「限りなく少なく」豊かに生きる

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062183024

作品紹介・あらすじ

『シンプルに生きる』『シンプルリスト』ほか累計50万部以上となる、著書のなかで、最高の「幸福のメソッド」が完成しました。
初めて明かされる、習慣や人間関係の見直し方から心の整理法まで、ドミニック・ローホーさんならではの、知恵のエリキシル(霊薬)が詰まっています。

「限りなく少なく」生きることで得られるのは、揺るがない豊かな人生。
このメソッドは、著者が自ら実践している具体的で効果の高いものばかりです。

「時間」は、習慣を見直して無駄遣いを解消し、「アポイント」ならまず自分ととります。
「友達」は厳選し、「約束」は果たせないならしない。それが誠実ということ。
「お金」は予算を組めば大事なときにケチケチしなくてもすみます。
「言葉」を吟味する人は、品格も高まります。

などなど、言葉、お金、人間関係、時間管理、思考法……そのすべてのコンセプトこそ「限りなく少なく」なのです。

*原題『“L’INFINIMENT PEU』。2012年刊行

感想・レビュー・書評

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  • フランス人による、ミニマリスト的な生活や生き方のヒント

    古今東西の名言と、
    特に禅や日本文化やフランス文化の、理想的できれいに見える部分をうまく紹介している感じ

  • 何度も繰り返し読み返してみたい本

  • 立ち読みだったがすべて読んだ。
    「鞄の中身は帰宅時に一旦すべて外に出す」など習慣に関するものが多かったが、ひとつだけひきつけられたのは、

    「人生の矛盾を、なんとしても解決しなければいけないといった義務感にとらわれずに、日々生じる疑念や一見理不尽な出来事も、それはそれとして享受する能力のことをカントは「否定的能力」と呼んでいます。そしてそれには喜びや苦悩がともなうこともあります。人生の豊かさとは、結局はこのような矛盾に満ちたものだからです。」

    という文章だった。

    しかしながら、私がいくらカントの否定的能力について英語・日本語・ドイツ語で検索してもヒットせず、おかしいと思ったら、キーツという詩人が表明した理論だそうだ。ちなみにキーツによる「ネガティブ・ケイパビリティ」理論表明時には、カントは没している。

    このような初歩的な誤りについては、著者のみでなく翻訳者および編集者の責任も存在すると考える。

    そもそも私がこの文章にひきつけられた理由は、私の抱いていたカント像と異なる興味深い発言だと感じたからだ。

    カントは、その生涯をかけて、万人に受け入れられる倫理の基盤を築こうとした。そんな偉人が、”人生の矛盾を、なんとしても解決しなければいけないといった義務感にとらわれず”に生きているはずはないし、”日々生じる疑念や一見理不尽な出来事も、それはそれとして享受する”わけもない。

    そもそも哲学的態度というのは、世の常の人ならば無視するような疑問・課題について、ひたすら思索を巡らせることで、たとえ大山の一石であったとしても、人類の知的基盤の充実に貢献しようとするものであるはずだから、それを根本から否定するような「ネガティブ・ケイパビリティ」は哲学者には相容れないものなのではないかと思う。

    というわけで、「哲学」のタグがブクログでつけられている本書であるが、哲学者の言葉を「詩」として、雰囲気だけ楽しめばよい(分析的に言葉の意味を突き詰めて考えることはしない)という意味で、ファッションとしての哲学に過ぎないと感じた。

    最後になるが、作者の「かぎりなく少なく、豊かに生きる」という思想そのものは価値があると思う。

    追記:この本の著者はキーツの言葉を独自に解釈しているのではないか、と感じられる。

    Wikipediaの「ネガティブ・ケイパビリティ」の項では、全ての物事が解決できるものではないということを受け入れる能力、として説明されている。ここからは、筆者の言うような、”解決しなければいけないといった義務感にとらわれない”≒解決しなくてもいいやという無責任な態度をとる、という要素は見いだせなかった。

    むしろ、キーツの説く、「不確かさや、不可解なことや、疑惑ある状態の中に人が留まる」ということは、ウィトゲンシュタインの「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」(神秘は神秘として享受する、というような意味)に通じるものがあると感じられた。

    なので、上記の私の文章での「ネガティブ・ケイパビリティは哲学者には相容れない」という記述は撤回させていただきたい。

  • 大変な仕事は小分けにして取り組む。
    沈黙がなければ心を磨く、癒し、感じることはできない。
    感情に任せて口を滑らせない。
    思い煩いは人を老けさせる。
    現在に集中し余計な心配はしない。
    何ごとも堅苦しく考えない。

  • ドミニックローホーさんの本は全部好き。
    フランス人なのに、誰よりも日本的な精神の持ち主。共感しかない!

  • 書き留めておきたい言葉がたくさんありました。

  •  「減らす」から「限りなく少なく」へ。ドミニック・ホーロー(原秋子訳)「限りなく少なく、豊かに生きる」、2013.4発行。心に留めたこと: ①1日持ち歩いたバッグは中身を完全に空にする ②風呂敷の活用 ③自分に厳しくすることが満足感の源となる ④自立している人は多くを語らない ⑤みんなと一緒より自分らしくを優先 ⑥自然の中で何もしない経験をする ⑦愉しみは外から、喜びは内から ⑧95歳になった自分を思い浮かべて慈しむ。

  • ドミニックさんの本は心が穏やかになります。
    親日なところも心地よいです。

  • 豊かに生きるためには。
    1番大切なことなのに蔑ろにしていたなと気付かせてくれる本です。

  • 目についた文章を書写し、噛みしめています。

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著者プロフィール

ドミニック・ローホー――著述業。
フランスに生まれる。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリスのソールズベリーグラマースクール、アメリカのミズーリ州立大学、日本の仏教系大学で教鞭をとる。アメリカと日本でヨガを学び、禅の修行や墨絵の習得などをとおし、日本の精神文化への理解を深めてきた。フランスはもとより全世界で著書がベストセラーに。『ゆたかな人生が始まる シンプルリスト』『シンプルに生きる 人生の本物の安らぎを味わう』(以上、講談社+α新書)、『シンプルだから、贅沢』(講談社)ほか、日本でもその著作は大きな支持を得ている。

「2022年 『成熟とともに限りある時を生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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