- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062178594
感想・レビュー・書評
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内向型人間は外交型に憧れを感じるが、別にその個性を殺す必要がないということを知れた。参考になった。
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現在は日本でも、外向型人間が好ましいとされる風潮があるだろう。私自身、よくしゃべる人、物怖じしない人、何にでも興味を持つ人の方に魅力を感じる。何となくだけど、外向型のほうが「よい」と考えていたのは間違いない。
この本を読んで、それは単にスタイルの違いであってよい悪いではないこと、どちらにも状況に応じた長所と短所があることを確認した。どちらが好きかという私の好みはそれはそれでいい。ただ、一緒に過ごす友人は内向型が多い。なんとなく外向型に憧れを持ってはいるものの、内向型の人のほうが相性がいいし、私は内向型人間が好きなのかも。
自分はどっちだろうと項目毎に考えてみるのも、身近な人の場合で考えてみるのも楽しかった。 -
著者の TED プレゼンテーションがいたく印象的だったので、本の方も読んでみた。確かに現代は外向的、社交的な性格の人物が重用される時代だ。特にアメリカではその文化的多様性ゆえに、学校でも会社でも多様な人々と入り交じることができる外向的性格が善とされ、内向的性格は悪と見なされている。しかし、当然とは言えプレゼンテーション上手な人物が必ずしも正しい判断ができる人物とは限らない。正しい判断や科学的に重要な発見は時として内向的な人物の思索から生まれるのだから、内向的な人物の才能を「外向的でない」「プレゼンテーションが下手くそだ」という理由で排除するのは誰にとっても得なことではない。とりわけ、内向的な子供を持って生まれた人にとって、子供に外向的な性格になることを強いる(アメリカ風)教育の弊害は大きい。日本もいつの頃からか(アメリカとは違った意味で)「コミュニケーション力」偏重社会になっているが、立ち止まって考え直す時期だろう。
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・内向型リーダーは、能動性の有効な循環をつくる。
・外向型リーダーは、他人を鼓舞する能力によって、受動的な人々から結果を引き出すのが上手い。
・内向型の人々は、オンライン上で「本当の自分」をさらけ出す。
・内向型は単独作業を好み、孤独は革新の触媒となりうる
・新集団思考は、なによりもチームワークを優先する。
・グループ学習は、アメリカ社会のチーム文化の中で、自己主張する為の練習の場になっている。
・ビジネス社会では、独創性や洞察力ではなく、言語能力が評価の基盤になっている。
・集団のブレストは実際には機能しない。集団が大きくなるほど、パフォーマンスが悪くなる。例外は、オンライン上のブレインストーミングである。
・オンライン上で集団作業している人々は皆、それぞれに単独作業をしているという事実。
・性格の「輪ゴム理論」性格は変化させることはできるが、それには限度がある。
・最適な覚醒レベル「スイートスポット」を探す。
・赤面は「他人への関心を示す信号」であり、他者から好意的に判断される。
・「回復の為の場所」をたくさん作る
・興味を持ったことにだけ深く集中するのが好きで、一度に大人数の友人と交流するのを苦手とする内向型の子どもからすれば、学校という環境はひどく不自然なのだ。 -
とても共感するところが多かったです。男性と女性、ロジカルと感覚、色んな対比がありますが、外向型に対して「内向型」というのもとてもしっくり来ました。
今までは男性、ロジカル、外向型が強く、リーダーとしても好まれる社会でしたが、カリスマ以外のリーダーも支持されるようになり、少しずつ社会が変わりつつあるのを感じます。個人的にはマイクロソフトやグーグルの新社長のことをとても応援しています。
今まで弱い立場だった人たちが前面に立ったときにどのような ---きっと優しい--- 社会ができるのか、とても楽しみです。
また内向的な子供に対する接し方も非常に共感しました。自分が内向的な性格なのもあり「自分はダメだ...」と落ち込んでいた時期もありましたが、この本を読んだ今ならそういうものだと受け入れることができそうです。今は教育も外交的な人間を推奨するし、日本でよく支持されるアメリカ型の教育はよりその傾向が強くて自分でもそう思っていましたが、本当に必要なのはそうではないとようやく理解できました。自身が外交型だとしても、子供を持つ人にもぜひお勧めしたい一冊です。 -
ユングの性格診断からMBTIのタイプにつながる、外向性、内向性の違い。筆者は内向型だと言うが、日本人から見たら立派な外交型だろう。TED見てそう思う。冗長でこんなに分厚い本を書けるのはやはり欧米人の外向性が大きく影響している。日本人の書く本は、もっと短く簡潔だ。
デール・カーネギーがビジネスの世界では外向性が重要だと説いた事が、欧米、特にアメリカ人に外交型が優れていると、子供の頃から教育を受けているとの仮説は、面白い。
子供向けに書き直した新作の方が読みやすいようなので、いつかそちらを見たい。
TEDで見るだけでもういいかな。 -
個人的に素晴らしい本だった。マネージャーは読むとよい。
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型にはまったステレオタイプのリーダシップではない方法論を考える。あるいは、外向的ではなくても、心地よい生き方を見出すためのアイディアが入ってる本。
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●現代社会ではユングにより称された「内向型」より「外向型」の方が理想的とされる価値観の中で生かされているので、そうあるべきだと行動する偽外向型も多く、自分でも気付いていない。
しかし、内向型は思索型と置き換えてもいい良さ(強み)がある。
創造性において、外向型よりも内向型の方が優れた結果を出しやすい記録がある。同じ量のトレーニング時間を費やしても、結果はグループでトレーニングしている人々より個人トレーニングの割引が大きい人々の方が大きく優った。集中できる環境とオープンオフィスでの環境とでもアウトプットの質に明確な違いが出ている。つまり、人間のマルチタスクは神話だったということ。
●ブレインストーミングが効果的ではない理由
1.集団的手抜き(綱引き理論)
2.社会的生産妨害→一人以外は黙って座っている
3.評価を気にしたアウトプットになる
●内向型は物質的、享楽主義的であるよりも、 哲学的精神主義的な傾向がある。職場やピアノの発表会などで他人に観察されたりデートや就職面接で評価されたりするのが苦手だ 。彼らは無駄話が好きではない。音楽や自然や天然の美を愛する。
読めば読むほど自分が内向型だと確信し、同時にそれが許される事への安心感を感じた。自分は変わる必要はないのだと。この本を読んでから、周りの人が外向型か内向型かにアンテナが立つようになり、特性も理解しやすくなった。マネージメントにも生かせる本である。