祈りの幕が下りる時

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062185363

感想・レビュー・書評

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  • 親子の不幸な生い立ち。大人になっても世を忍んで生きていくしかない。とまるで「砂の器」。溶けないパズルがはまっていき、「砂の器」なのかぁと分かった時はなかなか感動的。あちらはコンサート指揮者、こちらは成功した舞台の演出家。途中からは犯人側の独白になっていくのも似ている。「砂の器」ほどのスケールがないのがかえっていい。今回はそれに加賀恭一郎の生い立ちがからむ。家出した母親の顛末から入る。特にミステリでもない自然な語り口がいいですね。全体も非現実的な悲劇なのだがリアルさをうしなわず、臭みのないまますんなり入ってくる。日本橋のこだわりで橋の名前が出てくるとこもこのシリーズの雰囲気を活かしたつくりになっている。
    最後の父親殺しは演出した舞台の進行と重なるということで、芝居と殺人シーンをカットバックでつなぐ映像が見えてしまう。このくらいのスケールの話なら映画でお願いしたいですね。

  • 悲劇なんかじゃない これがわたしの人生。極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが…。加賀シリーズ10作目にして、加賀恭一郎の最後の謎が解き明かされる。

  • 犯人の目星、動機は想像できたけどそれが、加賀刑事の母とどう繋がるかが、予想できなかった。

    犯人のつらい境遇は理解できるが、なんとなくしっくり来ない行動に、…という読後感だった。

    「砂の器」
    を思い起こさせる作品でした。

  • 加賀恭一郎シリーズだったんですね。登場してきたときはとても嬉しかったです。セリフが出てくるたびに、阿部ちゃんの姿が目にうかんできて、ニヤニヤしてしまいました。
    結末に行き着くまでの中味が濃くて、読み応えありました。加賀と母親との絡みも、ジーンとしました。主人公と父親のあまりにもつらい過去がずーんとのしかかって、今も響いています。

  • 2組の家族の物語。これは、東野版『砂の器』なのかな。
    ちょっと安易な人物設定もあるけど、泣けた。
    でも号泣したのは、加賀の母親が言ったらしい(手紙の中だからね)
    「恭一郎は、これから先、もっともっと立派になります。」
    これが一番だ。
    謎解きとは関係ないけど、『容疑者x』で湯川が叫んだ「泣かせてやれ」以来の泣かされる一言だ。

  • 前回読んだ疾風ロンドがちょっと物足りなかったので
    今作はとても楽しく読めた。
    やっぱり加賀物はおもしろい。
    彼がそこまで母親にこだわっていたとは、思わなかった。

  • 初めての加賀恭一郎シリーズ。
    とても面白かった!
    面白すぎて2日で読了。
    前作までを読んでなくても、まったく問題なしでした。
    やっぱり東野圭吾はすごいですね。
    結末ももちろんいいですが
    事件を解決していく過程が面白い。
    リズムよく、スピーディーで、
    ページをめくる手が止まらなかったです。
    シリーズ、最初から読んでみようかな。

  • 加賀恭一郎シリーズ最新作。ようやく回ってきたのだか、返却期限間近なので頑張って読みました(笑)やっぱり阿部寛のイメージで読んでしまう(^^ゞ
    不遇な親子関係が引き起こした事件が重なりあってしまったとしか言いようがない悲しすぎる結末でした。
    唯一の救いは加賀恭一郎の母親が不遇なだけではなかったことかなあ。
    登紀子さんと加賀恭一郎の今後の進展に期待できるかも?

  • 加賀恭一郎シリーズ最新作。

    キャッチコピーは
    悲劇なんかじゃない これがわたしの人生

    極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが。

    加賀恭一郎の母が明らかになり、今回は事件と密かな縁がります。心だけが繋がっている親子らのとても哀しい物語でした。

  • 父娘の強い絆に胸が締め付けられる。完全に泣かされました。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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