルギッシュな」などという言葉で表現した。
     そういったパフォーマーがビジネスの場で力を発揮すると信じられているため、学校では「積極的」に発言し、「自信をもって」スピーチのできる「活動的」で「誰からも好かれる」個性を持った子供を育てることが目的になる。
    →社会の求める性格タイプは「大胆で社交的」というごく狭い範囲に設定されている

     【集団で活動しなくてはいけない理由は?】
     創造性や知的業績は社交的な場からもたらされるという迷信=新集団思考が広まり、グループ学習やブレインストーミングが公然と行われ、オープンオフィスで仕事をすることが良いと思われているが、他者との交流は刺激の中でも高レベルに位置する。
    →スイートスポットの低い内向型にとって、活動のしやすい環境ではない
     
     (調査)‐ヴァイオリニストを優秀・普通・そうでないグループに分け、練習時間の使い方を調べた:
     全グループとも練習時間に差はほとんどないが、上位2グループは個人練習に大半を当てていた。およそ2~3倍ほど。
       チェスのプロも優れたプレーヤーは一人で指し手の研究をするのに5倍ほど時間を使い、チームスポーツのエリートも個人練習に多く時間を当てている場合が多い→他人より多くを身に着ける「集中的実践」は周りに邪魔されない環境であることが大事
     
     (実験)‐92社600人以上の開発者を対象。同じ会社同士でパートナーを組み(別々に作業する)、プログラムの設計などを行ってもらう:
     最上位のプログラマーは中位より2.5倍ほどの成果を出し、同じ会社のプログラマーは別々に作業を下にも関わらず同レベルの結果。結果とキャリアや給料、作業時間の間に相関はなかった。最上位のプログラマーは、「従業員に個人スペースを十分に確保している会社」に属している率が圧倒的に高く、最下位層の3倍以上だった。

     (ミネソタ大学の実験):
     ブレインストーミングをしても、個人で考えたほうがアイデア量も多く、質も同等かそれ以上になった

    =我々は集団での活動に対して過大評価している。それには理由がある。集団でのブレインストーミングには結びつきが感じられるからだ。創造性という点では全く目的に反しているが。

     【リーダーは外向的であるべきなのか?】
     (アダムグランドの調査)‐アメリカの5大ピザ・チェーン店の売り上げを調べた:
     外向的な店長のいる店舗は内向的な店長のいる店舗よりも売り上げが16%多いが、「従業員が受動的なタイプ」の場合だけ。
     逆に、「従業員が能動的に考えて動くタイプ」の場合は内向的な店長のいる店舗のほうが14%売り上げが多かった。
     
     (アダムグランドの実験2)‐Tシャツを20分以内に多くたたむ競争、チームにいる役者が「1,2分かかるが、効率的なたたみ方を教えられる」と発言するパターンと何も言わないパターン:
     内向型リーダーの方が習う確率が20%高く、結果は外向型リーダーより24%良かった。対して、役者が何も発言しなかった場合は外向型リーダーの方が22%結果が良かった。

    =メンバーが能動的な場合は内向型リーダーはより、メンバーを能動的に行動させるが、
     受動的なメンバーがそろっている場合は、外向型リーラ―が自分のこだわりで動かした方が良い

     【偉業を成し遂げてきた内向型】
     科学ジャーナリストのフィにフレッド・ギャラガー曰く「刺激を受けたときに急いで反応するのではなく、立ち止まって考えようとする性質が素晴らしいのは、それが古来ずっと知的・芸術的偉業と結びついてきたからである。アインシュタインの相対性理論もミルトンの『失楽園』も、パーティ好きな人間による産物ではないのだ」
     ニュートン、アインシュタイン、ジョージ・オーウェル、J・K・ローリング、スティーブ・オズアニックなど知的・芸術的偉業を成し遂げてきた人物の多くは、内向型で、10代のころの自分を孤独だったと表現した。

    【内向型の強み】外向型に比べて、
    1.決定まで時間をかける分、正しい判断を下す確率が高い
    2.最後までやりきる確率が高い
    3.感情移入に関する脳の領域が活発なので、共感力が高い
    4.単独作業を好むことで、革新の触媒となる孤独を享受しやすい
    5.思索を好み、客観視に長けているので、そもそも自分が何型かを考えることが多く、欠点にも気づくことができるため、外向型を装うことができる

