猫弁と指輪物語

著者 :
  • 講談社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062182188

作品紹介・あらすじ

カギのかかった部屋で、女優の飼い猫が妊娠した。天才弁護士・百瀬太郎に持ち込まれた依頼は「密室猫妊娠事件」。そこに盟友の動物病院を訴えたいという、新たな依頼が降ってきた。アルビノのビルマニシキヘビを、無断で転売されたという。しかし百瀬は、当日に婚約者にエンゲージシューズをプレゼントするための秋田旅行を控えていて…。一生懸命生きる人たちが胸に抱えた、それぞれの迷いと謎。果たして百瀬は、欠けたピースを埋めることができるのか?すべてがつながるハートフルミステリー、大好評第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 今まで以上に猫色が強く、人の輪のあったかさが
    自分のことみたいにうれしかった第三弾。

    相変わらずまったくの無自覚、一切の計算なしで
    乙女心をわっしり掴む男、百瀬。百瀬恐ろしい子!

    今回は野呂さんも大活躍!
    百瀬をホームズとして英雄たらしめるため
    名(迷?)ワトソンへとより関係が深まる2人。
    百瀬の心の充足と幸せが膨んでいく姿に
    何度も何度もココロがぶわっと熱くなりました。

    父と母のように百瀬がより愛しく不憫になって
    世話を焼かずにいられない、野呂さんと七重さん。
    さっぱりとしつつも猫弁先生に人への希望を感じるまこと先生。
    百瀬のすべてを見越して包んでくれる三千代さん。
    初めて百瀬への怒りを感じつつも
    純度をますます深めながら恋していく亜子ちゃん。

    みんなの想いあうキモチがそこここから染み込んできは
    幸せを噛みしめるように満たして幸せで包んでくれる指輪物語。
    小学生のような2人のかわいい恋はなかなか進展を見せないまま
    どこまでこの純度を深めていくのか、少しじれったいけど
    とってもとっても優しくてあったかくて心地いい。

    亜子ちゃんの純粋で深い想いが早く猫弁先生に伝わって
    自分でも気づかないほど厳重に封印されたココロのシミが
    消えるといいなと読むたびに祈ってしまう。

    「自分と一緒にいたい」人間が存在するということに
    百瀬太郎が気づく時、目に見えるはずもない
    漠然としていて掴みどころのない「幸せ」の輪郭すら
    見えるんじゃないかと思うほど、大山さんの描く
    人を人が想うことのあったかさは濃い。

    かわいいメインクーンのべべちゃん、
    無数の蕾をつけた桜、アンティークのペルシャ絨毯に
    高級でシックな家具で揃えられた白川邸のリビング、
    プチ・トリアノンのような素朴でかわいい花が
    咲き誇っているお庭。映像化される日が楽しみすぎる♡

    今回は号泣せずに読み終われるかなぁと思ったのに
    最後の最後でまた七重さんに号泣させられる…。
    息子の納骨。どれほどの地獄のような悪夢か
    同じ経験をした一人として、毎回七重さんの息子さんの話には
    涙が止まらない。そんな悲しみからふわっと飛び出した
    ダンナさんのあったかい救いの手と七重さんの想いの消化。
    とっても見事で感動しました。
    ワタシも前頭葉にできる限りの空気を送りながら
    またいつの日か満面の笑顔をココロの中に
    浮かべることができる日を迎えたいと思いました。

    • 九月猫さん
      あやさん、こんばんは。

      わたしはあやさんと同年代の既婚者だけどこどもはいません。
      わたしの場合はあきらめているので、
      あやさんや七...
      あやさん、こんばんは。

      わたしはあやさんと同年代の既婚者だけどこどもはいません。
      わたしの場合はあきらめているので、
      あやさんや七重さんと同じような哀しい経験はないし、
      状況も違うのだけど、こどものいない寂しさはやっぱり感じています。

