- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062179829
感想・レビュー・書評
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この本を、中学生の私が読んでいたら、一体どのように感じたのだろう。
私はきっと、雪子のような女だ。心の中ではいつも嘘ばかり吐いて、表ではひたむきにそれを隠している。なぜだか、そんな風に見えてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
二度と還らない友情のきらめき、そして痛み。純粋さゆえに傷つけあう少女の日々を描く、珠玉の物語。
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女の子の友情を、純粋さゆえの怖さを含んで描いている作品。ついてしまう嘘、気付いてしまった私、残酷な指摘…日常で当たり前にありそうなことだけれど、島本さんが描きだすと、とても不気味なものに感じる。 -
島本さんは、とても静かで淡々とした文章で作品を綴る。
読んでいて心地良くて、好きだなと思う。
今の作品と、10年前の作品と。
どちらも10代の女の子同士の話。
私は「七緒のために」のほうがすきかな。
比喩表現とか、明らかに上手くなっていたし
情景描写も惹きつけられるし。
もちろん、10年前の「水の花火」も、それはそれでよかったけれど、分かりやすくまとまっていたし。
街灯に照らされた水たまりを「水の花火」と表現したのは、島本さんらしいなと思った。
いつか、彼女の描いた「大人の女同士の関係」も読んでみたい。 -
2012.12.07読了。10年前、デビュー当時の島本理生と、今の島本理生の2作品。二つとも、友情を描いたもの。10年のときを経て、より描写が深くなったとかは感じたけれど、どうやらあたしは昔の作品の方が好きらしいです。
14歳、難しい年頃の、女の友情。女は男がいないとひどい、とあって、女子校だったこともないけど激しく同意。幸い自分の周りには、極端な人はいないけれど、女だけ、って怖いよねw -
こーゆーのは苦手なんだ。結局どっちが嘘つきでカウンセラーの人はなにがしたいのかもわからないし、いい気がしないで終わっちゃう。
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なんだか『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を彷彿とさせた。
島本理生さんの物語に出てくる、主人公の全てを受け入れて優しく包もうとする男性はずるい。 -
雪子は、編入先の中学校で不思議な存在感の少女・七緒に誘われ、美術部に入部する。七緒の言動に翻弄されながら、離れられない雪子は次第に七緒の噓に気づき・・・
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2編とも女の子の友情のお話なのに底知れぬ孤独を感じた。
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途中でどきっとしちゃったけど、最初から引き込まれるみずみずしい文章。情景がありありと浮かんで心に迫ってくる。さすがの島本さん。
また島本さんの本読みたいなぁーと純粋に思いました。
読んでて気持ちいいって感じる文章って、早々あるものじゃないよなーて思います。