     (ウィスコンシン大学の実験)‐画面に12個の数字をランダムに出現。正解、不正解の数字を選ぶとポイントが増減。何回か試行すると4が正解、9が不正解だとわかるため、9が画面に出たら押さなければよいという実験:
     そうとわかっていても、外向型は内向型よりも9が出たときにボタンを押してしまうことが多かった。しかし外向型は間違えても、慎重になるどころかかえってボタンを押すまでのスピードが上がってしまった。

     ジョセフ・ニューマン曰く、内向型は「興奮するとすぐにブレーキを踏んで、もしかしたら重要かもしれない関連事項について考えます。内向型はそのように配線されていて、あるいは訓練されていて、興奮を感じると警戒を強めるのです。報酬に敏感な外向型は目的を達成することに集中してしまうと、邪魔されたくない。時間をかけて見極めるほど学ぶことも多くなるのだからこれは大きな失策である」

     (リチャード・ハワードの実験)‐次第に難易度が増す5段階の問題で知性を測るテスト:
     目標を素早く見定める能力が必要な2段階目までは、外向型が高得点を取った。しかし、より難しい3段階の問題で持続性が必要になってくると内向型の方が高得点になる。最後の最も難しい段階では外向型の方が内向型よりも諦めてしまう確率はずっと高い。

     (グラツィナ・コハーニスカの実験)‐高反応、低反応な幼児それぞれに女性から「大切なものだから大事にするように」と玩具を渡す。玩具には細工がされていて壊れるようにできており、その時の反応をみるテスト:
     高反応な子供はそうでない子供より罪の意識を感じ、自分が壊したと告白した。高反応な幼児は敏感で物事に大きく動じやすいために、玩具を壊された女性の悲しみと自分が何かされるのではないかという不安の両方を強く感じる。

    【内向型が外向型の強みを身に着けるためには】
     自由特性理論=人間は特定の性格特性(内向型や外向型)をもって生まれるが、コア・パーソナル・プロジェクト(自分にとって非常に重要な事柄)に従事するときはその特性の枠を超えて振舞うことができる

     (心理学者リチャード・リッパの実験)‐外向型の人と外向型を装った内向型(偽外向型)を集め、他者から外向性を評価してもらう実験:
     もともと外向型の人の方が外向型として見られやすいが、偽外向型の一部は本物の外向型に見られた
    →セルフモニタリング(周囲の状況を客観的に捉え、自分がどのように振舞うべきか理解し、行動できる能力)度が高い人ほど、外向型に見られやすかった。

     コア・パーソナル・プロジェクトに従うからこそ、セルフモニタリングは意味のある事。
     自分にとって重要でないことに取り組むために、外向型を装うのは単なる自己否定である。
     
     【コア・パーソナル・プロジェクトを見つけるためには】
     step1.子供のころ好きだったことを思い返してみる
     step2.自分がどんな仕事に興味を持っているかを考える
     step3.自分が何を羨ましいと感じるかを考える

     コア・パーソナル・プロジェクトのためとはいってもずっと偽り続けるのは不可能
    →回復の場所を作る必要がある(スイートスポットを理解しておく)

    【まとめ】
     現代社会は驚くほど「外向型」を理想としている。
    しかし見落とされがちな、優れた部分が「内向型」にはたくさんある。
     
     社交的で、刺激を多く求める「外向型」が基準の社会では、集団・組織のパワーを過剰に信じてしまっている。「外向型」にとっては他者との交流という強い刺激が適しているかもしれないが、それは「内向型」が本領を発揮するレベルを大きく超えている。創造性が必要とされる知的・芸術的偉業は「孤独」が持つパワーを十分に活かすからこそ生まれてきたという多くの事例や研究を無視してはいけない。

     良くも悪くも、「外向型」と「内向型」は両極端であるが故に、互いに惹かれ合う部分がある。進化の過程で生き残ってきたということから、両者とも優れた部分があり、状況によってどちらが適しているかは変化するため、結局は両者が混在している集団が一番成果を発揮する。アインシュタインがパーティ好きでなかったことを思い出してほしい。

