- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062178808
作品紹介・あらすじ
養護施設で育った美月と、育ての親を亡くしたばかりの月明は、中学二年生の夏休み、津田節子という富豪の別荘に、養子候補として招かれる。悲しみのにおいに満ちた別荘で、ふたりは手を取りあい、津田節子の思惑を探っていく。十四年前、ダムの底に沈んだ村、その村で行われていた魂呼びの神事、そして大口真神の存在。さまざまな謎を追ううちに、ふたりは、思いもかけない出生の秘密にたどりつく…。
感想・レビュー・書評
-
面白かった。
なかなかどうして悪くない。
23:30に読み始めてスルスルと読み進み2:50に読み終わった。
大口真神をアマゾンで検索して出てきたので購入した。
この著者さんは本書が初めて。
自身の出生を知らぬ主人公、ダムの底に水没した村、狼信仰。
このキーワードで読む前から期待値は上がっていました。
カバーイラストからシリアス、ダーク、ヘビィな印象を持っていたが読み始めると、あらら?案外ライトなのかしら、と思うほど軽快に話は進んでいく。ちょっぴり設定の糊付けがくどいなと感じる部分があるが、逆に言えば伏線や物語の設定を丁寧に説明してくれていたので(あれ?あの人はなんて発言していたっけ?)などとページを遡ることはなかった。
二人の主人公が物語をグイグイと引っ張っていくので、緊張感のあるシーンがあっても電車の窓から見た景色みたいに過ぎ去って行きます。テンポが良いのでページをめくる手が止まらず読み終わってしまった。
読んでて一番興奮したシーンは物語終盤にあります。ネタバレだから伏せますけど臨場感と雰囲気が良いです。説明したいけれどごめんなさい。書きたい感想がネタバレになってしまうからこれ以上書けない!
あかりの服の文字には思わず吹き出しました。お気に入り。
ビンとラベルから重厚な味を想像していたが、いざ飲んでみたらスッキリ飲みやすい、このお酒なかなかどうして悪くないじゃない、そんな読後感を体験しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
養護施設で育ったみづきと、親代わりの住職を亡くしたあかり。接点の無い2人に里子の話が持ち上がり、夏の間、里親の別荘で過ごすことに。突然現れた里親候補、別荘のそばに広がるダム湖に沈んだ村、2人の少女の出生を結ぶものは?
図書館本。
読んだことのある富安作品に比べ、ぐっと大人っぽい雰囲気を漂わせている。ただ、ダークテイストでも、やっぱり富安節なわけで。
なかなか引き込まれるスタートを切り、謎また謎の展開で、ふとページを確認すると残りが3分の1も無い。えっ、これ収拾つくの?と思ったら、すごく平和な方向へ。今までのミステリアス、サスペンスフルな展開は何だったのか。私のようにホラーやサスペンスを期待すると、ガクッと来るので要注意(笑)。
2人の秘める力も、過去を探るためのツールという扱いなのも残念。まあ、本の厚さからすれば、大冒険にならないのは想像がつくけど。
里親の津田さんをもっと掘り下げてほしかったが、そうすると児童向けの範疇から逸れてしまうかなあ。 -
児童ファンタジーとして良くできていると思う。酒井駒子さんの挿し絵も雰囲気に合っていて良い。楽しく読めた。
-
親のいない美月と月明は富豪の養子候補として湖畔の別荘に招かれ出会う。二人が富豪の思惑と自らの出生の秘密を探るうちに明らかになるのは…。
(一般担当/カリカリ) -
双子、養子、別荘、沈んだ村、伝説。おもしろくないわけがない。出会うべき人にはちゃんと出会う。
-
児童書ですがしっかりしたストーリーでしてが美月 月明の絆より母親との絆をもっと書いてほしかったです。
-
怖い。
でも、好き。
好きなのはきっと、富安さんの言葉のおかげなんだろうなあ。
怖いだけにしない、お話のおかげなんだろうなぁ。
ふたりの子たちがどうなってしまうのか、すごくドキドキした。富安陽子さん作品だからこそ、ドキドキしながらも安心して読めたし、すごく引きこまれた。