- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062183734
作品紹介・あらすじ
真夏の夜、元安川に、人々は色とりどりの灯籠を流す。光を揺らしながら、遠い海へと流れていく――。
68年前の8月6日。広島上空で原子爆弾が炸裂した。そこに暮らしていた人々は、人類が経験したことのない光、熱線、爆風、そして放射能にさらされた。ひとりひとりの人生。ひとりひとりの物語。そのすべてが、一瞬にして消えてしまった。
昨年、原爆をテーマに研ぎ澄まされた筆致で『八月の光』を世に問うた朽木祥が、今回、長編で原爆を描ききる。
日本児童文学者協会新人賞をはじめ、産経児童出版文化賞大賞など多数の賞に輝く朽木祥が、渾身の力で、祈りをこめて描く代表作!
感想・レビュー・書評
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2014/09/11
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2014/09/11
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この時期手に取り、今日読了したのは、やはり本に呼ばれたのでしょう。
昨夜、やなせたかしさんの番組を見た涙と果てしなくリンク。
奇しくも随分前に読了し、疑問を持った『永遠の0』に関するコメントも。
そう、勘違いしたくないです。戦争は決して美談ではない、「感動」で済ませて欲しくない。
涙が流れるのは、人の身体と心を何度も殺す、むごい人災に対する怒り。
当時ヒロシマだけでなく世界各国で犠牲になった「無辜の民」。
今、フクシマでの人災を忘れているのは誰?
「加害者になるな。犠牲者になるな。そしてなによりも傍観者になるな。」
やなせたかしさんの番組→http://www.nhk.or.jp/special/sp/detail/2014/0105/ -
小説のような、ノンフィクションのような。
あの日から25年目の広島のどこかで、本当にこのお話のようなことがあったのかもしれない……
この地に移り住み、気づけばけっこうな時間が流れていました。希未たちの方言も注釈なしでも理解できるほどに。
毎年、8:15には黙祷を捧げていますが、こういった書籍には、これまでなかなか手をつけることができませんでした。
明後日は73回目の8月6日がやってきます。
そんな今日、何となく図書館で出会ったこの物語には、なにかわたしなりの必然があったのかもしれません。
あの日に何が起きたのか知ること、そして忘れないこと。わたしにできることを少しずつしていけるといいな。 -
戦争の惨さ,恐ろしさを伝え,人の強さと優しさを信じさせてくれる作品。
大きな苦しみを抱えながら,懸命に今を生きる人々に涙。 -
鎮魂の書であり、戦争を知らない世代にも平和への思いを強くさせてくれる本。これは読み継がれなければいけない。
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心にしみわたるような物語だった。この物語は「事実」から織られた物語で、悲しみや痛みは隠れていてなかなか見ることや知ることはできないけれど、「戦争」という行為は戦い自体が終わる事はあっても、そこから生まれてしまったもの(悲しみや痛みや憎しみ)はどれほど長い年月がたっても癒えるものではないのだ、ということでしょうか。けれども、それは人の思いによって救われることもある、という部分に、暗闇の中に浮かぶ燈籠の光を感じました。戦争はいけません、絶対に。
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『加害者になるな、犠牲者になるな、そしてなにより傍観者になるな。』
とても難しい言葉だ。みんな何かに当てはまるんじゃないか。そう、大多数が傍観者に…。そして無辜の民は戦争に巻き込まれていく。ヒロシマだけじゃない、世界のあちこちで。やはり歴史を知ることは大切だなあと強く感じた。 -
自分が被爆何世なのかは分からない。
それほど時間が経ってしまっているということがわかる。
そのような現代において、【被爆二世】の話を読むことは、意味のあることのように感じた。
【被爆】と【被曝】
【被爆二世】と【被曝者】
文化祭というきっかけから、子供達が自分なりにまとめていこうとする姿は、心に響くものがある。
作者もまた、被爆二世。
そこが、またリアリティをかもしだしている。