田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」

  • 902人登録
  • 4.02評価
    • (90)
    • (114)
    • (48)
    • (15)
    • (2)
  • 130レビュー
著者 : 渡邉格
  • 講談社 (2013年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062183895

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
池井戸 潤
又吉 直樹
有効な右矢印 無効な右矢印

田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」の感想・レビュー・書評

  • 「池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」」を併せて読むと、マルクスの部分はよく理解できる。
    「田舎のパン屋」という「差別化」で「利潤」を生み出しているよう気もする。ビール事業拡大のために、既に勝山から移転しているようです。

  • 何者でもない自分に焦る。自分に向き合う事でしか自分らしさは育たない。
    時間はかかるけど自分のやりたい事に耳をすませて目を向けてみようかな。

  • 何でこの本のことを知ったか忘れてしまったが、しばらく前から図書館で予約待ちをしていた。それが、『脱資本主義宣言』を読みおわるのを見ていたかのように、順番がまわってきた。

    書類やら手続きやら月初からのいろいろが、とりあえず一段落して、久しぶりに手は編みものをしつつ、本を読む。手を動かしつつ朝から読んでいた本を、昼過ぎに読み終える。

    「腐る経済」というのは、どうも「脱資本主義」と似ているようだった。『脱資本主義宣言』では、アメリカ様の儲けるご意向がばかすか通り、暮らしが急激に変わってしまった事態のひとつとして、「パン食」の普及についてずいぶん書いてあった。そういうのを読んだばっかりだったので、「パン」屋さんが「脱資本主義」みたいな話を書いてるのは、ちょっと「?」だったが、読んでいると、どうも似たニオイのする本なのだ。

    ▼「腐らない」という現象は、自然の摂理に反している。それなのにけっして腐らずにむしろどんどん増え続けるもの。それがおカネ。(p.2)

    「腐らない」パンや、「腐らない」食べものがヤバイように、「腐らない」おカネもヤバイ。「腐る経済」の"腐る"で著者が言いたいのは、ちゃんと腐ることで、ものは姿を変え、土へ還り、自然のいとなみのなかで循環していく、ヤバイものは浄化される…というようなことらしい。著者の言う「腐る」には、大きくわけて発酵と腐敗のふたつがある。

    ▼…イーストのように人工的に培養された菌は、本来「腐敗」して土へ還るべきものをも、無理やり食べものへと変えてしまう。「菌」は「菌」でも、自然の摂理を逸脱した、「腐らない」食べものをつくり出す人為的な「菌」なのだ。
     添加物や農薬といった食品加工の技術革新も、同じような作用を引き起こしている。時間とともに変化することを拒み、自然の摂理に反して「腐らない」食べものを生みだしていく。
     この「腐らない」食べものが、「食」の値段を下げ、「職」をも安くする。…(略)
     …おカネは、時間が経っても土へと還らない。いわば、永遠に「腐らない」。それどころか、投資によって得られる「利潤」や、お金の貸し借り(金融)による利子によって、どこまでも増えていく性質さえある。(pp.73-74)

    著者は、いまは岡山の田舎でパン屋をいとなんでいる。「酒種(さかだね)」でつくる「和食パン」をはじめ、天然菌を採取し、それを育ててパンをつくっているそうだ。酒種でつくるパンといえば、明治に木村屋がつくったあんぱんもそうだったなと思う。

    第一部「腐らない経済」では、パンをつくって暮らしをたてていく道を選んだ著者の履歴と、その過程で出会った「菌」の声が、150年前のマルクスの声と重なっていると気づいた話が書かれている。そして、第二部「腐る経済」では、「田舎」で「パン屋」を営むこと、そこで菌を育て、パンをつくり、商いをしていく暮らしのなかで、どうやったら経済を「発酵」させ、「循環」させることができるだろうという試行錯誤が書かれている。

    「都会」での会社員時代、おカネを使わされるために働かされているような理不尽を感じていた著者は、「田舎」で「利潤」を追求しない商いをやっていこうとする。

    ▼「田舎」には、「都会」の理不尽さはないけれど、その分、便利さもない。生活を成り立たせるための条件は、「都会」よりも厳しい。おカネ任せ、他人任せでは暮らしていけないのだ。(p.165)

