雪猫

著者 :
  • 講談社
3.55
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本棚登録 : 312
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062181037

作品紹介・あらすじ

タマオは少女に命を救われた。高校生になった少女は、ある日何者かに追われていた。タマオは塀の上を走り、あやしい男に飛びかかる!すると-。

感想・レビュー・書評

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  • 心暖まる、ほのぼのかつ切ないファンタジーです。
    1匹の白猫の産まれたところから最期までで、完結。最期に、細々とした事柄がきちんと回収されていて、完成度は高いんじゃないかな。
    大山さんの猫目線のお話はどれも素敵ですね。

  • 人間の女の子に恋した白猫の「シロ」、もとい「タマオ」が猫が十年に一度手にする能力で夜の間だけ人間の姿になれる力を身につけ、色んな人と交わり、命を全うするまで。

    「事実は存在しない、存在するのは解釈だけである」というニーチェの言葉を信条とするなんて、なんと素敵な猫ちゃん。

    タマオの前に現れた、同じく人の姿になれる猫「イヴ」。彼女のひたむきさには涙がこぼれそうになった。なぜ彼女は「京都」で手紙を書き続けるのか。21歳の彼女が二度手にした「能力」は何だったのか。

    誰かを必死に想って、愛して、たとえそれで身が滅ぼうとも構わないとすら思う。ここまでの強い感情を私は誰かに持てた事があるだろうか。

    表紙に描いている赤い傘をもった猫の意味が最後になると分かります。タマオが迎えたまっ白い最後はあまりにも美しく、心に残った。

  • 人を大切に思い愛する一途な白猫と黒猫の思いが交差する物語。
    猫を飼っている私の心には、最後まで猫らしく考え行動した白猫の優しさがとても素敵だと思った。
    またこんな素敵な本に出会いたい。

  • 『猫弁』の作者の3作目。「事実は存在しない。存在するのは解釈だけである。」というニーチェの言葉を信じる白い猫・タマオの、飼い主である少女への純愛物語。タマオは少女を全力で愛したという確かな“事実”とか思いは、その殆どが少女には解らないのが遣る瀬無い。でもタマオも黒猫・イヴも愛し愛されるという“事実”を理解しえた一生は素晴らしく幸せだったのだろう。白猫・雪の白、黒猫・ゴミ袋の黒、ポスト・傘の赤…色彩が印象的、効果的でした。(猫弁とのリンクも嬉しい)

  • 猫弁シリーズかなーと思って読んだら違ってました。
    もろ猫視点。
    だから、死生観も愛情の持ち方も、よけいな建前などなくて本質的。
    猫に生き方を教えてもらいました。
    にゃー。

  • 思わぬ登場人物(?)が出て来て、ニヤリ(*^^*)

  • 白猫の視点から描かれたお話。
    最後できれば…と思ったけど、これも人間だから感じることなのかな⁇猫にとっては幸せなこと⁇と考えさせてくれたお話でした。

  • とても美しく"澄みわたった"物語。
    雪猫というタイトルも素晴らしい。

  • 白猫の客観的で冷静な視点が好きで色々考えさせられる発言もあってとても楽しめた。
    特に白猫の考えの軸である"輝かしい過去とニーチェの言葉だけで未来なんて何とかなる"はネガティブに考える必要もなくて素敵な過去に幸せを感じて生きる手助けになると思もった。

    あと読んで自分なりの死生観みたいなのも浮かんだ。どうせ死んだなら残された人達のこれからも続く人生に"死者"として過去とともち寄り添っていってほしい、そう心から思える生き方をこれからもしていくつもりだ。

    そして愛について、愛は関心を持つということ、舐めるということ、自分自身を受け入れるということ
    優しさは"執着心"と自分への"愛"のバランスかな


    以下好きな文
    守るべき生き物とそうでない生物のさかいめ。
    匂い消しは匂う。
    お人好しは世の中を明るく見せる

  • 女の子に助けられた白猫がまっすぐ女の子を愛する。じんわりくる。

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に『赤い靴』、『通夜女』などがあり、「猫弁」「あずかりやさん」など発行部数が数十万部を超える人気シリーズを持つ。

「2022年 『犬小屋アットホーム!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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