      気の利いた言葉は言えないタチなので…
      何も言わないでおこうと思ったのですが、やっぱりこれだけ。

      あやさんが満面の笑顔をココロの中に浮かべることができる日が
      はやく訪れますように!
      あやさんの元にコウノトリさんが
      幸せを運んできてくれますように!
      心から祈ってます。
      2013/03/07
    • 山本 あやさん
      [♥óܫò]∠♡九月猫さん

      九月猫さん、こんにちは♡

      自分の感じたままに感想文を書いてるので
      気をつかわせてしまう結果になってしまって
      ...
      [♥óܫò]∠♡九月猫さん

      九月猫さん、こんにちは♡

      自分の感じたままに感想文を書いてるので
      気をつかわせてしまう結果になってしまって
      ほんとにごめんなさいっ。

      そして、ほんとにほんとにありがとうございますっ[´iωi`]
      状況は違えど九月猫さんが今までにたくさん重ねてきた
      毎日の想いは、きっと同じキモチや苦しみではないかなと思います。

      何事もいい意味で、囚われることなくっ
      と思ってもなかなか難しかったり、ココロって
      特にほんとにやっかいだったりしますよね[´ー`;]
      でも、その苦しみをいつの日か優しさに
      変換できる生き方を苦しくても努力していかなきゃですよね[^-^]

      九月猫さんのあったかいあったかい気持ちが
      ほんとにすごくうれしかったです。ありがとうございます!
      九月猫さんとブクログを通じて出逢えことも
      人生のとても大きな喜びです。
      つらいことがいろいろあっても人生捨てたものじゃないですよね[*Ü*]

      九月猫さんと九月猫さんの大切な方を
      囲む毎日が光でいっぱいの幸せな日々でありますように。
      百瀬さんたちのようなあったかい輪を
      本を超えてプレゼントしてもらったようなキモチです。
      ほんとにほんとにありがとうございますっ♡
      2013/03/08
    • 九月猫さん
      あやさん、こんにちは!

      うわー謝らないでください~!
      こちらこそ、かえってお気を遣わせてしまって申し訳ないです。
      ホントはこういう...
      あやさん、こんにちは!

      うわー謝らないでください~!
      こちらこそ、かえってお気を遣わせてしまって申し訳ないです。
      ホントはこういうところでお話するべきではなかったかも、と
      あとで反省したのですが。

      あやさんの前向きな姿勢やあたたかいお人柄を、
      いろんなレビューの文章やいただいたコメントから感じていて、
      まだ出会って間もない、しかもネット上だというのに、
      勝手にすごーく親近感を持ってしまっているのです。

      …で、どうしても気持ちを伝えたくなってしまったのですが、
      逆に励ましの言葉をいただいた形になっちゃいました。

      優しいあやさんにホロリときて、結局わたしが元気づけられています(泣笑)
      ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
      2013/03/08
  • 猫妊娠密室事件、蛇、公園の猫、物覚え、指輪、様々なピースが集まり、百瀬太郎の頭の中で、ぴったりとはまる。シリーズが重なるにつれて、出てくる事柄がどのようにはまるんだろうとドキドキしながら読みました。今回の指輪というキーワードは、猫弁だけではなく、野呂さんにも当てはまるのかな。
    亜子を大切にしようとする猫弁に、悔しい、寂しいという感情も出てきて、亜子に対する思いがあふれているところが読んでいてにんまり。この二人が上手くいくといいなと思う。続編が楽しみ。

  • 人と人がこんな風に知らないうちにちょっとずつ前向きに影響しあえるようになるとよいな〜と思える一冊でした。

  • 猫弁シリーズ3作目。
    今回も幾つかの事件と登場人物達が落とした欠片が、するするするする気持ち良くラストで纏まりをみせ、ニンマリしながら読了。
    「朝ごはんを食べる仲」=あの二人ならそうか、そうなるよね(笑)
    逢瀬を重ねる二人を密かに観察し、羨ましがっているウェイター君が結構好きです。
    君はこけしちゃんと頑張ったら良いと思うよ。
    何はともあれ、エンゲージシューズミッションも無事(?)完了。
    あの10コンビとメル友ならぬメル弟子関係を結んじゃう亜子が可愛い。
    百瀬のノート、私も覗いてみたいなぁ。
    続きを読むのが楽しみです。