    著者の父は大学でつとめる研究者なのだそうで、この父がゼミの学生に息子のつくる素材と技術にこだわったパンの話をしたときのことを、話してくれたことがあるという。

    ▼―(略)ただ、おまえたちがつくるパンは、巷で流通しているパンと比べると、やっぱり高い。スーパーやコンビニで売られているガラクタのようなパンも、国の安全基準はちゃんと満たしている。100円のパンとおまえたちがつくる400円のパンが並んでいたら、おカネのない学生は、ガラクタだと分かっていても、安いほうのパンを買ってしまうだろうとも言っていた。(p.223)

    「おカネの使い方を見直すこと」が、経済を「腐らせる」ひとつの方法だろうと著者は書く。おカネの使い方こそが、現実を動かし、社会をつくっていくと書く。それは確かにそうだと思うけれど、著者が丹精してつくった「高いパン」や、フェアトレードの「高いチョコレート」や「高い服」は、おカネがある人でないとそうは買えないよなーとも思う。そのあたりで、いつも、ちょっと、モヤモヤ~とする。

    この本は、かなりおもしろかったけど、もうひとつ私がどうかな~と思ったのは、「男35歳、家族の生活も賭けての大勝負」(p.21)というようなところで、パン屋は妻との二人三脚でと書いてあって、きっとそうでないと成り立たない商いであり暮らしなのだろうということは伝わるのに、こういうところにひょいと出てくる「男」って何なんやろう??と謎なのだった。

    なるほどーと思ったのは、イナズマは「稲」の「妻」だという話。窒素固定といえばれんげ草(=マメ科の植物)しか知らずにいたし、それだって学校の机上で習ったことで、土にふれ、作物をよく見て知ったわけではないのだ。

    ▼「雷がドンと鳴ると、空気中の窒素が水に何トンと溶けるんだよ。空気中の窒素が雨に溶けこんで、それが土を肥やして米を実らせる。だから、『稲』の『妻』なんだ。昔の人は、科学なんて知らなかったけど、五感と経験で、自然のことをよく知ってたんだ」(p.200)

    そして、竹細工職人の平松さんの話にも、はっとした。

    ▼―日本に資源がない言うんは大ウソですよね。森があって水があって、四季がめぐり、豊かな資源に恵まれています。僕は、こんなに資源が豊かな国はない思うんです。竹だって、そこら中で勝手に生えてきます。
     でも、江戸時代の終わり頃から、西洋の技術に圧倒されて、目の前にある豊かさが見えんようになってしまったんでしょうね。昔から長い時間をかけて培われてきた伝統技術が、その頃を境に、ものすごい勢いで失われていきました。
     それでも、桶屋や鍛冶屋、竹細工は、生活と密着していたから、最後まで生きながらえたんです。そこにトドメを刺したのがプラスチックです。…(略)…おかげで、切っても切っても生えてくる無尽蔵の資源の竹は、今じゃ厄介者です。使えばいいのに、誰も使いませんから。…(p.209)

    "資源がない日本"観を、私もなんとなく身につけていたことに気づく。その自分に気づいて、うぉーと思う。

    (3/20了)

  • PDF
    小さい経済学

  • 岡山の片田舎で一つ400円もするパンを売っているお店でのマルクスの教えと天然菌によって生み出される「腐る経済」に基づいた自然な暮らし。

    だれもかれもがこの生活を真似することはできないだろうけど、こういう暮らしもきちんと成り立つのだ、と知ることはとても大切なんじゃないかと、思う。

    地元の竹とお米と水でなければ育たない菌があり、築百年の古民家でしか作れないパンがある。

    ちゃんと生きるってこういうことなのかもしれない。

  • 利益を追求せずパン作りを突き詰めてる感じなんかは好感が持てるし尊敬できる。 ただ、本のタイトルほど経済っぽい内容ではないような。 マルクスがどうとか、エンデがどうとか確かにあるんだけど、経済どうこうの話は頭に残らず自然というものに向き合ったパン屋の話という印象しかない。 本としてはそれなりに楽しめた。