     「内向型」は生理的に恐怖を感じやすいことから、起こりうるリスクを熟慮するためにも、常に周りに注意を払う。また、理性を司る前頭皮質からの信号が強いため、結果的に客観視に長けることで、現代社会が迷信している「外向型=理想像」の枠から自分が外れていることを自覚できている。
     しかし「内向型」のスキルは創造性を必要とする場合においてメリットとなる優れた部分であり、そもそも現代社会の「社交性」を重視する環境は生理的に本領が発揮できる場ではないことを理解しておくことが重要である。
     自分を変える必要はなく(というよりそれは不可能)、自分にとって事情に重要な事柄(コア・パーソナル・プロジェクト)があれば、そのために「外向型」に振舞うことは可能なのだから。

     「内向型」は人間嫌いであるとか、「外向型」はIQが低いなどということではない。両者は違う戦略を持っているにすぎないということを理解する必要がある。優れた個性が存在するという偏見を捨てることが「多様性」を理解するために重要なことである。「外向型」と営業売り上げに相関はなければ、友人関係から得る幸福度にも関係はない。 
     
     

  • 現在は日本でも、外向型人間が好ましいとされる風潮があるだろう。私自身、よくしゃべる人、物怖じしない人、何にでも興味を持つ人の方に魅力を感じる。何となくだけど、外向型のほうが「よい」と考えていたのは間違いない。
    この本を読んで、それは単にスタイルの違いであってよい悪いではないこと、どちらにも状況に応じた長所と短所があることを確認した。どちらが好きかという私の好みはそれはそれでいい。ただ、一緒に過ごす友人は内向型が多い。なんとなく外向型に憧れを持ってはいるものの、内向型の人のほうが相性がいいし、私は内向型人間が好きなのかも。
    自分はどっちだろうと項目毎に考えてみるのも、身近な人の場合で考えてみるのも楽しかった。

  • 著者の TED プレゼンテーションがいたく印象的だったので、本の方も読んでみた。確かに現代は外向的、社交的な性格の人物が重用される時代だ。特にアメリカではその文化的多様性ゆえに、学校でも会社でも多様な人々と入り交じることができる外向的性格が善とされ、内向的性格は悪と見なされている。しかし、当然とは言えプレゼンテーション上手な人物が必ずしも正しい判断ができる人物とは限らない。正しい判断や科学的に重要な発見は時として内向的な人物の思索から生まれるのだから、内向的な人物の才能を「外向的でない」「プレゼンテーションが下手くそだ」という理由で排除するのは誰にとっても得なことではない。とりわけ、内向的な子供を持って生まれた人にとって、子供に外向的な性格になることを強いる(アメリカ風)教育の弊害は大きい。日本もいつの頃からか(アメリカとは違った意味で)「コミュニケーション力」偏重社会になっているが、立ち止まって考え直す時期だろう。

  • ・内向型リーダーは、能動性の有効な循環をつくる。
    ・外向型リーダーは、他人を鼓舞する能力によって、受動的な人々から結果を引き出すのが上手い。
    ・内向型の人々は、オンライン上で「本当の自分」をさらけ出す。
    ・内向型は単独作業を好み、孤独は革新の触媒となりうる
    ・新集団思考は、なによりもチームワークを優先する。
    ・グループ学習は、アメリカ社会のチーム文化の中で、自己主張する為の練習の場になっている。
    ・ビジネス社会では、独創性や洞察力ではなく、言語能力が評価の基盤になっている。
    ・集団のブレストは実際には機能しない。集団が大きくなるほど、パフォーマンスが悪くなる。例外は、オンライン上のブレインストーミングである。
    ・オンライン上で集団作業している人々は皆、それぞれに単独作業をしているという事実。
    ・性格の「輪ゴム理論」性格は変化させることはできるが、それには限度がある。
    ・最適な覚醒レベル「スイートスポット」を探す。
    ・赤面は「他人への関心を示す信号」であり、他者から好意的に判断される。
    ・「回復の為の場所」をたくさん作る
    ・興味を持ったことにだけ深く集中するのが好きで、一度に大人数の友人と交流するのを苦手とする内向型の子どもからすれば、学校という環境はひどく不自然なのだ。

