図書館の魔女(上)

著者 :
  • 講談社
4.01
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本棚登録 : 1398
感想 : 159
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  • Amazon.co.jp ・本 (658ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062182027

作品紹介・あらすじ

鍛治の里に暮らす少年キリヒトは、師の命により、大陸最古の図書館を統べるマツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声をもたないうら若き少女だった。本を愛し、言葉の力を信じるすべての人に!

感想・レビュー・書評

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  • とある訓練を受けたキリヒト。図書館の魔女と言われているマツリカに仕えるため、山を降りて高い塔の図書館へ。

    マツリカと地下水路を探険したり、それを使って街中へ抜け出してみたり。

    声が出ないマツリカから特殊な手話を教わり、2人だけで会話を始めたり。

    半分以上すぎた辺りから、本編に入っていくような感じで。そこまで行き着くまでが長い。

    下巻も読むか迷うところです。

  • なにこれ萌える。
    いや待て待て、えーと、とりあえずファンタジーです。
    「図書館の魔女」も比喩かと思いきやそのまんまです。
    図書館の構造とかマジカルだし。
    しかしわかってたはずなのに巨人が出てきたときはびっくりした。そんなのもいるのか!
    図書館学的なこととか言語学的なこととか出てきて面白い。
    「包丁の歴史」は3門!3門!と思ってたら選書外ですか…そうか…がっかりしてたらフォローがあったのでうれしかった。
    キリヒトのことが気になって気になってしょうがなかったんですが思いのほかラノベ的にかっこよくてしびれた。
    そして魔女はかわいい。とてもだ。

  • 何を読まされているのだろう?ファンタジー?歴史書?
    作り込まれた世界観、設定から上橋さんのファンタジーを想定して読み始めたら、本題に行くまでの説明の長いこと。多島列島ときたらとゲド戦記。マツリカとキリヒトをテナーとゲドに重ねてみたが厚みが薄く。派閥対立や付随する歴史説明の様は司馬先生の歴史小説を読むが如く。
    面白い部分も確かにある。が、やや冗長である。
    キリヒトがキリヒトたる所以のエピソードに辿り着いたものの、そこからは斜め読みのすっ飛ばし。下巻へ行くにはすこし時間がかかるかもしれない。

    • 土瓶さん
      まったくの同感。
      途中で挫折しました。
      まったくの同感。
      途中で挫折しました。
      2022/07/16
    • mach-readさん
      備忘録へメッセージありがとうございます。土瓶さんの感想もいつも楽しく拝見させていただいています。
      備忘録へメッセージありがとうございます。土瓶さんの感想もいつも楽しく拝見させていただいています。
      2022/07/16
  • 驚いた。こんな精密なファンタジーを書ける日本人がいたとは。

    言葉とは、言語とは何なのか。作者が言語学をベースに持つためか、そんなことを考えられずにはいられない。専門知識を物語の中に落とし込む筆力が、この物語をより高質な、精度の高いものにしているように思う。
    驚いた。

  • 著者の博識はよーく分かったけれど、マツリカの言葉を全て理解しながら読み進めるのは、私の頭では時間がかかって仕方なく途中からは流し読み。ファンタジーとして物語を楽しみました。各キャラが立っているのが良い。

  • 一言でファンタジーとも言い難い。ミステリー要素も冒険譚も、少年の成長物語としても、胸キュンも。
    なんと小難しい政治の話まで。
    自分の語彙の少なさに恥じ入ってしまうほど素晴らしい物語です。睡眠不足必至。
    下巻まだまだ盛り上がりそう。

  • 上橋菜穂子さんのようなファンタジー冒険譚を期待して読み始めた。王都の図書館の塔に召し抱えられる少年キリヒトが主人公で、ラピュタのパズーのイメージを重ねて読んでいたのだけど、102ページ目で断念することになった。

    理由は、例えば図書館の様子や、人物紹介の描写、登場する小物に至るまで、ありとあらゆる描写が細かすぎて冗長に感じ、自分の読書リズムと合わなかった。
    図書館の天井がどんな素材で、どういう造りになっていて、どんな灯りが設置されていてどれぐらいの明るさなのか・・・みたいな描写があらゆる箇所で長々と続くのでストーリーが全然進まないように感じてしまった。
    私の日頃の読書スタイルがそういう細部描写にあまり注意を払わない読み方であるため、先日読んだ「獣の奏者」であれば100頁目にもなれば物語は大きく進展していたことを考えると、本書は自分には合わないのかなと判断した。

  • 図書館の魔女である、声を持たぬ少女マツリカの手話通訳兼、図書館司書見習いとして山里から一ノ谷の高い塔に出仕した少年キリヒト。先輩司書のハルカゼやキリンに習い司書の仕事を務める傍ら、マツリカの手話通訳として常に彼女のそばに仕える。やがて一ノ谷とニザマの政争が表面化し、襲撃されたマツリカの眼前でキリヒトのもう一つの任務が明らかになる。文章自体は本好きであればさして難解ではない。むしろ言語をスマートに操る筆者の言葉や文字を大切にする気持ちが伝わる。

  • 思っていたよりずっとファンタジー小説だった。
    本とは何か、言葉とは何か、知識とは、伝えるということは。
    言語学から国の趨勢を見据えて策動する。
    そんなことを背景で考えながら、声を持たない図書館の魔女とその手話通訳士となった少年の話。
    難しいのに面白い。そして分厚い。読み応えありまくり。
    この高い塔が象牙でないことが面白いんだろうな。
    日本っぽいのとか、昔の帝政の中国系とか、あちこち国のモデルが出て来るのも良い。

  • 一ノ谷の山里の少年キリヒトは、王宮からの求めに応じ、王宮の最奥に立つ「高い塔」の主に仕えるため出立する。
    「高い塔」とは、大陸史上最古の図書館。その全ての蔵書を把握し、王宮にも絶大な発言力を持つという「図書館の魔女」は、いくつもの言語を読み解き限りない叡智を持ちながら、口がきけない、ごく幼い少女マツリカだった。
    そしてキリヒトは、彼女のために手話を学んでいたが、文字を知らないのだった…


    3.5センチにもなる久々の厚み、美しい装丁にワクワクして手に取った。

    物語のはじめは、理屈がまさっているような文章が少しとっつきにくく頁がはかどらなかったけれど、最初の1センチくらいまでは助走のようなもの。
    やがてマツリカとキリヒトがふたりだけのコミュニケーション方法を得てから、その結びつきが当たり前の生い立ちを持たないふたりの心をひらかせていくのに従って、面白くなってくる。
    その後はぐいぐい物語が動きだす。

    見かけはファンタジーだけれど、マツリカの洞察力は安楽椅子探偵のよう、キリヒトの動きはアクションもののよう、図書館の司書たちの活躍はスパイもののよう。
    下巻が楽しみ。

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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