  • ビールに走るって思った

  •  田舎にかまえる1軒のパン屋。価の安い田舎で1個400円のパンが売れる。しかも、週3日休み、年に1度1カ月の休みを取りながら、年商2000万円。夢のような話だけど、著者が実践しているのは自分に正直に生きることだけだ。よく耳にする「差別化」やら「ブランド」などの小細工は必要ない。
     成功の鍵は「マルクス」「菌」。
     マルクスは資本主義経済の問題を示した人だ。彼がいうには、資本主義の構造が労働者を虐げ、資本家が労働者を搾取する。この循環の中から抜け出すには、生産手段を持ち、労働力の交換価値を高く保つこと。それが「腐る経済」。
    彼が営むパン屋では、利潤は必要ないので、原価や人件費は常識外れ。けれど、みんなが納得している。
     次に菌。最近夫が発酵に目覚め、恥ずかしながら初めて菌が我々の暮らしに大きく関与していることを知った。美味しく食べてるパンもその一つ。著者が試行錯誤した発酵の過程、詳しくは正直よくわからなかったけれど、並ならぬ根気を要したことだけはよくわかった。その結晶が彼らの酒種パン。食べてみたい!!

     著者の人生は挫折だらけだったらしい。30歳過ぎても自分の道を見つけ出せず、田舎になんとなく憧れている、、って私のこと?重ね合わせる部分が多かった。彼がパンで自分の納得する道を見つけたように、私にとってのパンが早く見つかるようにと感じ入らずにはいれなかった。

  • ここでも取り上げられていた平川克美の『小商いのすすめ』
    マルクスもすすめてたのか・・・

    休むことも大事、パンだけじゃなくていろんな人・場所に会って新しい体験をすること、音楽や自然や食にふれて感性を磨くことがパン作りにつながる。安すぎる食べ物を買うのは控えよう。

  • 腐る。よく考えたら自然なことだ。そんな「あたりまえ」を見失っていた。それに気づくだけで、今を大切にでき、周りを見渡すことができ、流れに身をまかせることができそう。

  • 腐る経済というタイトルをみて、社会批判と思っていたけど、全然違っていて循環社会を意味合いがあるようだった。
    天然酵母の酒種パン屋の物語と、菌の魅力が存分に書かれている。
    マルクスというだけで政治色が強くなってしまうげど、思想は今も生きている。エンデの遺言も読んでみよ。

  • 30歳で大学を卒業した著者が就職した会社はちょっとしたブラック企業。「どんな小さなことでも『ほんとうのこと』がしたい」と一念発起し、パン屋を始めた著者が考える社会・経済とは?!
    著者の生き方がステキですし、何よりパンが美味しそう。
    好きなことで稼ごう!といったやる気も出ます。

  • 微妙。著者の思想が少し極端で、個人的に共感出来なかった。資本主義は悪だからと逃避してる感じ。資本主義が前提となっているこの世の中で、ここに問題があるからどうする、という建設的なものが本から感じられなかった。

  • ・自分の「労働力」を切り売りすることを避けようと思ったら、自前の
     「生産手段」をもてばいい。

    ・「技術革新」は、労働を単純に、楽にする方向で進む。
     労働が単純化することで、いくらでも替えがきくようになる。

    ・「職」(労働力)を安くするために、「食」(商品)を安くする。
     これがマルクスが解き明かした資本主義の構造。

    ・「腐らない」おカネが、資本主義のおかしさを作り出している。

    ・生を全うする根底には「腐る」ことがあるのでは。

    ・麹菌を使って、お酒や食品を作るのは、日本独特の文化。

    ・「自然栽培」において、農家の仕事は「土を作る」こと。そうすれば、
     植物は自分の力で「育つ」ようになる。育てるのではなく、育つ場を作る。

    ・引き算のパン作り。

    ・お金を使わされるために、働かされているような。

    ・資本主義経済の矛盾は、生産手段をもたない労働者が、自分の労働力を
     売りしかない構造から生まれている。

    ・自前の「生産手段」を取り戻すことが有効な策になるのでは。
     そのニュアンスを上手く表現してくれているのが「小商い」という言葉。

    ・労働者が生み出した分は、労働者にきっちり渡せば「利潤」と無縁で
     いられる

    ・同じ規模で経営を続けていくのに「利潤」は必要ない。

  • 最初はタイトルの「腐る」という言葉のイメージがあまりよくなかったが、読んでみて納得。

    会社をやめ、パン職人を目指して小さな工房で働いたものの、そこは今流行のブラック企業。「なぜこんなに苦しいのか」と悩み苦しむ著者はマルクスにたどりつく。「資本論」を読み込み、「労働」という「商品」の「交換価値」のロジックに理を啓いた著者は、労働者がいかにしてプライドを持ち、自らの業を成り立たせることが可能かを巧みに説いてくれる。パン作りに必要な酵母、乳酸菌、麹といった「菌」は、パンの素材となる米や小麦を「発酵」させもすれば、「腐敗」させもする。なるほど、タイトルの意味はそういうことだったのか。