  • とても共感するところが多かったです。男性と女性、ロジカルと感覚、色んな対比がありますが、外向型に対して「内向型」というのもとてもしっくり来ました。

    今までは男性、ロジカル、外向型が強く、リーダーとしても好まれる社会でしたが、カリスマ以外のリーダーも支持されるようになり、少しずつ社会が変わりつつあるのを感じます。個人的にはマイクロソフトやグーグルの新社長のことをとても応援しています。

    今まで弱い立場だった人たちが前面に立ったときにどのような ---きっと優しい--- 社会ができるのか、とても楽しみです。


    また内向的な子供に対する接し方も非常に共感しました。自分が内向的な性格なのもあり「自分はダメだ...」と落ち込んでいた時期もありましたが、この本を読んだ今ならそういうものだと受け入れることができそうです。今は教育も外交的な人間を推奨するし、日本でよく支持されるアメリカ型の教育はよりその傾向が強くて自分でもそう思っていましたが、本当に必要なのはそうではないとようやく理解できました。自身が外交型だとしても、子供を持つ人にもぜひお勧めしたい一冊です。

  • ユングの性格診断からMBTIのタイプにつながる、外向性、内向性の違い。筆者は内向型だと言うが、日本人から見たら立派な外交型だろう。TED見てそう思う。冗長でこんなに分厚い本を書けるのはやはり欧米人の外向性が大きく影響している。日本人の書く本は、もっと短く簡潔だ。
    デール・カーネギーがビジネスの世界では外向性が重要だと説いた事が、欧米、特にアメリカ人に外交型が優れていると、子供の頃から教育を受けているとの仮説は、面白い。
    子供向けに書き直した新作の方が読みやすいようなので、いつかそちらを見たい。
    TEDで見るだけでもういいかな。

  • 個人的に素晴らしい本だった。マネージャーは読むとよい。

  • 型にはまったステレオタイプのリーダシップではない方法論を考える。あるいは、外向的ではなくても、心地よい生き方を見出すためのアイディアが入ってる本。

  • ●現代社会ではユングにより称された「内向型」より「外向型」の方が理想的とされる価値観の中で生かされているので、そうあるべきだと行動する偽外向型も多く、自分でも気付いていない。
    しかし、内向型は思索型と置き換えてもいい良さ(強み)がある。

    創造性において、外向型よりも内向型の方が優れた結果を出しやすい記録がある。同じ量のトレーニング時間を費やしても、結果はグループでトレーニングしている人々より個人トレーニングの割引が大きい人々の方が大きく優った。集中できる環境とオープンオフィスでの環境とでもアウトプットの質に明確な違いが出ている。つまり、人間のマルチタスクは神話だったということ。

    ●ブレインストーミングが効果的ではない理由
    1.集団的手抜き(綱引き理論)
    2.社会的生産妨害→一人以外は黙って座っている
    3.評価を気にしたアウトプットになる

    ●内向型は物質的、享楽主義的であるよりも、 哲学的精神主義的な傾向がある。職場やピアノの発表会などで他人に観察されたりデートや就職面接で評価されたりするのが苦手だ 。彼らは無駄話が好きではない。音楽や自然や天然の美を愛する。



    読めば読むほど自分が内向型だと確信し、同時にそれが許される事への安心感を感じた。自分は変わる必要はないのだと。この本を読んでから、周りの人が外向型か内向型かにアンテナが立つようになり、特性も理解しやすくなった。マネージメントにも生かせる本である。

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著者プロフィール

プリンストン大学卒業、ハーバード大学ロースクール修了。ウォール街の弁護士を経て、ライターに転身。『ニューヨーク・タイムズ』『ウォールストリート・ジャーナル』紙、『アトランティック』誌などに寄稿するほか、企業や大学などでコミュニケーション・交渉術の講師を務める。TED2012の”The power of introverts”と題された講演は2500万回以上インターネットで視聴され、ビル・ゲイツお気に入りの講演の一つとして紹介されている。本書は1作目の著書で、すでに40言語に翻訳され、アメリカでミリオンセラーとなった。

「2020年 『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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