日本をダメにしたB層の研究

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 592
感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178983

作品紹介・あらすじ

B層とは、グローバリズム、改革、維新といったキーワードに惹きつけられる層。あらゆることに「参加」したがり、「コスパ」という言葉を愛し、社会の「幼児化」を進めている人々。近代において発生した「大衆」の最終的な姿。―なぜ日本人は「参加」したがるのか。

感想・レビュー・書評

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  • なかなかつまらない本だった。読み切らなければいけないと思い読んでしまったが、その間他の本を読み進めれば良かったと後悔。次からの教訓としておこう。

  • 今からひどい事を書きます。

    著者がこの本の中で「ネットの中に信憑性を疑うゴミのような情報があふれ、そんなゴミ情報を真実だと思い込んで大騒ぎするのがB層である」と論じています。
    それは、ネット社会だけはありません、既存媒体にも多くのゴミがあり、この本も俺にとってはゴミ同然です。

    どういうゴミか、例えるなら、食えなくなった弁当みたいなものかな。部分部分食えないこともないけど(橋下評とかはうなずける部分もある)、全部食ってしまうと間違いなく体を壊して不快な思いをするという感じです。

    串カツ1本が国家崩壊をもたらすという部分で気分が悪くなりました。

    悪人面をしてる奴は悪いヤツだの、ブスは「生殖の対象にしてはいけない」という遺伝子学上のカテゴリーだのというあたりで、吐き気を催しました。

    敬体と常態の使い分けもできてない、巻末の煽動的偏向年表でじんましんが出ました。

    適菜さんあなたね、本文中で、バカがゴミのような情報を発信してバカがそれを過信している世の中を嘆いてるけど、この本はまさにそれじゃないのかな?

    人のことを悪く言うのは、その人のイヤなところを自分も持っていて、それに対して拒否反応を起こしているからだと聞いたことがある。作者はこの本で世の中のイヤなところに対してアレルギー反応をみせまくっている。俺はこの作者もこの作品もB層とやらの生き方も嫌いです。

    ってことは、俺の心には敵菜氏のような部分、橋下氏や原口氏のような部分、B層の人間のような部分を内包しているってことになるねんな。イヤになってくるわ。読むんじゃなかった。

  • かなり乱暴な言い切りもあるが、耳が痛いですよ~。

  • 自分、B層なんだなぁ……、と思いながら読みました。
    こんなに自信もって主張できるってすごい。
    なんかすいません、と思う気持ちと、そんなに言われる事なんかい、という気持ちと。
    ただ、色々な側面を知ることは大事だな、と思う。
    知らなくては考える事すらできない。
    今はTVとか分かりやすいツールから受けるものが全てになってしまいがち。
    政治家もプレゼン能力が大事になってきているんですね。それはイコール政治手腕ではないけれど、錯覚してしまうんだ。

    本当に大切な事を地道にしている方もたくさんいらっしゃるのでしょうが、そして忙しくて発信している場合じゃないのかもしれませんが、そういう事を掴むにはどうしたらいいんだろう。
    表に出てくるのは、きれいごとか、不祥事ばかり。
    分からないと不安が募る。
    だから分かりやすい言葉を使う人にすがりたくなる。

  • 徹頭徹尾、今の世の中は自分が莫迦と思っている連中が増えたからおかしくなったという、愚痴としか言いようがない物言いに貫かれており、出版社、編集者もよくこれで出す気になったなと唖然とする。一貫して統計などの客観的社会的事実を引かず、自分がショックを受けた事例のみを基に現代社会を嘆いてみせる姿からは言説に責任を持とうとする姿勢は感じられない。他人を見下して溜飲を下げたい人にはいいかもしれないが、それが世の中に求められているものなのかは甚だ疑問だ。文章も一文あたりの字数、段落ごとの文数が少なく、論理ではなく感情に訴えようとする姿勢が丸見え。こういう言説こそ、真に「B層」的ではないのか?哲学者も安くなったものだ!

  • 適菜節。よい。新版が出ているので,こちらはざっくり読み。

    *****
     かつては「昔の人だからすごい」という感覚はあっても「昔の人なのにすごい」という感覚はありませんでした。偉大な過去に驚異を感じ,畏敬の念を抱き,古典の模倣を繰り返すことにより文明は維持されてきたからです。(p.69)

     卑劣な人間は卑劣な顔をしているし,悪人は悪人顔をしている。ヒポクラテス(前四六〇頃~前三七五年頃)もプラトン(前四二七~前三四七年)もレオナルド・ダ・ヴィンチ(一四五二~一五一九年)もゲーテも,顔と内面の関係について興味を持っていました。
     観相学とは,顔だちや表情から,性格,気質,才能を判定しようとする学問であり,二〇世紀に入ってから心理学の分野で体系化されます。
     顔で人格を判断できるのは,人類が歴史的に身に付けてきた身体感覚に由来します。その前提が了解されているからこそ,少年マンガに登場する悪役は悪そうな顔をしている。不思議ですが,これが人間社会の真実です。
     今の世の中では,経験的な知より「政治家を顔で選ぶのは間違っている。政策で選ぶべきだ」といった小理屈が優先します。しかし,民主党の例でもわかるとおり,政策など大衆受けすることしか書いていない。むしろ,政策だけで政治家を選ぶほうが危険です。
     政治家にとって顔ほど大事なものはありません。(p.168)

  • ニーチェだかなんだか知らんが、人を小馬鹿にするというテクニックだけで出来ている本。たとえば「人権思想はテロの根源」とかいう見出しで、結論は「法治」を守れと言ってるだけでね。一見、刺激的なことを言ってるように見えて、あほほど普通のことが書いてある。この本じたいが皮肉というか、表面の味付けだけにだまされてこんな本読んで頭良くなった気分だけを味わってんじゃないよ、という「B層」をあざけるための本なんじゃないっすかね。

  • 小沢一郎の主導で採用された小選挙区(比例併用)制は、有権者を小馬鹿にしたもので、公示期間も短縮され目隠し状態で二者択一を迫られる。政策選択が話題になりにくい状況を作り出したから、野党の無能もあってスキャンダルが政治課題であるような報道がなされている(野党としての自民党は公明党の非民主性など告発してなかなか優秀だった)/参議院と選挙制度が類似するのも無能議員を増している。参院は比例、衆院は小選挙区と差別化し議員報酬は数億円以上出して人材参入を進めるべきだろう。立憲民主党は貧乏なせいか脳に栄養が足りないようだ

  • 「研究」というほどすごい内容ではない。タイトルの付け方がずるい。「自分はB層ではない」と思い込んでいる多くの人が読むのだろう。自分もその中の一人だと思うが。

  • 日本を駄目にしたB層の研究

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著者プロフィール

1975年、山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作「アンチクリスト」を現代語訳した『キリスト教は邪教です! 』『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』『日本をダメにした B 層の研究』(ともに講談社)、『日本人は豚になる:三島由紀夫の予言』『日本をダメにした新B層の研究』(ともにベストセラーズ)ほか、祥伝社新書に『コロナと無責任な人たち』『100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め! 』『ニッポンを蝕む全体主義』。『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』(中野剛志氏との共著、 ベストセラーズ)など著書50冊は以上。

「2023年 『古典と歩く大人の京都』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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