    商品の価値を高く維持する。「技術」を持ち、自家生産手段を持てばいい。これからは「小商い」が大切だ、という著者の論点は慧眼と思う。

    「日本に資源がないなんて大嘘ですよね」というフレーズに心から共感しまくる一方で、その資源を活用し、生活を豊かにするために考え抜かれ、世代から世代に綿々と受け継がれてきた巧みな知恵や技術が、我々の時代で急激に失われてしまってきていることに底知れぬ危機感を覚えている。

    雷を「稲妻」と呼ぶ理由を初めて知った。科学のない時代に、観察と経験から我々の先達は雷が「稲の妻」であることを知っていた。自然を尊び、その一部として毎日を生きる先人の知恵の素晴らしさ。

    良書です。

  • ブログでオススメされていた本だったが、良書。資本主義の経済に疑問を感じていた作者が田舎でパン屋を開業するお話だが、その主軸にあるのは資本主義経済の不安定性に対しての話。それに対してのマルクスの資本論もちょくちょく出て来る。
    安い食は安い職につながる、といった一言がとても印象的。いつかこのパン屋に行きたい。以下抜粋
    ----------------------
    ・労働者がめちゃくちゃに働かされるのは、資本家(経営者)のせいではなく、資本主義の構造上のもの。
    ・マルクス「労働者が労働賃金を現金で受け取って、工場主による搾取が終わると、その時彼らには他の部分のブルジョワ階級が襲いかかる。すなわち、家主、小売商人、質屋などなどが」
    ・資本主義経済の矛盾は「生産手段」を持たない「労働者」が自分の「労働力」を売るしか無い構造から生まれる。(労働者皆で生産手段を共有するのは共産主義)
    ・毎日のお金の使い方も経済を腐らせる一つの方法だと思う。お金には未来を選ぶ投票権としての力がある。何年かに一度の選挙の一票よりも、毎日使うお金の方がよほど現実を動かす力になる。

  • 今現在、安全な食を手に入れるのはここまで大変で手間がかかることなのかと愕然とした。日頃何食べてるんだろうか。発酵とかいろいろ興味深かった。

  • 利潤を出さない(資本を増殖させない)というところがもっともユニークに感じた。資本主義のルールの外に出ないと、資本主義の抱える諸問題から自由になれないという。

  • ちょっと前に韓国で流行った本で、ずっと読んでみたくて、
    やっと購入。この本に出てくるパンが食べてみたいな。
    きっと美味しいだろうな~

    自分のやるべきこと、やりたいことを見つけた著者は本当に羨ましい。著者のような生き方ができたらいいなと思う反面、今の社会では誰かが資本主義の犠牲になっているからこそできる生活でもあるのかなと考えたりもした。

    マルクスという言葉も久しぶりに聞いたし、
    100年以上も前の時代とあまり変わっていないこの時代に自分がどう生きていくべきか考えないといけないと感じた。

  • 読了。一気に読んだ。私より1才年上の人で、いろいろな生き方ができるのだと感銘をうけた。資本論の話も少しあった。20代前半は、フリータ、後半は、大学生。31才で新卒。その後4つのパン屋で修行して、千葉でパン屋を独立開業、震災を経て、岡山へ移住して、改めてパン屋を開業した話である。子供も二人いる。こだわりを持って生きると人生回りだすのかなと思った。

  • 334

    2016年では114冊

  • これはこれで素敵な暮らし方だなぁ、と思った。
    2時間くらいでサクッと読める分量も読みやすくていいのでは。
    天然酵母にこだわる田舎のパン屋さんが、(お父さんに読めと言われた)資本論も踏まえつつ、パン屋の設立の経緯や、経済についての考え方なんかをゆるゆると述べた本。
    明確な結論があるタイプの本じゃないので、時間対効果、とか言われると厳しいですが、まぁそういう人はきっと読まないでしょう。。