  • テンポがよく、楽しい作品。
    今回も、女心に対する、百瀬のとんちんかんぶりが面白い。
    その根底には、まっすぐな愛情があるので、ほほえましく、時にじーんとくる。
    基本的に、ひどい悪意がなく、ほのぼのした読後感が魅力。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-89ae.html

  • 猫弁続編。
    今回は前回にもまして、ほのぼのしてましたねー。
    三千代さんとこも皆さん元気そうで何よりです(笑)

    相変わらず猫が可愛くて皆大切にされていて良い。
    猫好きがほんわかするシリーズです。

    そしてこのシリーズ、最終的に皆幸せなほうを向くじゃないですか。それが猫弁のすごいところで愛すべきところではないかと。だから皆喜んで巻き込まれるのかなぁと。

    続編あるのかなぁー。あってほしいなぁー。

  • 猫弁シリーズ第三弾。
    今回は亜子さんにエンゲージシューズをプレゼントするために秋田へ一緒に旅行するというが…
    また、密室で飼われていた猫が妊娠したという事件もからんでくる。

    牛歩のようではあるが、着実に深まっていると感じる太郎の亜子への想い、また今まで宝塚スターのような格好良さを放っていたまこと先生の恋?
    他にもいつものメンバーの新たな一面を見せてくれ、ますます目が離せない。

    私が前から一番気になっていたのは太郎が育った施設の理事長で、その彼も今回は登場したのも良かった。

    人にはそれぞれ過去があり、その過去には楽しいものもあれば、思い出したくないような辛いものもあるだろう。けれど、その一つ一つが今の自分を作っているのであり、無駄な経験なんてないんだろうなとか、自分が辛いと思っていた過去が実は知らないところで誰かの役に立っていることがもしかしたらあるかもしれないと思うと、希望が持てた。

    相変わらず、絶対のハッピーエンドに出来すぎでつまらないと思う人もいるかもしれないけれど、私はこの安心感が好き。

  • シリーズ三作目。
    第一回目のを、映像で見たせいか、キャストが脳内変換されて
    楽しんで進めさせていただきました。
    今回もまた、新しいキャラが登場。
    坂本龍一って・・・・あぜん。
    (映像になった時はあえて観ないかもしれない)

    それにしても、毎回人物がうまく絡み合い影響しあい、そして大団円。
    お見事!というしかないです。

    百瀬弁護士と亜子さんの距離の狭まり方が
    とにかく遅い!牛歩戦術、いえそれ以上。カタツムリ並み。
    シリーズはまだまだ続く、そう思ってもよろしいのですね。

  • 登場人物たちがみんな素敵すぎる。

    相手を思いやる気持ちが痛いほどに伝わって来て、ああ、私もこんな優しい人になろう、などとできそうにもないことを、本を読んでいる最中には結構まじめに考えてしまったほどだ。

    毎度のことながら出来すぎの感ありの猫弁シリーズなのだけれども、結局私はこういうのが好きなのだ。現実の世界はややこしすぎるから、物語の世界くらい、ありえないくらい優しくて、楽しくて、ほっこりしたいのだ。

  • ドラマも続編決定ですって。。。
    http://www.tbs.co.jp/nekoben/

    講談社のPR
    「10万突破の猫弁シリーズ、第二弾ドラマ化に続き第三弾刊行!密室猫妊娠、婚約者との秋田旅行、アルビノのヘビ…天才百瀬は大忙し! 」

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に『赤い靴』、『通夜女』などがあり、「猫弁」「あずかりやさん」など発行部数が数十万部を超える人気シリーズを持つ。

「2022年 『犬小屋アットホーム!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大山淳子の作品

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