島はぼくらと

著者 :
  • 講談社
4.02
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本棚登録 : 4966
感想 : 709
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062183659

感想・レビュー・書評

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  • 瀬戸内の島で暮らす高校生4人の物語。島で暮らすということ、故郷を離れるということに思いを馳せる。

  • 爽やかな青春ストーリーです。
    程よい謎もあり楽しく読める。

    しかし、「ただの青春ストーリー」というだけで片付けられないのがこの本の魅力だと思う。

    小さな島という世界だからこそ起こる地元意識、新参者との距離感、視野の狭さ、巣立っていく人、残る人、、、そんな環境で過ごす主人公たちはどんな価値観を身につけて生きていくのだろうかと想像が膨らんだ。

    著者の辻村さんが実際に地方で育ったそうで、その時に感じていた違和感が、この本にも鋭く表現されています。

    青春ストーリーでありつつ、リアルな人間関係の描写に引き込まれてスイスイ読めました。終わり方も気に入りました。

    さわやかな 余韻に浸りたい方は是非。

  • 途中であまり読む気がしなくて時間がかかったので、少しだれた部分もあったのかも。

    島で暮らす4人の幼馴染の話。
    大都会東京の出身の私には、冴島も蕗子の故郷もなかなかグロかった。

    途中、最初の幻の脚本事件から尻すぼみになってない?大丈夫?と思ったが、しっかり伏線回収されて盛り返していた。

    本木くんのエピソードが良いなぁと思った。
    なぜ本木くんの家が島のどちらからもアクセスがよく、部屋がたくさんあり、そんな良物件があてがわれたのか……。

    島の未来を自分たちでより良くしようとする人々の物語には、パワーがあった。

    幻の脚本の作者についてはなかなか謎だったが。

  • 4人の関係性がすき
    離島で暮らすいい面悪い面が描かれててそれでもやっぱり離島いいなと思った

  • うわーん。
    最後の数ページの展開に驚き、泣いたよ。

    島特有の重さ、良さを描く。
    人情の機微の描き方が繊細。

    これも最終的に悪い人がいない物語だった。

  • 傲慢と善良にとても感激を受け、最後の解説のところに朝井リョウさんがこの本を勧めていたので呼んでみた。

    最後の新の一言がかっこよすぎて全て持っていかれた

    自分も離島ではないけど田舎育ちなので田舎独特の人間関係の難しさとか地元を離れるもどかしさとか色々共感してしまった

  • ずっと一緒にいた友達、島の人達、Iターンで来た人、仕事で来た人、それぞれの繋がりと絆がたくさん詰まっていて心が温まった。別れはとてつもなく辛いものだが、お互いの信頼関係が強く築けていれば、後悔もないし、大切な存在として続いていく。人は一人では生きていけない。人との関わりを大事に生きていこうと思わされるいい作品だった。

  • 瀬戸内海のある島で暮らす4人の男女高校生の青春物語。直木賞受賞後ということもありそろそろ辻村さんの青春ものが読みたかっただけに歓喜した。閉鎖された地域問題等もあるが淡い恋心や演劇にまつわる謎など爽やかな展開だ。4人には少し申し訳ないけれど憧れるな、島育ち。

  • 瀬戸内海の島に住む4人の高校生。
    彼らを取り巻く様々な島のしきたりや縛り、その中で育まれた友情。
    父母、祖父母の過去のエピソード、そこから今に繋がる物語。
    高校生の淡い青春ストーリーくらいの軽い気持ちで読み始めたが、閉鎖的コミュニティを中心とした大人のディープな世界もしっかり描くことで単調なストーリー性を許さなかった。

    映像喚起力に優れた文章が、容易に絵となって登場人物たちの笑顔と覚悟を読者にイメージさせ、美しい島の四季折々の自然や潮の香り、照りつける太陽の日差しまでリアルに届けてくれる。
    まるで花火を見た後に感じる儚さや祭りの終わりの寂しさ、切なさを読みながらずっと感じた。
    『島はぼくらと』帰る場所があるってなんて素晴らしいんだろう。胸打たれる爽快感のある作品でした。

  • 朱里と衣花、源樹と新、四人の島の子供達のお話。高校卒業と共に、それぞれの道を行く彼らの青春と、一筋縄ではいかない島のいろいろなことについて。
    田舎で暮らすって大変なこともあるけど、素晴らしいこともあったり、でも、楽しいことだけじゃなくてどうしようもないこともあったりして。人も、良いところと悪いことろがあって、物事には色々な見方があって。
    でも、それに左右されるんじゃなくて、それを知った上で、自ら動いて未来を変えていこうとする、登場人物達に勇気をいただきました。

    少年少女達の若い感覚がとても良かったし、懐かしく思いました。私はもう村長やおばちゃん達の感覚に近いんだよね。

    ぱっと見、タイプの違う源樹と新、衣花と朱里が共にいる距離感がたまらなく良かった。

    赤羽環が出てきた時は震えました。
    何の本に出てきたか調べたかったけど、感想書いてなかった〜ざんねん…。
    こういう、物語同士のつながりがあるのも、辻村さんの楽しみの一つですね。もしかして、彼らはすぐそばにいるのかも?と思っちゃうリアルさ。

    新の脚本の演劇を見てみたいです。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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