    こういう面白いパン屋さんがシェアされて話題になる、というのはまぁあるんだろうなぁ、と感じました。実際韓国でこの本が話題になって、お客さんが遙々押し寄せたとか。
    小麦アレルギーのくだり(実際には輸入小麦の殺虫剤のせい!?)は少々気になる話でした。

    ちょっとだけ引っ掛かったのは、著者の行動のキッカケ。お祖父さんの夢枕でパン屋になる、お父さんのコメントで資本論を読む、パンの値付けは奥さんの意見で。みんな大事なところだけど、受け身。そんなもんなのかしら。
    あと、イラストはもやしもん的だけど問題ないのかちょっときになりましたー。

    嫌いではないです。一定層には受ける本。

  • パンの出来る仕組みと経済の仕組みがやさしめ解説されてる本
    酵母と発酵の話がこんなに人間社会と似てるなんてびっくらぽんw
    サービス残業は利潤を求める経営者と社会によって生まれるのだから、労働者はいかにして自分の労働条件を守るか、入るときから考えとかないとダメなんだな~、とか、その輪から外れる方法とか、おもしろくてわかりやすかった
    どんなものでも無理を重ね続けるとおかしくなっていくんだな
    あとパン作り行程のイラストもいい味出してるし写真のパンがうまそうw パン好きにいいと思う

  • ・チャンスは準備ができた人間の下にやってくる
    ・体全体で学ぶ
    ・1点集中は大事だけど、そればかりではいつかつまる。長い休みを取り、他の分野の事を知る事をすれば新たなアイディアが浮かびやすくなる。
    ・自分で答えを出せたものは強く、いつまでも残る。

    という事を学べた1冊でした。

    どんな菌がパンに適してるのかを知るために、著者が実際に菌を食べた話は面白かったな。

全130件中 1 - 25件を表示

田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」の作品紹介

どうしてこんなに働かされ続けるのか? なぜ給料が上がらないのか? 自分は何になりたいのか?――人生どん底の著者を田舎に導いたのは、天然菌とマルクスだった。講談社+ミシマ社三島邦弘コラボレーションによる、とても不思議なビジネス書ここに刊行。「この世に存在するものはすべて腐り土に帰る。なのにお金だけは腐らないのはなぜ?」--150年前、カール・マルクスが「資本論」であきらかにした資本主義の病理は、その後なんら改善されないどころかいまや終わりの始まりが。リーマン・ショック以降、世界経済の不全は、ヨーロッパや日本ほか新興国など地球上を覆い尽くした。「この世界のあらたな仕組み」を、岡山駅から2時間以上、蒜山高原の麓の古い街道筋の美しい集落の勝山で、築百年超の古民家に棲む天然酵母と自然栽培の小麦でパンを作るパン職人・渡邉格が実践している。パンを武器に日本の辺境から静かな革命「腐る経済」が始まっている。
【著者・渡邉格(わたなべ いたる)から読者のみなさんに】
まっとうに働いて、はやく一人前になりたい――。回り道して30歳ではじめて社会に出た僕が抱いたのは、ほんのささやかな願いでした。ところが、僕が飛び込んだパンの世界には、多くの矛盾がありました。過酷な長時間労働、添加物を使っているのに「無添加な」パン……。効率や利潤をひたすら追求する資本主義経済のなかで、パン屋で働くパン職人は、経済の矛盾を一身に背負わされていたのです。
僕は妻とふたり、「そうではない」パン屋を営むために、田舎で店を開きました。それから5年半、見えてきたひとつのかたちが、「腐る経済」です。この世でお金だけが「腐らない」。そのお金が、社会と人の暮らしを振り回しています。「職」(労働力)も「食」(商品)も安さばかりが追求され、
その結果、2つの「しょく(職・食)」はどんどんおかしくなっています。そんな社会を、僕らは子どもに残したくはない。僕らは、子どもに残したい社会をつくるために、田舎でパンをつくり、そこから見えてきたことをこの本に記しました。いまの働き方に疑問や矛盾を感じている人に、そして、パンを食べるすべての人に、手にとってもらいたい一冊です。

ツイートする